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わたしの夫が赤ちゃん返りした!

作者: 七瀬





___数十年前から、わたしの夫が “赤ちゃん返りする”

ようになったんです。


急にわんわん泣き出したり、オムツをつけたり

哺乳瓶でミルクを飲みだしたり。


癇癪を起したり、突然、ケラケラ笑いだしたり。

赤ちゃんがするような行動を取るようになったんです。



 *



___元々、わたしの夫は?

ストレスを溜めやすい性格で、夫は根が真面目で嘘のつけない人です。

わたしたち、家族のために頑張ってくれていましたが、、、。

夫は、仕事のことで随分と悩んでいました。



___夫は? あまり家で、仕事の話をしない人ですが...。

その日は、随分と疲れていてポロっと愚痴をわたしに話してくれたんです。


・・・どうも?

職場の上司と馬が合わないらしく! 

夫の意見が、まったく通らないことでストレスを抱えていたようです。

夫を信頼している後輩の子たちにも、もっと新しい仕事を与えてほしいと

上司に言ったところ! 直ぐに、【却下】されたとのこと。


___ハッキリと上司に、自分の意見を言えなかった事にまた落ち込み。




夫は? 胃がキリキリと痛み胃潰瘍によくなっていました。

胃薬を飲んで、なんとか? 毎日、わたしたち家族のために、、、!

仕事に行ってくれていたんです。



___わたしが、旦那にこう言うと?


『___今日も、胃が痛いなら? 会社を休んでもいいのよ!

『___いや! ダメだ! 俺にはキミや子供もいるし! 生活費も

いるだろう! 子供が大きくなれば、養育費もいるし! 頑張って!

俺が働かないと、、、!』

『___あっ、あなた! でも、大丈夫なの?』

『___イタタッ、でも大丈夫! 仕事に行って来るよ!』

『___ううん。いってらっしゃい!』

『___行ってきます!』



 *



___でも?

夫はその日、仕事から帰って来てからおかしくなりました。


『___ねえ! 今日は、仕事はどうするの?』

『・・・・・・』

『___休むなら? 会社に連絡しておくけど、、、?』

『・・・・・・』

『___あなた!』

『・・・・・・』




___わたしが、何を夫に言っても、返事が返ってこなくなりました。

家の中では、庭でボーっとしていたり。

まるで、魂が抜けたような感じに私には、見えたんです。



___その日から、夫は仕事に行かなくなりました。

わたしは、夫の好きなようにさせようと思っていたんです。

今までだって! 家族のために夫は頑張ってくれていたから...。

気が済んだら? また仕事に行ってくれるだろうと思っていたんです。




___それに、夫の会社の社長は?

夫が今まで、会社に貢献してくれていた事を評価してくれていて。

【有給休暇】として! 扱ってくれました。



___本当に、有り難い話で。

わたしは、夫の社長に深くお礼を言って家に帰ってきたんです。




 *



___3か月後。

夫の行動が、少しずつおかしくなってきました。

急に泣き出したかと思うと? 急に笑ったり。

子供のように、癇癪を起すこともありました。



___わたしは、夫がストレスからおかしくなったんだと思って

いましたし、それをあまりわたしが気にしないようにしていました。



___少し、休めば治ると思っていたからです。

でも? わたしの勘違いでした。


___夫は、どんどん赤ちゃん返りしていったんです。

オムツをしないとおねしょやうんちを漏らすようになりました。


ご飯も、ミルク以外飲みません。

しかも? 哺乳瓶からしか飲まないんです。



___家には? 小さな赤ちゃんが2人いるような感じになりました。

まだ、我が子は? 1歳になっていない赤ちゃんです。

この子だけでも? 大変なのに、、、。

大きな体の赤ちゃんが、もう一人、居ると更に大変になりました。


夜泣きも、2人いっぺんに泣くんです。



___わたしは、どうしたらいいんでしょうか?

カウンセリングに夫を連れて行っても、いつ治るかは?

“本人次第”だと言われてしまいました。。




___それに、夫の会社の社長にもずっと甘えていられません。

わたしは、夫の代わりに! 退職届を出してきました。

夫は、まだまだ仕事が出来るようにわたしには思えなかったからです。



夫の会社の社長も、しぶしぶ退職届を受け取って下さいました。

こんな事なら? もっと早く夫に仕事を休ませて仕事に復帰できる

ように、わたしが直ぐに動いていればと後悔しています。



『___しかし? 残念です! 優秀な人材を一人なくしました。

また、何かあれば! 私でよければ奥さん! 相談に乗りますよ!』

『___あぁ、はい! 本当に何から何までありがとうございました。』

『___唐朝君、早く治るといいですね!』

『___はい!』



___本当に、ここの会社の社長は、、、?

情に厚い、いい人でした。





___でも?

夫の、“赤ちゃん返り” はあれから何年も続きました。

赤ちゃんだった、我が子は? 既に中学生になったんです。




・・・夫は?

未だ、赤ちゃんのような行動を取っています。

この先、わたしたち家族は? どうすればいいのでしょうか?




最後までお読みいただきありがとうございます。

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