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第8話 情報収集

お腹も一杯になったところで情報収集を開始する。


「お兄さんお兄さん、地図持ってません?」


「あるよー。これからの道中の確認かい?ちょっと待っててね。」


お兄さんは別の部屋から地図を持ってきてくれた。


「メモ取りたいだろうし紙とペンも持ってきたよー。」


相手の行動の先を読める。

これがデキたイケメンという奴か!

有り難く紙とペンを受け取る。

紙と・・・ペン?


「お兄さん、なんで羽根持ってきてるんですか?」


そう、ペンといって渡されたのはペンではなく羽根である。

羽根型ボールペンでもなく、万年筆でもない。

ただの羽根なのだ。


「あれ?ペン使ったことない?」


お兄さんはその羽根がペンであることを教えてくれた。

鳥の羽の先にインクをつけて書くということを。

使ってみると、予想よりは書きやすい。

何度もペン先をインクにつけなければいけないと思っていたが、

羽根の中には空洞があって、ペン先を浸すと空洞にインクが入るという仕組みらしい。

うろ覚えではあるが、中世ヨーロッパのイラストとかにあるペンは鳥の羽がついていた気がする。

もしかしたらこれと全く同じで、羽根そのものだったのかもしれない。


「そういえば、この村に奴隷の人っているんですか?」


ざっくりと地図を写しながら、奴隷の話を出してみる。


「ああ、そんなお金持ちはこの村にはいないよ。

領主様の館とか都市の貴族とかのところくらいだよ。

最近できた制度だしねえ・・・。」


「そうなんですかー。田舎にいたものであまり詳しくなくて・・・。

なんで奴隷制度ができちゃったんです?」


最近できた、というのが気になったのでストレートに訊いてみる。


「隣国との戦争に勝って、捕虜にした兵士や敵国の王族・貴族を捕えて奴隷にしたって話だよ。

物騒な話だし、ここだけの話、僕はそういう考え苦手なんだよね。」


お兄さんは悲痛な表情で語る。

恐らくお兄さんのような良い人タイプの人は皆同じ考えなのだろうな、と思った。


「それに、自分や家族が奴隷にされたらと思うとね。

都市の貴族様の中には奴隷制度に反対している方々も居るって話だよ。」


凄く良い話を聞けた気がする。

まずはその奴隷反対派の貴族に会って話をしたいところである。


「ところで、その都市ってどういう道のりで行けばいいんですか?」


地図には町っぽいものがいくつかあるが、どれがその都市なのか見当もつかない。


「ああ、ここが都市だよー。」


そう言われて指差された場所は凄く離れている気しかしない。

というか、砦じゃなく都市だったのかあれ・・・。


「歩いて行ったら何日くらいかかるんですか・・・?」


恐る恐る聞いてみる。

どうか、せめて三日くらいでありますように・・・!


「歩いてだと・・・一ヶ月くらいで着けば良い方かなあ・・・?」


「い、一ヶ月!?」


こうして、僕は一ヶ月以上かけて都市へ向かう旅をすることになる。

途中にいくつか町っぽいものがあるので物資を補給しながらならなんとか・・・補給?


「ちなみに・・・無一文で都市を目指すにはどうすればいいと思います・・・?」


旅路に必要な物資の調達も、食事も、宿も、全てお金が必要なのは明白である。

無一文で全て解決する方法なんて僕には思いつかない。


「そんなの決まってるさ。」


お兄さんは親指を立て、笑顔で言い放った。


「根性で、頑張れ!」


「やっぱりいいいいいいいいいいいいいい!!!!!」


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