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4話 奈落の底へ……

お楽しみください。

 もう異世界に来てから1週間になる。僕たちは今、シリウス洞窟というダンジョンに向かっていた。……


「私達、結局訓練なんてろくにできなかったね。」とため息をししながら桜が呟く。

 「まぁ、大丈夫だと思う。頭に情報は入れたし、もしもの時は、ブラッドさんが何とかしてくれる。」悟は桜にそう言い聞かせた。


悟は1週間の間図書室で、スキル、常時発動(パッシブ)スキル、魔物の種類、地図、ダンジョンについてなど、あらゆることを、完全記憶能力を活かして覚えることにしていた。そのため訓練は最終日の、五人でした模擬戦闘でしか訓練はできなかったが……

 でもダンジョンに関する情報は徹底的に頭に入れることはでき十分罠に掛かっても対処できると思っていた。



「着いたぞ。」ブラッドがそう言うと目の前には、ダンジョンの入り口らしきものが口を開けて禍々しい気を放っていた。

 「これが、ダンジョン……」

悟は、洞窟と言っていたからてっきり、山にあるいびつな形の入り口を想像していた。

 だがそれとは全くことなり、ピラミッドのような形をしていた。ピラミッドは、黒く怪しい光を放っていた。しかも驚くべきはその大きさだ。100メートルはあるだろうと思う。

 「へぇー、以外だな。てっきり普通の洞窟かと思ってたんだけど、まさかこんなでっかいピラミッドだったとは……」いつも冷静な和也が驚いていた。

 「まぁ、普通はこのようなものではないのだが、ここを含めた世界の8つのダンジョンはどれも他のダンジョンでは考えられないほど大きく、形が普通ではない。しかもダンジョンはそれぞれ行程を踏まねば立ち入ることはできず、シリウス洞窟以外は、今は入ることができない。」ブラッドは全体を見据えて言った。


 「気を付けろ、一階とはいえ罠はあるし、魔物もいる周囲に注意しろ。」ブラッドが声を低くして注意する。なにも音が聞こえない中、それは突如として現れた。


 一人の少年が踏んだ先に罠があり魔物を召喚したのだ。

 召喚された魔物は蛇のような形をしており人を余裕で丸飲みできるほど大きかった。


 「「「ヨルムンガンド!!」」」



 護衛のために来ていた数名の騎士達が慌てて叫んだ。

 

 「ヨルムンガンド……」絶望的な表情を顔に浮かべてブラッドは呟いた。


 「全員戦線離脱しろ。最優先は個々の命だ。」落ち着き直したブラッドがそう考えそのまま言おうとするが、ここは奈落の穴に周囲を囲まれた橋の上だ。 

 しかも出口まで直線距離で500メートルはある。ブラッドは、戦うことを決意した。



 ヨルムンガンド……

 蛇のような形をしている魔物。

 獲物に巻き付き太い胴体で圧殺するか、口に分泌される唾液に含まれる猛毒によって死ぬのを待ち、獲物に食らいつく魔物である。

 弱点属性は、雷、光で、ヨルムンガンドが使う属性は水、闇である。

 主にシリウス洞窟の30階層の後半に生息しており魔物としての危険度は、50を越える。相手をするなら、範囲魔法は使えないため、集団で一気に勝負を決めることを進める。……


 悟は、ヨルムンガンドに関する本で覚えた情報を頭に浮かべる。それをすかさずブラッドに伝えると。



「弱点は、雷属性、光属性だ。雷属性、光属性魔法を使えるものは後衛から魔法を放て、前衛は、戦士及びそれに準ずる職業で構成し、後衛を死ぬ気で守れ。そしてその前衛が倒れそうになったら、回復魔法を使えるものは使って回復しろ」ブラッドは大きな声で周囲に言い渡すと、クラスメイトたちは周囲と目配せをして命令を実行した。


 ヨルムンガンドは、周囲から受ける魔法によって少しずつ体力をへらしていた。

 「あともう少しだ。皆もう少し持ちこたえてくれ」

 

 「フラッシュ」桜が光属性魔法をより一瞬だが強い光を放ち魔物の目を眩ました。

 「ライトニング」そこへ、騎士が雷属性中級魔法を唱え魔物へ向けて打つ。


 すると、ヨルムンガンドの体が青いきれいな色から、赤い燃えるような色へと変化した。

 

 「ま、不味い。発狂だ! 全員距離をとりつつ攻撃するようにしろ。前衛の者に防御力を上げる魔法を唱えつつ後衛は攻撃するようにしろ。前衛はいままでどうり後衛を死ぬ気で守れ。」ブラッドは必死の形相で叫ぶ。


 魔物には、さまざまな種類がいて、その種族によって大きく分けることができる。

 例えば、ヨルムンガンドは上級爬虫類属だ。

 そして魔物には危険度があり、その名の通りその魔物がどれ程強いのかを示している。危険度は冒険者を束ねるギルドが作ってそれを目安にクエストを受けている。

 危険度は、ある一定のラインを越えると大きく力の差が出始める。危険度50になるとほとんどの魔物は、上級冒険者が五人で一体倒せるというレベルだ。

 危険度100以上の魔物には特殊な能力を持っているものがまれにいるため油断したところを殺されるなど、少なからずあった。

 今目の前にいるヨルムンガンドは危険度は100にも満たないはずだったのに、特殊な能力を発動していた。


 発狂……魔物の体力が半分以下、もしくは30%を下回ると発動されるというレア能力だという。

 その能力の効果は、すべての能力の向上。そして、行動がいままで単調的だったのが、ランダムになりいままでの攻撃の中で一番強い魔法を放った者に攻撃し始めることだ。


 そして、いままでで一番強い攻撃をしていたのは、桜だった。


 ヨルムンガンドは、目の前から一瞬消えたように動く、桜へ高速で放たれたヨルムンガンドの尻尾がムチのように近付く、それを気づくことができたごく一部の者が防ごうとするが間に合わない。

 ブラッドと騎士たちはそれを気づいていたが距離が遠すぎる。桜は目を瞑り死ぬことを決意した。

 が、ヨルムンガンドと桜の間に悟が走り込み、魔物を召喚したのだ。 

 

 「召喚!」悟は手を合わせ地面に付けて叫んだ

 現れたのは一体だけではなかった。液体状態の魔物、猫のような魔物など総数10体以上だった。

 しかし、周辺に生息している魔物であるため壁にしかならず少し威力を弱めた尻尾が悟、桜を巻き込んで横に凪ぎ払った。

 


 (あ……、悟くん、せっかく会えたのに)椎名は全力で悟が吹き飛ばされた方向に向かった。



 (ひどくゆっくりに見える。)届く距離に桜がこちらに向かって飛んできている。


 悟は少女を助けるため手を伸ばす。

 (届け、届け、届けぇぇぇーーーーーー)


 悟は、空中で桜を押してスピードを緩和させ地面へと落とした。


 (このまま死ぬのかな)

 







 ドスッ!


 !!!……


 体が何かに当たって一緒に橋の外に投げ出された。

 

 「し、椎名さん……ど、どうして……」橋の外に投げ出された悟は一緒に落ちていく椎名を見るとそのまま悟の意識は暗転した。



 さぁどうでしたか? 悟と椎名さんはどうなってしまうのか、続きも是非宜しくお願いします。

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