真実
なんていうグットタイミングなんだ。首を絞められそれを助けられた瞬間にメール通知だと?タイミングが良すぎだろ。この家のどっかに監視カメラか盗聴器でも仕掛けられているのか。それともその両方なのか。
メールを開いてみる。えーと、何々。
『お話ししたいことがあります。時間取れますか?』
話したいこと?なんだ?愛の告白とかか?えーっと、返信返信。
『いつですか?』
送信っと。携帯のメールみたいにいちいち文字を打たなくていいから楽だな。頭で思ったことをそのまま文章になるからな。でもメリットもあればデメリットもある。例えばメール打ちながら「今日の夕飯はから揚げがいいなー」とか思ってしまうとその内容が文章に打ち込まれてしまう。メールを打つ時はなるべくそのメールに集中するのがコツだったりする。
ん、またメールや。早いな。
『なるべく早い方がいいです。できるなら今日でも』
今日、これからか。……なんかこれから予定あったっけ?
「お兄ちゃん、どうかしましたか」
「……ああ、ちょっとな。これからってなんか予定かなんかあるか?」
「え?ありませんけど」
「そうか。んじゃ、ちょっと出かけてくるわ」
「え?あ?はい」
こんな状況なのに出かけるの?ということを考えているシャミ。表情でバレバレだ。しかし、そこがまたいい。
「あの、ロイくん。こんな状況でどこか行くんですか?」
シャミが聞いてこなかったことをずぶりとストレートで聞いてくるミュウ。
「うん、まあな。ちょいと知り合いに呼び出された。なんか大事なことみたいだから行ってくる」
「わかりました。大事なことなら仕方ありませんね」
理解していただきなによりです。
リックはというと未だにリンに馬乗りになり動きを封じ込めている。リンは……一応いつものリンに戻っている。
「リック。もういいよ」
「ん、そう?」
リックはあっさりと立ち上がる。リンものろのろと立ち上がる。
「ま、いざと言うときはまた頼んだぞ」
「任せておいて」
こういう時のリックは頼りになる。いや、いつも頼りにしているぞ。……うん。
俺はナナさんのところに行くために外に出た。
おっと、これから行くというメールとどこで会うか聞いてねえや。
さきほどメールが帰ってきた。待ち合わせ場所は魔王城だ。魔王城入ってすぐの広間での待ち合わせとなっている。
そして、今魔王城に着いたのだが。
「あー、人と待ち合わせをしていて」
「城の中で、ですか?」
「はい」
「すみませんが、それだけではちょっと。契約悪魔のお方とはいえこちらにもそういう連絡が来ていなくて」
以前の天使襲撃で警備を強化したらしい。前は結構簡単に入れたのだが、今はこの通りだ。ちゃんとした予定がない限り入れないことになっている。少々強化しすぎなのでは?
ひとまずナナさんに連絡してみよう。
メールを送ってすぐ返信が来た。
『ああ、すいません。私の名前を出してください。入れると思うので』
名前?まあ、いい。言われた通りするだけだ。
「え、あー。ナナさんとの待ち合わせなんですけど」
「しっ、失礼いたしましたっ!」
警備さんはあっさり通りしてくれた。ん、どういうことだ?やっぱりナナさんはここの職員だから名前を出すと通してくれるのかな?
門を通ると比較的すぐナナさんを見つけることができた。
「ナナさんお久しぶりです」
「あ、お久しぶりです」
それでは。と、俺を連れナナさんは歩いて行った。廊下を歩き、エレベーターに乗り、また廊下を進み、曲がって、また曲がって。……一人で迷わずに帰る自信がねえ。
ドアの前で立ち止まる。そして、ドアを開ける。
「どうぞ入ってください。汚いところですが」
言われた通り中に入っていく。そこにはかわいらしぬいぐるみが置かれていたりするかわいい部屋だった。ここは?
「私の部屋ですよ」
ナナさんの……部屋?なんで俺はこんなところに呼ばれたんだ?……は、まさか。ナナさん、そんなの早すぎますよ。まず、順序と言うものが。って、一人で先走り過ぎだ俺。
「どうぞお座りください」
テーブルの近くの座布団に座る。ナナさんも俺の向かい側に座る。
「えっと、お話しとは?」
「ああ、……はい。その件なんですが」
しばらく言いにくそうにモジモジするナナさん。
「落ち着いて聞いてくださいね」
「はい」
「ロイさん。あなたとあなたに憑いているリンさんのことなんですが」
「はい」
「転生悪魔で、」
へぇ、リンも転生悪魔だったんだ。
「まだあなた達が転生する前。つまり人間だったころ。二人は、兄妹と言う関係だったんです」
……は?
約一か月ぶりの更新となってしまいました
誠に申し訳ありませんでした
いろんな予定が立て込んでしまい書くことができませんでした
活動報告で書きましたが見ていない方々がほとんどだったと思います
待たせてしまい、本当にすいませんでした
これからもがんばっていきますので
応援よろしくお願いします




