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悪魔達の生活  作者: 鍵宮 周
ちょっとした事件
38/80

朝の出来事

 なんか体がダルい。いや、ダルいというか体が重い。なんかこんなこと前にもあったな。

「ったく」

 俺は起こされたのに不満を持ちながら目を開けた。

 思った通り、リックが俺に抱き着いていた。

「ああー、まだ酒くせぇ」

 リックの息が俺の顔に当たるので、酒のにおいがダイレクトで伝わる。

「離れろ」

 俺はリックを引き剥がす。

 俺はもう目が冴えてしまったので、起きることにする。みんなを起こさないように慎重にベッドから降りる。

「シャミ、おはよう」

「あ、お兄ちゃんおはよう」

 シャミはすでに起きており、朝食の準備をしている。

「手伝うよ」

「ありがと」

「……あ、ちょっと着替えてくる」

「うん、わかった」

 俺は部屋に行き、素早く着替えた。


 一応手伝ったのだが、準備はほとんど終わってしまっていたため、すぐに終わってしまった。俺は残りの自分の役割をすることにした。

「おい、起きろ~」

 それは寝ている奴らを起こすことだ。

「朝食できたぞー」

 リンはすぐに起きてくれた。

「おはようございます」

「おはよう」

 リンは顔を洗いに洗面所に向かった。残り、2人。

「おい、ミュウ、リック起きろって」

 俺は毛布を引き剥がした。よく、アニメとかマンガとかでやってるやつな。でも、意外とこれが効果が高いのだ。

「さ、寒い」

 よし、リックが目覚めてきた。

「朝食出来てるから起きろ」

「う~ん」

「……あと、飯食う前にシャワーを浴びとけ」

「なんで?」

「昨日の酒の臭いが残ってる」

「え、ウソ!?」

 リックは自分の服の臭いを嗅ぎ「クサッ!」と、言った後、風呂場へ消えて行った。残り、1人。

「ミュウさ~~ん、朝ですよ~~」

 俺はミュウの頬を叩く。しかし、見事なくらい反応がない。

「生きてるか~~~」

 俺はしばらく声をかけてると

「う~~~~ん」

 ミュウは目を擦りながらムクリと体を起こした。

「やっと起きたか」

 俺は自分の役目を果たしたので、シャミが食器を並べているのを手伝うために、ベッドから立ち上がろうとしたら、

「んっ」

 ミュウが俺に抱き着き、押し倒された。

「ちょっ、ミュウ!」

 なんかこんなことが前にリックにされた。

「もうちょっと……」

 おまけにまだ寝ぼけている。ミュウの胸が当たってしまい、気になってしまう。……柔らかい。待て待て!俺は何を考えているんだ。

 俺はこのようにしばらくの間悶々としていると、

「ロイさん、なにしてるの?」

 救いの手がやってきた。

「なんか、押し倒された」

「シャミさんが悲しむよ」

「いや、俺からやったわけじゃないから」

 その証拠に俺が下になっている。

「ひとまず助けてくれ」

「たぶん……大丈夫」

「へ?」

「起きた」

 リンの言う通り、ミュウは起きた。

「お、おはよう」

 俺は一応言っておいた。

「……えっと、あの……!!」

 ミュウの顔がおもしろいほど赤くなっていく。

「す、すみません!!」

 ミュウは急いで俺から離れた。

「いや、別に大丈夫だったけど」

 別にいやな気分じゃなかったしな。胸も……いや、なんでもない。

「ひとまず顔でも洗ってこい」

「は、はい……」

 ミュウは洗面所へ行った。


 朝食を食べている途中、

「…………」

 なんか気まずい空気が流れていた。特に俺とミュウがふとしたことで目が合ったりすると、ミュウは顔を赤くして俯いてしまう。

「どうしたの?」

「変だよ、ロイ。ミュウも」

 シャミとリックは何があったかは知らない。まあ、そのほうが比較的丸く収まるだろうしな。

「なんでもねえよ」

「本当?」

 リックはミュウに聞く。

「え、あ、はい。何もありませんよ」

 リックとシャミはその言葉に納得してくれたみたいだった。


 俺は洗い物を率先してやることにした。ちょっと考えごともあったしな。

「あの!」

「ん?」

 俺が振り向くと、そこにはミュウがいた。

「あ、ミュウ」

「私も手伝います」

「じゃあ、食器拭いてくれるか?」

「はい!」

 元気が良くていいことだ。

 しばらく黙って作業していると、

「あの、朝はすみませんでした」

「大丈夫だって。慣れてる部分はあるし」

「??」

 いまいちわかってないようだ。当たり前だけど。押し倒されるのは慣れてるって意味だった。リックから何回かされたしな。

「寝ぼけてたからしょうがないさ」

「まあ、寝ぼけてたんですけど……」

「ん?」

「私って、朝は血圧が低いので、体温が低いんです。だから朝、無意識に誰かに抱き着いて体を温めるとかなんとかで……」

「大変だな」

 俺はその低血圧とかいまいちわからなかった。人間の時も関係なかったし。

「俺もミュウみたいなカワイイ子に抱き着かれて悪い気はしないよ」

「え!?」

「はい、終わり。手伝いありがとな」

 俺はミュウの肩に手を置いて礼を言った後、ソファーに向かった。リックがこっちを見て少しニヤついてたのが少しイラついた。

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