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悪魔達の生活  作者: 鍵宮 周
いつもの生活へ?
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退院

 一夜明け、俺はベッドから体を起こす。人間の時も含めて初めての入院だった。感想は……特になし。疲れていたのか知らんがすぐ眠れたし、夜トイレに起きることもなかった。

 しかし、早く起きすぎたな。飯の時間とかって何時だ?初めての入院で昨日はいろいろと周りを見渡していたりしていたが、眠って起きるとそんな気持ちも冷め、やることのない現状に飽き飽きしている。

 こんな時は……二度寝?でも寝れる気はしない。と、いうことでごろ寝でもしているか。俺はベッドに再び横になり、飯の時間まで待つことにした。


「ロイさーん、ご飯ですよー」

 ん、いつの間にか寝ていたようだ。寝れる気がしないとかいいながら俺は寝ていた。まあ、よくあることだ。うん。

 ナナさんは手際よく朝食の準備をしていてくれた。俺が体を起こした時にはすでに朝食の準備が終わっていた。

「どうぞ」

「い、いただきます」

 鮭っぽい魚の切り身を食べる。お、うまい。病院の味付けは薄くてうまくないとよく聞くが普通にうまいぞ。この世界が特別なのか?それとも俺の味覚がおかしいとか?

 ってか、ナナさんはいつまでいるんだ?食べにくいことこの上ない。

「あの」

「どうしましたか?」

「いや、いつまでここにいるのかなと思いまして」

「あぁ、食べ終わるまでいなきゃいけないという決まりなので」

 なるほどね。

 俺は食べにくい中で朝食を食べた。


 しばらくするとシャミたち御一行が来てくれた。

「いやっほー、ロイ、元気にしているかい?」

「入院している時点で元気ではないと思うのだが」

「まあまあ、細かいことは気にしない」

 やれやれ。調子のいい奴だ。

「お兄ちゃん、何か変わったこととかはない?」

「うん、大丈夫だ」

 俺の腹の傷もだいぶ大丈夫になってきたっぽいしな。

 しばらく話をしていると、

「ロイさん、検査行きますよー」

 ナナさんが呼びに来てくれた。

「んじゃあ、行ってきますよ」

「わかりました」

「ごゆっくり~」

 ……ごゆっくりってなに?


 検査と言うのはなんかいろんな精密機械みたいなもので体の至る所を検査された。なんかこれだけ見ると、普通に人間の時みたいだな。こういう時にだけにしか人間界のことを思い出せない自分が嫌だ。

 それにしても今日退院できるんだよな?退院日にこんな検査をするもんなのか?結果とか待たないといけないと思うのだが。もしかしてすぐ結果が出るとか?

 時間にして30分ぐらいだろうか。思ったより短い時間で終わった。

「病室まで戻れますか?」

「大丈夫です」

「じゃあ、病室で待っていてください。結果が出次第そちらに向かいます」

「わかりました」

 俺は検査室を出、自分の病室に帰って行った。

 あっちこっち見ながら歩いているとあっという間に自分の病室の前だ。ドアを開ける。

「あっ、おかえり~~」

「お前はベッドの上で何をしているんだ」

 リックがベッドに寝っころがり、くつろいでいる。こいつ、やりたい放題だな。

「どうでしたか?」

 ミュウが心配そうに聞いてくる。

「そんなにすぐは出ないよ。なんか結果が出次第ここ来るってさ」

「そうですか」

 少しホッとしたようだ。そんなに心配していてくれたのかな。別に何ともないと思うのだが。いや、知らんけど。勘だ勘。

 俺はリックをベッドから追い出し。自分がベッドにもぐりこむ。

「あれ、リンは?」

「お手洗い」

 あぁ、トイレねトイレ。そういや、あいつまだ話して無くないか?

「てか、ベッド温かいな」

「まあ、私が寝てたからね。どう、私の温もり」

「別に」

 リックのバカな質問をかわし、横になった。

「寝るの?」

「いや、ただ単に横になりたかっただけさ」

 俺はすぐに体を起こし、またシャミ達と他愛のない話をし始めた。


 それからまた30分ぐらい経った時ぐらいだろうか。

「結果が出ましたよ」

 ナナさんが入ってきた。

 結果から言うと、別になんの問題もないらしい。腹も異常なしだそうだ。

「もう家の方に帰ってもらっていいですよ」

「え、もういいんですか?」

「はい。体がおかしいと感じたらまた病院に来てもらえれば大丈夫です」

 ナナさんは「それでは」と言い残し、病室を後にした。なんか急だな。

「じゃあ、荷物まとめましょうか」

 荷物と言う荷物はなかったが、まあ軽く周りのものを片付けてまとめるだけだったのですぐ終わった。

 ……てか、まだリン戻ってきてないじゃねえか。いったいどうしたんだ?

 そう考えているとすぐにリンが戻ってきた。

「お待たせしました」

「じゃあ、帰りましょうか」

 なんで何にも聞かないんだ?なんか暗黙の了解でもあるのだろうか。

 俺は不思議に思いながらも何も聞かず、病室を後にした。

次からリンのお話に入っていきたいと思います。

まあ、少し前の話からすでにプロローグみたいなものでしたが。


これからも不定期ながらも更新していきますので、

応援してくださるとうれしいです。

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