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お題シリーズ5

英雄の死

作者: リィズ・ブランディシュカ
掲載日:2022/10/11



 英雄が目の前で嗤っている。


 ゲラゲラとあざけるように。


 もう終わった。


 全部が終わってしまった。


 英雄は死んだ。


 俺たちの希望だったのに。


 だからもう、抗っても意味はないのだ。








 俺達はひどい国で生まれ育った。


 一部の上流階級の人間が横暴にふるまい、それ以下の人間をボロクズのように扱う。


 そんなひどい国で。


 そいつらは、偉そうに英雄の血を引いているから、とかなんとか言って権力をふりかざしてくる。


 馬鹿の一つ覚えみたいに、自分の力じゃないものをふるって、偉そうにふるまう。そればかりだ。


 自分が成し遂げた事なんて、何もないくせに、他人の力でよくそんなにも図に乗れるものだ。


 あいつらは、横暴だ。


 俺達が、やつらの目の前を通ることを許さない。


 俺達が、やつらのの言葉を遮るのは許さない。


 俺達が、やつらの考えに反対する者は許さない。


 もしもそんなことをしてしまったら、見せしめにいたぶられて殺されてしまうだろう。


 だから俺達は奴らへの殺意を抱きながら、毎日を過ごしていた。






 そんな俺たちのもとに現れたのは、英雄。


 どこからやってきたか分からない英雄は、圧倒的なカリスマを持って、俺達をまとめあげた。


 そしてみるみるうちに、策を用いて、ときに狡猾に、ときに大胆に、あいつらをやっつけはじめた。


 これなら、俺達が普通の暮らしができるようになる日もそう遠くない。


 そう思っていたのに。


 全部嘘だったのだ。


 全ては反抗分子をあぶりだすためのもの。


 一大作戦なるものでおびき寄せらえた俺達は、たくさんの兵士達に取り囲まれていた。


 そんな俺達をあざ笑うのはかつての英雄。


「だましていたのか!」

「だますもなにも、最初から仲間などではなかったのさ」


 何もかもが崩れ去る。


 未来への希望も、頼もしい味方への信頼も。


 その瞬間、俺達を救ってくれる英雄という存在は、死んでしまったのだった。 



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