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95話 チームオーガの本体たち

呼吸を整えた凍矢は慎重に通路を進む。


通路は一本道であるが鋼鉄製のドアが六つほど確認できた。


しかし、凍矢は迷うことなく、とあるドアのノブを回した。


だが、それには鍵が掛かっているもよう。


「ちっ……そう上手くはいかないか」

「誰だい?」


扉の向こう側から声が聞こえた。


随分と幼い声だが、それはトラクマドウジの声だ、と凍矢は判別する。


「ドアから離れて」

「どうして?」

「怪我をする」

「分かった」


そのようなやり取りの後、気がドアから離れてゆくのを感じ取った凍矢は百式火縄銃でドアを破壊した。


溶解した鋼鉄のドアの向こうには驚いた表情のあどけない少年の姿。


トラクマドウジの本体である。


年の頃は10歳頃であろうか。


ドッペルドールの面影はあるが、それにしたって幼過ぎた。


凍矢は部屋の中に入る。


部屋は一切の窓が無く壁は全て鋼鉄製だ。


大きな丸テーブルと椅子が三つ、それと大きなベッドが一つ。


そこに子供と女性三名が監禁されていた。


「……トラクマドウジか?」

「えっ、えっ、えっ!? ト、トーヤさんっ!?」


トラクマドウジ本体は可愛らしいショタっ子だ。


幼いが故に女の子にも見えてしまうが立派なパオーン様が完備されている。


「トラクマドウジの本体で間違いないな?」

「え、えぇ……まさかトーヤさんが来てくれるとは思ってもみませんでした」

「色々とあってな。これはドクター・モモの依頼だ」

「あのマッドサイエンティストの?」

「君たちの間でもその認識か」


凍矢はクスリと笑みを零した。


そんな彼女の表情に見とれるショタっ子は雄の顔を見せる。


幼いが立派な助兵衛であるもよう。


「ちょっと! あんたっ! 寅吉君に馴れ馴れしいわよっ!」

「ん? 誰だ君は? 警備員か?」


ちゃきっ。


「ひぃぃぃぃぃぃっ!? 無表情で銃口を向けないでっ!」

「邪魔をするなら排除する」


凍矢は黒髪ポニーテールのそばかす少女に銃口を突き付ける。


「待って! 私よ! 私! クマドウジよ!」

「……あぁ、トラクマドウジさんの取り巻きか」

「ぐぬぬ、せめてチームメイトと言ってほしいわ」


そばかすポニーテールはクマドウジの本体であった。


本名は【熊谷くまがや楓花ふうか】という。


容姿は極々普通の女子高生といった感じだ。


ドッペルドールのような妖艶さは全く無く、平凡な日本人女性という印象を受ける。


若干、胸が大きいのが特徴か。


「似ても似つかないな」

「あんただって本体はこんなもんでしょ!?」

「……僕が本体だが?」

「えっ?」


凍矢は自己紹介をする。


「僕は東方・凍矢。ドッペルドール・トーヤはドクターモモの細工で旭川で活動中だ」

「だ、だからって本体でこんな無茶な救出作戦をするだなんて」

「本体の方がドッペルドールより強いのだから仕方がないだろ」

「そんな馬鹿な」


凍矢の説明にトラクマドウジ事、寅吉君は呆れた。


「ふえぇ……何それ、ドッペルドールよりも美人とか」

「いや、普通はドッペルドールの容姿に盛るでしょ。能力を削っても」


黒髪ショートの貧乳美少女と癖っ毛ロングの爆乳根暗ぽっちゃり女性が、凍矢の容姿に呆れを見せた。


ショートがホシクマドウジ。


本名【明星みょうじょう小豆あずき】。


癖っ毛がキンドウジのパイロット。


本名【金林かねばやしみちる】という。


ちなみにトラクマドウジの寅吉君は【武智たけち寅吉とらきち】という名だ。


「さて、そろそろここを出よう。あいつを止めないといけないし」

「凍矢さんが止めないと、って言っているってことはトウキさんも?」

「その本体だ。似ても似つかないから覚悟はしておいて欲しい」

「えぇ……?」


凍矢の1オクターブ低くなった声にドン引きする寅吉君たち。


「っと、その前に君たちのドッペルドールも回収しておきたいところなのだが」

「それは難しいかもしれません。僕らのドッペルドールは重要区画に収納されていて警備も厚いんです」

「そうか……できれば回収したかったのだが」


凍矢は気を取り直し脱出を優先することにした。


最悪、本体さえ回収できればいい、とドクター・モモは言っていたからだ。


今は寅吉君たちを無事に脱出させ、桃吉郎をどうにか諫めるのが肝要。


そのように理解した凍矢は百式火縄銃で鋼鉄製の壁を破壊する。


その無茶苦茶な現象にチームオーガの面々は白目痙攣状態に陥った。


「こ、こんなの生身の人間がやってはいけない行為ですっ!」

「安心してほしい。君たちはこれ以上の暴虐を目の当たりにする」

「「「「ひえっ」」」」


ぽっかりと開いた壁の向こうでは黒い大蛇が大暴れだ。


さながら怪獣映画のようだが、これは現実である。


「フキュオォォォォォォォォォォォォォンッ!」

「何だ、あれは?」


凍矢は目を細め大蛇を確認するも構っている場合ではないと判断。


「全員、僕にしがみ付け」

「えっ?」

「早くっ!」


困惑しながらもチームオーガは凍矢にしがみ付いた。


「柔らかっ!? あんた、本当に男っ!?」

「ちょっ!? お尻もちもちっ!」

「あれ? おっぱいある?」

「良い匂いがします」


「……行くぞ!」


凍矢は色々と言いたいことがあったがグッと堪え、穴から外へと飛び出した。


「ふぁっ?」


まさかの行動にチームオーガは思考停止。


暫しの自由落下の感覚を体感する。


「このタイミングか……吉備津流・柔の型【羽衣】!」


凍矢の足底に黄金の輝きが生まれ出て落下速度が急激に緩やかになってゆく。


凍矢が宙に摩擦を生み出し結果だ。


「流石に4人は沈むな」


思いっ切りオーラを足底に回す。


黄金の輝きは更に色濃くなってゆく。


「ほぎゃぁぁぁぁぁぁぁっ!?」

「自、自殺反対っ!」

「くひひ、先立つ不孝をお許しください」

「凍矢さんっ、男でもいいから子孫繁栄しましょう!」


少しばかり落下速度が落ちた事で余裕が生まれたのだろう、それぞれに悲鳴を上げる。


だが寅吉君や。


君は何トチ狂った事を言っているんだい?


少し向こうでお話しようか。


「落ち着いて。暴れると落ちる」

「ひゅいっ」


ぎゅっ、と凍矢にしがみ付く熊谷はその体の柔らかさに、こいつ絶対に女だろ、と確信した。


そして、がっちりと尻肉を掴んでいる金林は男女問わず食ってしまう両刀遣いだ。


そんな彼女は凍矢の性別などどうでもいいから喰いたいと思っている。


悪寒を感じた凍矢は、早く地上に到着しないかな、と遠い目をしたという。

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― 新着の感想 ―
[一言] そういえばトーヤちゃん(ドール)ではなく現在の凍矢ちゃん(本体)は子孫繁栄できるんですかね…?
[良い点] 凍矢「僕に母性を感じるな!」 寅吉「そのオカンじゃない!」 金林「そっちのお母んでも問題ないバブー」 [気になる点] ゴリラ「今回出番が無かったから食っていいよね」 珍刀「ふきゅ〜ん」 …
[一言] 寅吉くん… 珍獣「食いしん坊の時とは全く違うな」 NG「えー変わる前と言うべきでしてな…」 寅吉「凍矢さん…ええケツしてたな…」 珍獣「魂は同じか…」
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