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74話 ぽろりんちょ

凍矢が駆けこんだのはトイレだ。


個室に駆け込む、と急いでズボンを下ろし、続いてパンツを下ろす。


パンツを下ろすとポロリと何かが転がり落ちた。


凍矢は絶句する。


「――――――――っ!」


声にならない悲鳴。


その時が唐突にやってきてしまったのだ。






「おう、お帰り」

「ただいま」

「出たか?」

「……まぁな」


凍矢は努めて冷静に桃吉郎に返事を返した。


その様子に桃吉郎は違和感を感じたが、そこまで心配するものではないと判断する。


「(冷静に……冷静に……まだ、慌てる時間じゃない)」


いや、既にその時間だ。


凍矢の身体は今、致命的な状態になっている。


本人は冷静であると誤認しているだけなのだ。


この誤った判断が後々に響くとは本人も考え及ばなかったのだろう。


ポロリしたぽろりんちょは無理矢理元の位置へと戻している。


もちろん、くっついてはいない。


「凍矢も戻ったし、話をするぞい」

「おう、そうしてくれや」


桃吉郎が早く早くとドクター・モモをせっつく。


彼は不思議なハンバーガーの情報を持っていたのである。


「函館方面にハンバーガーが湧き出る山がある」

「マジか」

「マジじゃ」


中々シュールな話が出てきた。


美味しいハンバーガーになる食材ではなく、直接、ハンバーガーが湧き出るというのだ。


「中々にシュールじゃったぞ。食べたのは一度きりじゃったが美味しかったと記憶しておる」

「食べたのかっ!?」

「当たり前じゃろう。急に生え出てきた山の調査じゃったんじゃからの。じゃが―――そこはある日を境に危険区域と化した」


ドクター・モモは語る。


その山は【幸運山】と名付けられたが、いつからか奇妙な猛獣が住み着き始めた、と。


「幸運山に住み着いた猛獣は赤と緑の体毛を持つ猿じゃ。名を【キラーピエロ】という」

「キラーピエロ?」

「そうじゃ。知能が高く、投擲による攻撃も仕掛けてくるぞい」


キラーピエロは見た目がピエロのようなサルで、体長は成人男性ほどとなる。


極めて獰猛で身体能力が高く、常に発情している獣だ。


そのため、女性型ドッペルドールが彼らに捕獲された場合、薄い本的展開待った無しである。


加えて投擲能力が非常に高く、彼らの投げる小石は容易に人命を奪い去る。


頭部に当たりでもしたならば、地面に落としてしまったスイカのような末路を辿るであろう。


加えて、この猿は群れで生活している。


そのため、キラーピエロのDLは38という高い設定になっていた。


「こやつらは幸運山にしか生息しておらんようじゃ。他で見たという報告は上がっとらんのう」

「幸運山の固有種か……食えるのか?」

「さぁのう? 仕留めたという報告も無いから無理じゃったんじゃないかのう」

「或いは不味くて食えないとか、か」


ふ~む、と桃吉郎は唸る。


しかし、彼の中では幸運山に向かう事は確定事項である。


「よっしゃ! 幸運山に行こうぜ!」

「マジか。ハンバーガーくらいなら俺が作ってやるぞ?」

「ジャックさん、天然物のハンバーガーだぞ? 食いに行くだろ?」

「ほんと、ブレないねぇ、おまえさん」


かくして桃吉郎一行は函館方面、幸運山に向かう事に。


もちろん、ドッペルドールの身体に切り替えてだ。


その際にドクターモモは凍矢の肉体に違和感を覚えた。


「ん? おやおや……」


彼はおもむろに凍矢の股間部を手で、パンパン、と叩く。


凍矢が意識をドッペルドールに移しているからこそ可能な大胆な行動だ。


「早いな。確実に変化が起こっておるわい」


それは、ドクター・モモの満足行く結果。


彼のみが知る結末。


しかし、微妙なズレ。


「今回こそは上手くいくといいのじゃがのう」


トントン、と腰を叩き老科学者は勢いよく凍矢のズボンを脱がす。


ぽろりんちょ。


「かっかっかっ、よしよし、じゃ」


周りにドクターモモ以外いないからか、やりたい放題であった。






「くちゅんっ!」

「どうした? 風邪か?」

「ドッペルドールが風邪なんて引くはずがないだろ」

「それもそうか」


幸運山に向かう途中、トーヤはくしゃみを数回ほど繰り返した。


彼女の言う通り、ドッペルドールは厳重な体調管理がなされており、風邪を引くとするのであれば稼働中に病原菌に感染した、というパターンとなろう。


なので、出撃間際のドッペルドールが風邪を引く、ということは、ほぼあり得ない。


これは裏でドクターモモがトーヤの本体に、あれやこれを施しているからだろう。


「幸運山まだかな~? あ、ジャックさんっ! あれっ!」

「分かってるよ」


トウキは何かを見つけたのだろう。


それはDBCくるまを運転するジャックも同様だった。

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― 新着の感想 ―
[一言] 凍矢のぽろりんちょは大きすぎて修正された可能性が微レ存…?
[一言] 幸運山の番人 桃吉郎「キラーピエロ…赤と黄色の 体毛じゃないのか?」 Dr.「それはキラーピエロのリーダーだ 遭遇したらお前でも死ぬぞ」 桃吉郎「じゃあ帽子と仮面を付けた 囚人服模様のとか流…
[一言] ぽろりんちょって何!? ヤバそうなんだけど!?
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