15 救い
救いの手は、意外な方面から差し伸べられました。
まさにこのタイミングで、アルセリア国内で大々的に発表されたのは、
アルセリア王立総合自然環境研究所による、最新の研究成果。
『ヒューネ湖における"アルセリア大太鼓クラゲ"の重要性について』
フェリシルスさんたちの研究グループによる、湖の総合的な環境調査から判明したアルセリア大太鼓クラゲの凄い能力とは、
生態系のバランス保持役にして、強力な水質保全能力を持っていたこと。
湖で特定の種が激増した際のストッパー的役割を果たしており、
なおかつ水質の乱れを正常に清浄化する、
ある意味、湖の守護神だったのです、あのクラゲ。
うん、もしかしたら、あれほどまでに不味いのも、
クラゲの乱獲を防ぐために神さまがワザとそうしたのかもしれません。
実にタイミングの良い、まさにタイムリーな研究発表のおかげで、
両国トップたちも、さすがにこれ以上はアランさんに無茶振り出来んと、
クラゲ料理名物化計画自体が立ち消えに。
ただ、今後も要監視対象であることは変わらず、
さすがのアランさんもこれまでみたいにやりたい放題はできないでしょう。
うん、一件落着、かな。