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26話 突入せよ

デューイは外を移動するよりは建物内に入り込み、アンドロイドのセンサーから逃れながらの行動を提案。


堅実な作戦は即座に受け入れられ、彼女たちは行動に移った。


「どうやら、アンドロイドには赤外線センサーは搭載されていないようね」

「あぁ、完全に俺たちを見失っているな」


建物の中に隠れたデューイとジャックは双眼鏡でアンドロイドを観察している。

壊れたメイドは残った眼球で破壊対象を探しているが、やがて諦めてビルの屋上から姿を消した。


「行ったようね」

「あぁ、だが、ビルの屋上を縄張りにしていたら、迂闊な行動はできないな」

「目視で見つかっちゃうものね。あんなので撃たれたら、そりゃあミンチになるってもんだわ」


アンドロイドが片手で軽々と持ち上げるガトリング砲は、DL50クラスの猛獣ですら撃破できるであろうことを予感させる。

それほどまでに、えげつない攻撃力を持たされていたのだ。


そうでなければ、コンクリートの道路をバターのように撃ち貫くなど出来はしない。


「慎重に行動しましょう。いいか、トウキ」

「今の俺は兎だ。出来ないはずが無いだろう」

「……そうか」


トーヤは嫌な予感しかしなかったが、そう返答するので精一杯だったという。






トウキたちのスニーキングが始まった。

息を殺しながら慎重に移動する。


いつ、どこで見られているか分からない緊張下では、人は十分なポテンシャルを発揮できない。

積み重ねた修羅場の数が生死を分かつだろう。


だというのに移動にスキップを織り交ぜる馬鹿がいた。

バニーガール☆トウキちゃんである。


「スキップするなっ!」

「何言ってんだ、トーヤ! バニーガールはスキップ・スキップ・ランラン・ルーだろっ!」

「知らんっ!」


ドルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルッ!


「「「「ぎゃおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!?」」」」


早速、補足されミンチになり掛ける。

慌ててビルの中に駆け込み難を逃れた。


「おまえなぁ……」

「さーせん」


絶対に反省していない黒兎。

慌てて逃げ込んだせいで、おぱーいが、ぼろーんしていた。


「元に戻せ」

「うんせ、うんせ」


ぎゅっ、ぎゅっ、と雑に乳をしまい込む。

トウキにとって乳房は邪魔な脂肪程度にしか認識できていないようだ。


「雑っ」

「いいじゃん。自分のだし」

「そういう問題じゃないのよ。歳を取ったら絶対に後悔するわよ」

「ドッペルドールじゃんか」

「あーもう。中身が男だから、どう説明すればいいのやら」


デューイは、いらないところで疲労したという。


「厄介だな。これじゃあ、まともに探索もできやしない」

「もう、ぶっ壊そうぜ」

「それが手っ取り早いんだがなぁ……」


はー、と深い溜息を吐くジャックはポケットからタブレットタイプのビタミン剤を口に放り込んだ。


かなり酸っぱいが気分をリフレッシュさせる効果が期待できる。


「私にも一個ちょうだい」

「ほらよ」


デューイはおねだりして、同様に口の中で噛み砕く。


「ぴぃっ!? すっぱ!」

「ははは、ぼやけた意識がクリーンになったろう?」

「まぁ、ね。それで、データのある場所って分かってるの?」

「多分、ドッペルビルだろうな。んで、同時にあれがいる場所ってわけだ」

「うげー、嫌な場所にいるわねぇ」


件のドッペルビルの屋上にアンドロイドが陣取っている。

周囲には物陰となる建物が無く、無策で突撃しても途中で肉塊にされるのは目に見えていた。


「じゃあ、囮作戦で行こうぜ、ジャックさん」

「誰が囮になるんだよ? おまえか?」

「もちのロンだ。兎が囮をやらないで誰がやる」

「……トーヤちゃん、こう言っているんだが?」


ジャックはトウキの作戦に難色を示す。

しかし、相方であるトーヤの考えは違うようで。


「いいな。というか、それしかない」

「おいおいおい! 十中八九、ミンチになるぞ!?」

「可能性が1もあれば十分ですよ。言ったからにはやって見せろよ?」


無茶苦茶であった。

だが、これもトーヤがトウキの出鱈目さを信用しているが故。


「任された! じゃ、いっくぞ~!」


黒兎が飛び出す。

それと同時にアンドロイドが反応した。


『敵を確認……排除開始』


鋼鉄の雨が黒兎に降り注ぐ。

しかし、彼女はそれを走って回避して行くではないか。


「マジかよっ!」

「ジャックさん! 走って!」


アンドロイドの注意はトウキに注がれている。

しかし、相手は機械だ。

直ぐに周囲の状況を拾い上げるだろう。


チャンスは一瞬。

半壊した顔の死角を狙うしかない。


ジャックたちは左側からドッペルビルに駆け込む。

そこがアンドロイドの死角のはずだからだ。


『っ!』


しかし、アンドロイドが反応した。

銃口をジャックたちに向ける。


「させっかよっ!」


トウキが足元の石片を拾い上げ投擲。

それは見事、ガトリング砲の砲身に命中し射角を大きくずらすことに成功した。


的外れな場所に弾丸を撃ちこむ。

それは向かいのビルに命中し、ガラス窓を完膚なきまでに破壊した。


「飛び込めぇぇぇぇぇぇぇっ!」


ガラス窓を突き破って内部に侵入するジャックたち。

その様子を見てアンドロイドの様子が変わる。


『優先事項を変更。対象の護衛を優先……!』


なんと、アンドロイドはトウキを無視してドッペルビルを目指したではないか。

だが、それを見逃すトウキではない。


アンドロイドの背負うガトリング砲の弾丸ケースに石片を投擲。

それはアンドロイドを転倒させるほどの衝撃だった。


「お嬢さん、もっと遊ぼうぜ?」

『……状況把握……再選択……選択に変更なし』


がしかし、アンドロイドはトウキを無視してドッペルビルに駆け込んだのであった。


「マジかよっ!? やっべ!」


流石のトウキも、この状況は拙いと察する。

彼女もまた、あわててドッペルビルへと駆け込むのであった。

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― 新着の感想 ―
[一言] DL50をミンチにできるガトリングガンを扱えるとか嘘じゃないのか…。 それなら暴走の危険性を鑑みてもアンドロイド開発したくなる気持ちはわかりますねぇ!
[一言] 囮失敗 トウキ「すまない!引き付けられなかった!」 トーヤ「トウキが馬鹿過ぎて囮と判断された!」 ジャック「何だって!」 デューイ「なんて高性能なコンピューターなの!」 トウキ「待てやお前ら…
[一言] 隠密行動ができないウサちゃん・・・
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