表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
悪魔達の生活  作者: 鍵宮 周
いつもの生活へ?
57/80

自転車

 みんなが戻ってきてから早一週間がたった。

「夕ご飯できましたよー」

 シャミが呼びかけると、俺も含めた4人がぞろぞろとテーブルにやってくる。

「ロイくん、何か飲みますか?」

「ああ、水くれ」

「わかりました」

 ミュウから水を受け取り、全員が席に着いたところでそれぞれ「いただきます」を言い、夕飯を食べ始めた。

 まあ、そんないつもと変わらない夕食風景だった。


 夕飯を食べ終えた後、何の変哲もないバラエティ番組を見ていると、画面が急にニュースに切り替わった。左上にはLIVEの四文字が、ってなんか前にもこんなのを見たときがある。


『これから魔王様からの大事な報告があります』


 これはあれだ。ギルドとかingとかを発表した時に見た画面とまったくもって同じだ。てか、この頃ギルドに行ってないな。そろそろ行っておかないとお金の都合上少しやばいかもな。

 なんてことを考えると、いつの間にか魔王が例のどうでもいい話をしていた。

「毎度毎度、よくこんなに話せるよな」

「魔王様だからねー」

 前と全く持って同じで俺とリックは話を聞いていない。


『と、言うことであり、今までは遠くに行くには電車や飛行機などがあったが、近くのとこに行くには歩くしか手段がなかった。しかし、それを解決するために開発したのがこれだ』


 魔王がパチンと指を鳴らすと、どこからか悪魔ナナさんがやってきた。一緒に持ってこられたのが、人間界で未成年がとてもお世話になっている乗り物、つまり自転車だった。


『これは元は下界のものであり、転生悪魔の協力してもらい開発したものだ。名前は下界の呼び名で自転車と呼ぶらしいので、この魔界でも自転車と呼ぶことにする。なんかチャリンコとか呼んだりもするらしいが、まあ、好きな呼び方で呼んでくれ』


 俺は大体チャリとか言ってたな。地方によって呼び方が違かったりするのだろうか?


『値段は誰でも買えるようにけっこう安く値段を設定している。明日からギルドで販売するのでぜひ見に来てくれ。今回は以上だ』


 そう言うと、画面がニュースに入れ替わり、キャスターが『それでは引き続きお楽しみください』と言ったら、元のバラエティに戻った。

「自転車ねぇ~」

 車もないこの世界で自転車はけっこう必要になってくるだろう。

「お兄ちゃん、どうする?買う?」

「うん、あれはけっこう便利だぞ。俺もよく世話になったしな」

「じゃあ、明日さっそく買いましょうか」

 自転車か、久しぶりだな。この体になってから乗れなくなったというのは勘弁してもらいたいものだ。

「ねぇ、シャミさん」

「どうしたの、リンちゃん?」

「お金、あるんですか?」

「大丈夫、物を買うお金とかは貯金してるから。食費がちょっと危ないけど……」

 そう言って、俺とリックに目配せしてくる。

「「すいません」」

 俺とリックは頭を下げた。うむ、本格的にギルドで依頼を受けないとダメみたいだな。


 次の日。さっそくギルドに行った。

「けっこう人いるねー」

「リック、はぐれんなよ」

「はぐれるないよ。子供じゃあるまいし」

 よく言うよ。よくはぐれる癖に。

「で、どういう自転車買うの?」

「んー、なんでもいいぜ。好きなの選んで来い」

 俺は4人にそう促し、俺はガラガラに空いている受付に行き、どんな依頼があるかを確認していた。


 シャミ達4人が選んだ自転車は空色みたいな自転車だった。まあ、別に色なんてどうでもよかったのだが。ピンクとか選ばれたら少し躊躇ったかもしれないが。

 俺たちはその自転車を買い、家に帰った。ちなみに荷台付きだ。二人乗りできるぜ。魔界はまだそういうのには手が回ってないからできるけど、人間界ではできないからな。まあ、俺の場合はする相手がいなかったけどな。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ