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6/6

幸福



 気がつくとベッドの上にいた。

 みっともなく泣いた後僕は眠りについたのだろう、そしてフィリアが寝かせてくれたのだろうか。

 赤ちゃんかな?僕は。


 自己嫌悪に浸りながら僕は起き上がり周囲を見渡す。


 ベッドそばでフィリアは眠っていた。


「さっきと逆になっちゃったね」


 僕はフィリアをベッドへ寝かせる。


 そして、家の外に出た。




 目的はフィリアに着せる服を手に入れることである。


 今のままだとずっと僕の服を着せる羽目になるからそれじゃああんまりだ。


 しかし今のままのフィリアをこの世界で連れまわすと、通報されかねないのでフィリアに服を選ばせることはできない。


 だから、僕はユニクロでとりあえず適当に服を買うことにした。


 ……


 サイズが分からないな……。

 お金は腐るほどあるし3サイズくらい買っとこうかな。

 というか下着も買わなきゃいけないのか、嫌だなぁ。



 僕はレジに服を持っていく。


 案の定白い目で見られた。


 複数サイズを揃えたからか、結構な重荷になる。


 この後ご飯を買いに行きたかったけど、一回家に帰らなきゃいけないか……。


 っていや、待てよ。


 そういえばワープ出来るんだった。




 僕は「能力」を使い服を自宅へ移動させた。


 この能力、現実世界でも無制限に使えるってとんでもないよなぁ。悪いことし放題じゃないか。


 それはそうと、ご飯何にしようかなぁ。

 またコンビニ飯だと栄養に悪いし、何か自炊するかな……。

 料理とか殆どしたこと無いけど、カレーとかなら僕にも作れるかな……?

 ご飯はパックのやつ買って、カレールーと人参と……




 そういえばこんなに必死になって何かをするのは初めてだな。自分のためにも他人のためにも僕は何もしなかったし、出来なかった。

 今生まれて初めて僕に「生きてる理由」みたいなものが存在しているのかもしれない。




 ……



 よし、具材は切って炒めたから、後は煮込むだけだな。


「ルイ様……?」


「フィリアちゃん、起きたかい? 今カレーを作ってるんだ。 もうちょっとしたら出来上がるから待っててね。 あ、そうだ! フィリアちゃんに服を買ってきたんだけど着てみてくれない!? 」


 僕はそそくさと服の入ったユニクロの袋を持ってくる。


「は……はい! 有難うございます」


 フィリアは服を着替えようとするが、こちらを見て固まる。


「あ……あの……」


「ん? どうしたんだい?」


「そんなに見られると恥ずかしいです……」


「あっ……ご、ごめんね!」


 僕は後ろを向く。


 しばらくして声がかかる。


「あ、あの……着替えました……」


 僕はフィリアの方を向く。


 うん、似合ってるしサイズはぴったりだ。

 ユニクロの服は普通の日本人が着ると安っぽいけど、フィリアのような超絶美少女が着るとお洒落に感じる。


「ばっちりだね!」


「あの……ルイ様。どうして私にここまでして下さるんですか? 私、何もしていないのに……」


「してるさ」


「えっ?」


「カレーが煮込み終わったよ。そろそろご飯にしよっか!」


 僕はカレーを注ぎテーブルに並べる。


「いただきます」


「い……いただきます」


 フィリアはカレーを口に運ぶ。


「す……すごい美味しいです!」


「良かった」


 フィリアは美味しいそうに僕の作ったカレーを次々口に運ぶ。


 その一挙一動が僕を幸福にしていく。


 僕は自分なんかが幸せになれるわけがないと思っていた。幸せになれるのは「能力」を持っていて愛される人間だけだと思っていた。

 けど、「能力」さえあれば、いや、「能力」なんて無くても、もしかしたら幸せになれるのかもしれない。

 愛されなくても、人を愛することができれば幸せになれるんじゃなかろうか。

 愛されなくても、愛されない者同士想い合えばいいんじゃないか。








「あの……洗い物くらいは私にさせて下さい! それくらいなら、私にも出来ます!」


「そう? じゃあお願いしよっかな」


「はい!」


 フィリアは笑顔で答える。

この小説は不定期に気が向いたら更新という形にしたいと思います。というのもまずは「本編」をメインに書き進めたいからです。

この小説の栗栖川類は私が現在書き進めている連載小説「現実世界で陰キャラで何の取り柄も価値もない人間だった僕が異世界に転生して高身長高学歴高収入イケメンの世界最強のチート魔術師になって超絶可愛い妹と彼女とメイドに囲まれてハーレムを形成し世界を救わない」のラスボスです。

私は「本編」の宣伝にしようと思い、この小説を書き始めました。思惑通り一瞬ランキングに乗ったのですが全く効果がなかったので、私は「数字」ばかり追うことを辞めにしました。

自分の書きたいことを書きたいように書きたいと思います。

ということで、この小説を読んで面白いと思った方は是非、本編も見てみて下さい!

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