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悪魔達の生活  作者: 鍵宮 周
日常
9/80

ロイの外出中

前の話で書いたとおりロイのいないときのことを書きました

 今日は昨日の続きの魔王の依頼をこなさなければならない。俺も昨日の疲れが完璧にとれたというわけでもないが魔王からの依頼は後々街に良くも悪くも影響してくるらしいので、すばやくこなしたほうがいいらしい(リック談)。

 ということで朝食を食べた後俺は昨日の続きをするために森へと出かけるのであった。



「今日も元気よく行ったねー」

「やっぱり今日も怪我して帰ってきちゃうのかな?」

「ハハハ、かもねー」

 リックはなんとなく気づいている。ロイが戦いに比較的向いていると言うことを。シャミは初めて憑く悪魔なので気づいてないだけであろう。リックが初めて狩りに行ったときは昨日のロイの怪我とはシャレになれないほどの怪我をしてきた。今思えばいい思い出でもある。

 こんなお互いを心配し合えるのもロイとシャミの相性がいいからであろう。リックも羨ましいと思いながら見ている。

「ねぇー、シャミー、食器洗わなくてもいいの?」

「あ、忘れていました」

 シャミ、テヘッと笑った後は台所に行き食器を洗いはじめた。


 シャミは手際よく洗い物を済ませた。実はシャミはロイやリックの知らないところで食器を割っていたりしている。ロイに手に絆創膏を貼ってもらったときもすでに5枚目ぐらいであったのだ。シャミはたいしてドジッ子悪魔なのではない。かといって家事が苦手でもない。家事はむしろ得意だ。それは日頃の料理の得意さや手際さを見ればわかるであろう。ならばなぜ、そんなに食器を割ってしまうのかと言うと、言わなくてもわかると思うがロイや契約のことを考えてしまうからである。シャミは人間界で言う中学生くらいなので思春期真っ盛りである年頃であるから、しょうがないと言えばしょうがない。

 初めて自分の憑くご主人、つまりロイを初めて見たときの衝撃は例えようがないらしい。おまけに会ったときが寝顔という特典つきである。好きな人の寝顔これは誰でもたまらないであろう。

 『契約』というのは、そのご主人に生涯憑くという契約である。特別な権利が無い限り契約できる悪魔は1人だけである。なお、解除もできない。リック曰く『とっとと、契約しちゃえばいいじゃん』ということらしいが、シャミの種族は悪魔の中でも下っ端のほうの悪魔なのでほとんど誰とも契約しないでその人生を終えてしまうことが多い。そのため、シャミは契約することに抵抗を持っているのだ。ということで、シャミはリックに相談することにした。

「すみません、リックさんちょっと相談していいですか?」

 そのリックはソファーに横になりながらテレビを見ている。

「んー、契約のこと?私はしないと思うから、ロイとちゃっちゃとしたら?そうしないと、ほかの悪魔にとられちゃうよー。例えば……誰だろ?」

 さすがリック、勘はするどい。何も言わなくても自分の言いたいことをズバリ当ててきた。

「でも、私悪魔の中でも……」

「身分なんて関係ないよ。シャミは同じ女の私から見ても可愛いと思うし」

「ほにゃ!?」

 リックはシャミの反応に声を上げて笑った。

「まあ、ほかの悪魔が現れても私はシャミちゃんを応援するし、もしその悪魔がロイと契約しようとしたら私がそうさせないしね」

 リックは笑いながら言っていたが体からは殺気が出ていた。

「ありがとうございます。あ、私昼食作りますね」

 シャミはリックに応援されてすこしご機嫌になっていた。


 午後からは家でゆっくりテレビを見ていたり買い物を2人仲良くしていたぐらいであった。

 夕方には怪我だらけのロイが帰ってき、シャミはまたしても治療をし、それをリックは笑いながら見ていた。

 シャミはこんな好きな人と一緒にいられるこの生活が好きであり、リックはその風景を見ているのが好きであった。ロイはロイでこんな第2の人生に満足していた。

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