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Ro:ゼロ


11月22日、それは大好きなまりなの誕生日だった。

そしてこの日は俺がまりなの家族になれた日でもあり、この家に来て3年の月日が流れていた。


俺はお気に入りの黄緑のふかふかの絨毯の上でいつもの様に背伸びをしていた。


まりなが甘やかして餌いっぱいお皿に入れるから見て牛若丸のお腹たぷたぷよ。


アミーゴプラスにいた頃はハングリーだった俺も幸せ太りってやつだろうか、だいぶ肥満な猫になっていた。


笑いながらそう言ったまりなのママの声は優しく俺は幸せの絶頂にいた。



俺の名前は牛若丸。まりながつけてくれた名前だ。

当時まりなが夢中で読んでいた本から頂いたそうだ。


ちなみに俺はその本の内容は知らない。


初めは牛若丸〜牛若丸〜と何度も呼んでくれてたが、少し長いこの名前が少々面倒臭くなったのか、俺はいつの間にかまりなから、うーちゃんと呼ばれていた。



テーブルには12本のキャンドルと美味しそうでふんだんに溢れたベリーがホールケーキの上に規則正しく並んでいた。


まりなのパパ、ママ、お兄ちゃんが今日が誕生日のまりなの為にハッピーバースデーの歌を歌っていた。


キャンドルの灯りに可愛いまりながふぅーと息を吹きかけて揺れ始める灯りを消す。


まりなの幸せそうな顔を見ていると俺もすごく嬉しくて。俺は猫なので歌えないながらもニャーニャーと家族みんなと一緒に歌った。


その瞬間、まりながキャーって驚いて悲鳴をあげた。


家族みんな何事かとまりなが指指す先を見てみるとそこには黒?茶色?どっちともとれるテカテカした光沢があり触覚がやたら長い虫がいた。


みんなの会話で俺はこの虫がゴキブリと言うやつで大好きなまりなが大の苦手な虫だと言う事を知った。



一大事だ。大好きなまりなが怯えている。



気持ち悪い虫だな〜って俺も思ったが、俺はその得体の知れない虫に手を伸ばし爪を出しハイスピードで光の如く俺の猫パンチはそいつを仕留めた。


強ばってた表情が安心して緩やかになったまりながうーちゃんありがとう。って俺を撫でて抱き上げてくれた。俺はそりゃもうデレデレだ。


ピンチのまりなを見事に救った。


俺はまりなの英雄だ、、、



はい!ちょっと待った!

ひま天の大きな声が大好きなまりなとの思い出で頭の中がお花畑な俺を現実へと引き戻した。


あなたね、思い出に浸るのも良いけど修行ちゃんとしてよね。アクアソムリエの他にやる事まだまだあるんだからね。


ヒューマン試験に合格した時にあなたが猫だった時のまりなちゃんとの思い出話は聞いてあげるから。何が俺はまりなの英雄だ!よ。

あなたには呆れちゃうわよ。


悪かったよ。ついついまりなの事考えると嬉しくなって思い出してしまうんだよ。そうだよな。今の俺は1から頑張らないとヒューマン試験に合格出来ないもんな、、いいえ、ゼロから!!ここから始めましょ。俺ちゃんと修行するよ。



何言ってんの!ゼロからじゃないわよ!何がここから始めましょ。なのよ!あなたマイナスからのスタートだって分かってないの。



いつもの様にひま天はノリツッコミをしてはくれなかった。





、、、現実は厳しい。絶望に抗え!!




ゴキブリを猫パンチで仕留めた後、大喜びしてくれたまりなだったが、笑顔のままバスルームに連れて行かされ俺は猫シャンプーでずぶすぶと何度も何度もゴキブリに猫パンチを入れた手をまりなにうーちゃんの手汚〜い。と言われ続け、これでもかと言う程に隅々までしつこいくらいにシャワーで洗らい流される羽目になったのだった。









11月22日。大好きなまりなの誕生日。素敵な日。


ねえ、まりな。俺の大好きなまりな。この時期なんで水じゃなくてせめてお湯で洗ってよ、、俺、風邪引いちゃうよ、、、







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