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悪魔達の生活  作者: 鍵宮 周
ちょっとした事件
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 商店街でミュウの雇うことが決まり、帰路の途中、ミュウは

「本当にありがとうございます」

 と、何回も俺に言ってきた。律義でいい子だなとは思うものの、だんだん鬱陶しくなってきた。

「もういいから」

 俺はミュウにやめさせようとするが

「いえ、言わせてください」

 と、なんだかよくわからないやり取りが続く。

 俺は助けを求めて、リックの方を向くのだが

「……グスッ」

 まだ泣いている。あの商店街でのやり取りに泣く場面などあっただろうか。俺の涙腺はこれっぽっちも刺激されることは無かった。

「さて、ここが俺たちの家で、お前の新しい家だ」

「わぁ~、ここが私の家になるんですか」

 なんかミュウは感激していた。……まさか、いや、まさかな。……聞いてみるか。

「失礼なことを聞くが、今までお前どこに住んでた?」

「山の中ですけど」

「家は?」

「ありませんよ~」

 そのまさかだった。

「兄弟全員野宿か?」

「はい!」

 元気よく答えられた。ミュウはリック以上にポジティブ思考のようだな。

 そして、いまのやり取りでシャミ、リック、リンの3人は再び涙が流れてきていた。

「ひとまず入ってくれ」

 俺は玄関を開け、ミュウを招き入れる。

「ほら、泣いてばっかりいないでお前らも入れ」

 3人は身を寄せ合いながら家に入ってきた。

 ミュウはわぁ~とか声を上げながら家のあちこちを見ている。

 その隙にと俺はシャミに

「なんか手続きとかいるのか?」

 と、聞いた。

「う、うん。え、えっと、せつ、説明するね」

 シャミは泣きながらだったため、説明に時間がかかった。

 それでは、その説明を簡単に説明しよう。

 ミュウはもともと誰かに憑く悪魔ではないため、最初に魔王城に行って、登録しなければいけない。そして、そこでこれからはそのまま生涯お手伝い悪魔となるか1回きりしかならないかを登録することが必要のようだ。しかし、途中で後者から前者に変更はできるらしい。前者から後者は無理のようだ。どっちに登録するかによって給料も変わるみたいだ。前者の登録では給料は安定するが一定の額以上はもらえない。後者の登録では出来高払いと言うことだ。会社に就職するかスポーツ選手になるかみたいな違いだ。

 まあ、こんなもんだな。これでもけっこう掻い摘んで説明した方だ。

 そういうことで俺とミュウはさっそく魔王城へとむかった。シャミたちは未だに泣いているためお留守番だ。


 魔王城へと向かってる途中

「あの、本当にありがとうございました」

 ミュウに言われた。

「いや、そんなにお礼言われても……」

「でも、普通ってあそこでなんか捕まりますよね?」

「そうだな。普通はな。今度商店街の人たちにちゃんとお礼言わなきゃな」

「はい!」

 元気なのはいいことだ。

「そういえば、弟とか妹とかに言わなくてもいいのか?」

「あ、あとで言います。でも、あの子たち大丈夫かな?」

「何が?」

「だって、知らない子たちと一緒に住むことになるんでしょ?」

「そういうことになるな」

 ミュウの弟、妹たちはこれから施設みたいなところで住むことになるらしい。

「心配で……」

 まあ、当たり前だよな。

「大丈夫さ。子供はすぐにほかの子供たちと仲良くなってたりするから」

「そうですよね。大丈夫ですよね、うん」

 自分に言い聞かせてるみたいだ。

 そんな話をしている間に魔王城に着いた。


「あの、どうすれば?」

「ああ、ひとまずそれに書いてあるアンケートに答えてくれ」

「はい」

 ミュウはアンケート用紙に書き込んでいく。その姿は一生懸命でカワイイ。

「どうしましたか?」

 俺の視線に気が付いて、話しかけてくれた。

「いや、なんでもない」

 俺もいろいろと書かなければいけないため、持っている紙に視線を戻す。

「…………」

 俺は意外と早く書き終えたが、ミュウの方はけっこう書くのが多いらしく、まだ書いている。

「えと、いいですか?」

「ん?」

「これって?」

 そこは生涯誰かに憑くかどうかを登録するところだった。

 俺はシャミに言われた説明をそのままミュウに説明した。

「なるほど、じゃあ、私は」

 ミュウは生涯の方に丸を付けた。

「生涯でいいのか?」

「はい!」

 まあ、俺は何にも言わないよ。

 そして、ミュウはずっとアンケート用紙に書き込んでいた。

 ……しばらくミュウを見ていて気が付いたのだが、年齢の割に顔が幼い。ちなみに年齢は俺と同じだそうだ。そして、胸がでかい。リックとまではいかないと思うが、大きい方だと思う。ロリ顔で巨乳、これって萌え要素らしいな。誰かが言ってた気がする。……誰だかは忘れた。

「あの、終わりました」

「そうか」

 俺は担当の人に提出をした。登録はこれで完成らしい。

 ミュウの弟、妹たちはさっそく今日から施設での生活が始まるらしい。

「じゃあ、私も行ってきますね」

「おう、気を付けてな」

 ミュウも心配と言うため、施設の人たちと一緒に弟、妹の所に向かった。

「さて、俺も帰るか」

 俺はさっそく家に帰ることにした。

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