11話 反逆者の能力と本
遅くなって申し訳ないです。
「私の記憶ではここまでだけど、カタスト・ローフェとおとうさんが戦ってどっちが勝ったかは今の現状からみてカタスト・ローフェね。
そして勝ったカタスト・ローフェが世界を作り替えたんだとされている。私はおとうさんを殺した奴を許しはしない。
同じく殺してやる。
それが撃たないといけない理由よ。
……いわば復讐ね。」
「ふーんそうなのか。で、なんで父上じゃないんだ?」
「そうよね。話の前は父上っていってたのにそれに言葉遣いも変わってきてるし。」
「そっち? そっちなの?
もっと重要なことがあったと思うけど?」
「「え? 逆にそれ以外のどこが重要 (なんですか)?」」
「…………もういいわ、めんどくさくなったからよ。素の私がこれなのよ。
それと重要なのはおとうさんと話してた天使、精霊達の計画のことよ。
それが何か分かればいいんだけど。」溜め息をついてアスタロトはこれ以上は時間がもったいないと思い語った。
「あ、それね。俺らが神を倒すって計画だろ。」
「あのルシファーが言ってた奴ですね。5000年かけて計画とはすごいですね。」
「……もうあんたらには驚かないことにするわ。」
そして悟と美穂はここまでの経緯を語った。
「なるほどね。私と同じで両親を殺されたのね。」
「まぁ、そういうことだ。 俺らについてこれば神が倒せるけどどうする?」
「自信満々ね。いいわ、乗ってあげる。どうせ私ひとりじゃ勝てない相手だしね。」
「改めてだけど、私は椎名 美穂よろしくね。」
「俺は神崎 悟だ。よろしく頼む。」
悟と美穂は紹介と同時に手を出して握手を求める。だが、異世界にそのような習慣がないのか首をかしげるアスタロト。
仕方ないので握手は諦めることにした。
「私はアスタロトよ。気軽にアスタと読んでほしい。よろしくお願いするわ。」
「「小悪魔 (ちゃん)よろしく (ね)。」」
「全くのガン無視ですか!」
アスタの目からキラキラしたものが落ちてくる。これは涙じゃない汗だ。本人曰く。
「冗談だ。アスタよろしく頼む。」
「ごめんね。けど、アスタよりもアスちゃんの方がいい気がするからそう呼ばせてもらうね」と笑顔で答える美穂
「もう好きな風に読んでいいわよ。」疲れはてるアスタだった。
「で、このあとどうするかだが」
「どうするっていってもそろそろ迎えが来るわよ?」
(? 迎えが来る? どういう意味だ。)
「どういういみなの? 周囲には人どころか魔物すらいないのだけど」同じことを疑問に思ったのか美穂が口にする。
「あー、そういえばいってなかったわね。魔族のごく一部の者だけ残留思念を感知できるのよ。一種の能力のような物ね。けど残留思念は体を持っていないからサーチなどの魔法に引っかからないの。」
「そうなのか。でも残留思念と迎えが来ることにどう関係するんだ?」横で美穂も首を縦に振っている。
「残留思念が強いと思念体として残ることがあるのよ。それが近づいて来てるの。もうすぐ来るわよ。」
アスタロトのいうとおりそれはすぐに見えた。
そこだけ靄がかかっているように見えただけのものが次第に近づくにつれて若い青年の姿を型どっていく。逞しい好青年だ。
「お前たちがここの扉を開けたのか?」男か女かわからない中性的な声で話しかけてきた。
「そうだ。それはそうと、名前を聞いてもいいか。」
そう言う悟だったが残留思念が残っていることと、記憶からシリウスであることは勘づいていたが念のため聞くことにした。多分だが、美穂も気づいているだろう。
「私はシリウス・サテライトという。かつて8人の仲間と共に魔王に立ち向かった者だ。」
「そうか、なら話が早いな。お前の持っていた能力をもらい受けたいのだが。」
「せっかちなやつだな。まぁすこしぐらい話を聞いていってくれ。話の内容は突拍子もないものだが信じるかどうかは君に任せる。」
それからアスタロトに話された話と同じ内容をもう一度聞かされるはめになった。
内心シリウスに舌打ちをしまくりだったのは言うまでもない。
「そう言うことだ。神は神にあらずというわけなんだ。
我々の願いを聞き入れてくれというわけではないが神を倒してほしい。「断る。」……即答か」シリウスが苦笑いでこちらを見つめてくる。
「まぁ、いいだろう。次は能力についてだが。」
そのとき空気が一瞬重たくなった気がした。シリウスの表情が苦笑いから無表情となり声音を低くして訪ねてくる。
「汝、何故力を求める?」
「大切な者を守るため。失ったものを取り戻そうと抗うためだ。」
「そうか、汝、力を得んとする覚悟、しかと受け取った。だが、力は悪にも善にもなるそれを努々(ゆめゆめ)忘れるでないぞ。」
「違うね。力は道具だ。それが善になるのか悪になるのかはそいつ次第だ。だから俺たちの力となるそれが善になるかそれとも悪になるのかは返答しかねるね。」
「ふっ、まぁいいだろう。」
シリウスのまとっていた重たい空気が嘘のように消えていく。無表情だった顔も笑顔になっていた。
「とりあえず僕の能力についての説明をするね僕の能力は魔物使いに関してのものなんだ。召喚時魔物能力向上というものだ。召喚した魔物の能力の底上げだね。それと物として何か渡しときたいんだけど。これなんかどうかな。」
そう言うとシリウスは懐から本を取り出した。表紙に大きくスキル説明書とかかれている。
というかいまポケットからだしたよな。膨らんでなかったのに、どこの四次元ポケットだよ!
「それはいわば説明書のようなものだ。」ハイわかります。だって表紙に書いてあるもの。原始人だってわかるもの。
「だから、君が持っている能力についても書いてある本だよ。全て載っていると思う。 しかも、世界に新しいスキルが生まれたら掲載されるというおまけ付きだ。」
すげーよ。何気にハイスペックだったよ。
「そうなの。」アスタロトはそのすごさを理解していないらしい。
「まぁ、あとはなんとかなるだろう。僕と同じく他の七人もダンジョンにいると思うから。じゃあ僕は他に来る人がいないか監視を続けておこう。あ、そうだ。帰りは正反対側の道を行くと良いよ、すると外に出れるから。じゃあな。」
「おう。またな。」
「「またね。」」
そう言って手を振りながら来た道を戻っていった。
…………あ、そう言えば他のダンジョンがどこにあるのか聞いてなかった……
後悔しても遅いと感じた悟だった。
楽しんでいただけたのなら幸いです。
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