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01 普通

『リヴァイス 76 お世話狩人と追い詰められた落人』の続きで、


『(友引)狩人』フォリスのお話しです。


 お楽しみいただければ幸いです。




 普通な、フォリスです。


 何を持って普通と判断するのかは、人それぞれ。



 つまりは、


 愛しの我が家での素敵な乙女3人との楽しい毎日も、


 頼りになる友人たちとのそれなりに賑やかな日常も、


 精霊乙女たちとの非日常ちっくなアレコレも、


 今ではすっかり普通ってことなのです。




「わし、乙女じゃないぞい」


 はい、よく存じておりますよ、精霊王さま。


 ってか、お久しぶりです、リスト爺ちゃん。


 ずいぶんとご無沙汰でしたね。



「一応王様やっとるし、そこそこ忙しいんじゃよ」


 はい、そこそこお疲れさまです。


 そういえば、紹介がまだでしたね。


 うちの新人乙女のヴァサコさんです。



「……初めまして精霊王リスト様と少々緊張しているこの小娘はフォリス家にて何でも屋ポジションを務め始めてまだ日が浅いヴァサコと申します若輩ゴーレムなのです」



「リスト爺ちゃんって呼んでほしいのう、ヴァサコちゃん」

「しかし、本当にちょっと目を離すと乙女マシマシするなんて、油断も好きも無いスキモノじゃのう、フォリスちゃんは」


 相変わらずお元気そうで何よりです、リスト爺ちゃんも。


 そういえば、サイリさんのところのフィナさんとも、まだ顔合わせが済んでませんでしたよね。



「妖精ちゃんを驚かしちゃうといかんじゃろ」

「わしから会いに行くのは遠慮しとったんじゃよ」


 さすがはリスト爺ちゃん、


 乙女相手には気配り満点ですね。


 もう少し野郎どもにも配慮してほしいのですが。



「こう見えて結構気配りさんじゃよ、わし」

「フォリスちゃんがいろいろ巻き込まれて踏んだり蹴ったり揉めたり揉んだりじゃから、しばらくそっとしといてってけんちゃんが言っとったし」


 ありがとうございます、けんちゃん。


 って、揉んでないし。



「……マスターは奥様のような増量系乙女以外にも念入りにねんごろしてくださる幅広い性癖の持ち主なのです」

「……そのストライクゾーンの広大さはヒューネちゃん様の見た目ちっく対象年齢を考慮すればまさに一目瞭然なのです」

「……正直『ヴァサーゴ』のクールな魔導知能もドン引きを余儀なくされるほどなのです」


 ひどいよ、ヴァサコさん……



「ヴァサコちゃんは賢いのう」

「わしの知っとるゴーレムさんたちとはずいぶん違うようじゃの」


 はい、ご覧の通り普通の乙女さんですので、これからよろしくです。



「そうじゃのう、ああいうゴーレムさんたちはガッチガチじゃし」



「……催促と判定しましたのでご確認のほどよろしくです」



 あー、ヴァサコさんの柔らかハグに、爺ちゃんめっちゃご満悦。



 そう、これが普通の日常風景。


 まあ揉め事荒事じゃなければヨシッてことで。



 僕は揉んでいませんけどね……



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