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反抗
音がしたんだ。
ぱしんって心地の良い音が。
今まで僕を縛っていたものが切れた。その合図だと思った。そう思いたかったんだ。
でも違ったんだ。
寒さでしもやけになった右足の小指をさする。
「反省しろ」「真面目になれ」「あなたなら分かるはず」
何度言われたのかは覚えていない。そもそも数なんて、さらさら気にしていない。それよりも今のこの状況を打破しなくてはならない。
なぜ反抗したのか、なんていう自分でもわからない問を「考えろ」などと言われてしまったのだ。
困惑するのはしょうがないこと。そう、しょうがないことなのだ。
パチッと近くで音がした。静電気かなと思った瞬間だった。さっきよりも大きな音を立て、扉が焼け落ちた。
火事だ、とすぐに分かった。死ぬんだな、ということも。




