車窓 作者: 氷雨 流 掲載日:2016/03/14 車窓から顔を、覗かせる。 車はひっそりと停滞している。 それでも、外から吹き込む寒風が、首筋に触れ、こそばゆい。 車窓から顔を、覗かせる。 遠方に見える、摩天楼の灯す微かなネオンが揺らぎ、 景色が、 蜃気楼のような、 儚い幻影の華を面前の湖畔の水面に写し込むのであった。 それは、夏、静寂の夜空に放たれる、花火の様に、 幼い頃に覗いた、万華鏡の様に、 きらきらと、 揺れ、 輝き、 何とも言えぬ、 幻想を醸し出していたのであった。