シャミと二人っきり 2
シャミと恋人つなぎをして買い物をしていた。
こんな風に買い物をすることは嬉しいのだが、やはりどこか恥ずかしい。こんなところ知り合いにでも見られたらからかわれちまうかもな。
「もしかして手つないでるの恥ずかしい?」
心を読まれたか!?
「そんなことないよ。嬉しいさ」
「私はちょっと恥ずかしいな」
恥ずかしいのかよ、と心の中でツッコミをいれる。
「でも私も嬉しいよ!」
頬を赤らめながらも満面の笑みでこちらを見てくる。少しの間見惚れてしまう。
その後シャミに手を引かれながら買い物を続ける。商店街で買い物をしたのだが、店主の方々は微笑んだりにやけながら俺達を見ていた。やっぱり恥ずかしい。
食材の買い物だけだと思ってきたが、他にも雑貨品とかの買い物もするようだ。俺の手元には荷物が一つも他一つと増えていく。
「お兄ちゃんがいると本当に助かります」
荷物持ちとして活躍できるのもなんだかな。荷物持ちだけなら俺よりリックの方が役に立つ気がする。誇れることが無いというのは寂しいことですね。
シャミは俺の前を尻尾をご機嫌に振りながら歩いている。対照的に俺の尻尾はペタンと元気がない。腕が疲れてきた。
「じゃあ、次は洋服を買いますよー」
どうやらシャミの買い物はまだまだ続く様だった。
近くのファミレスで少し遅めの昼食と休憩を取る。
「疲れた」
「お疲れ様です」
うん、もうその笑顔見れただけで俺は幸せ者だよ。
注文はすでにしており、頬杖をついてボケーっとしている。俺の横にはそこそこの量の買い物袋。最初の方はデート気分で楽しんでいたが、後半はそれどころじゃなかった。本当のデートももしかしたらこういうものかもしれないが。
この後はもう予定が無く家に帰るだけらしい。素直にうれしい。別にシャミとの買い物が嫌と言うわけではないのだが。
家に帰ったら安眠を貪ろう。できればシャミの膝の上で。丁度良く来た注文品を食べながら俺はそう思っていた。




