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悪魔達の生活  作者: 鍵宮 周
ちょっとした事件
30/80

秘密の関係?

 朝食兼昼食を食べ終え、今は外出の準備中だ。さっき牛乳が無かったように冷蔵庫にはほとんどのものがなくなっているのだ。準備中と言っても俺は特に準備することはないので呑気にテレビを見ている。

「おまたせ~」

「……お前だけか」

 リックしか来なかった。

「シャミたちももうちょい経ったら来る」

「そうか」

 俺はテレビに目線を戻す。

「ねえ」

「ん?」

「この服どうかな?初めて着てみるんだけど」

「別いいんじゃね」

「……ちゃんと見てないでしょ」

 俺は仕方なくリックを見る。

「大人っぽくしてみたんだけど」

 リックの言う通り、大人っぽい服を着ている。おしとやかとでも言うのだろうか。

「うん、似合ってると思うぞ」

 俺は心からの意見を言う。

「ありがとう」

 リックは満面の笑みを見せる。

「っ!」

 思わずクラッと来てしまった。なんでだろう。いつも見るリックの笑顔だったと思うのだが。

「お待たせしました」

 シャミとリンが来た。

「いや、大丈夫だ」

 テレビを消し、買い物へ向かった。


 この町は城の比較的近くにあるのだが、大して発達していない。必要なものはある程度そろうのだが。そのためかどうかは知らないがこの町にスーパーはない。魚は魚屋で肉は肉屋で野菜は八百屋でという具合に買わないといけない。しかし、コミュニケーションが取れ、いろんな人と知り合い、仲良くなる機会が多くなる。今の日本じゃほとんど見られない光景だ。

「まず何から買うんだ?」

「野菜からかな?」

「ねぇ、シャミ。手分けした方が早いんじゃない?」

「そうですね。でもどうやって分かれますか」

「俺一人でお前ら三人でいいだろ」

「……サボるつもりでしょ」

「ダメ……だよ……」

「冗談だ」

 ほとんど本気だったが。

「で、どう分かれるんだ」

「ジャンケン?」

 リックが提案した。

「ジャンケンでどうわかれるんだ?」

「えっと、グッパー?」

 まあ、それが妥当だろう。

「じゃあ、行くぞー。せーのっ」

 四人一斉に出す。結果は俺とリン、シャミとリックになった。

「お兄ちゃんたちはこれを買ってきて」

 俺はシャミからメモを受け取った。買ってくるものは牛乳、肉、調味料などなど。

「わかった。よし、リン、行くぞ」

 リンはコクリと頷き、俺の横に並んだ。

「……そういや、いつどこに集合だ?」

「今は1時だから、一時間もあれば買い物終わるよね?」

 リックはシャミに聞いた。

「手分けしますから30分でも時間が余ると思いますよ」

「そう?じゃあ、ブラブラする時間も入れて、一時半にそこの喫茶店でいいんじゃない?」

「了解」

 俺はそれだけ言うと、リンと一緒に買い物へ向かった。


「牛乳何本ぐらい買う?」

「……3本?」

「じゃあ、3本でいいか」

 リンと相談しながら買う量などを決めていく。

「あと買うものあるか?」

「もうない」

「そうか。で、今何分だ?」

 時計を見てみる。まだ12,3分てところだ。

「リン、どっか行きたいとこ無いか?」

「…………」

 急に言われたからか少し悩んでいる。

「本屋」

「んじゃ、本屋に行くか」

 俺たちは時間をつぶすため本屋に寄った。

「リンはどこにいる?」

「あそこにいる」

 そこには雑誌がいろいろ並んでいた。

「わかった。時間になったら向かいに行く」

 俺も見たいものがあったのでそこらへんの本があるコーナーに向かう。

「これでいいか」

 俺は魔界についての本を手に取り近くにあった椅子に座り読む。ここは本屋兼図書館みたいな場所らしい。

「まだまだ知らないことがあるからな」

 手に取った本には魔界のいろんなことを詳しく書いていた。

「技術はなかなか進んでいるみたいだな」

 戦闘機などが普通にあるのを見ればすぐわかるがな。

 いろいろ読んでいたらすでに25分になっていた。俺は本を元あった場所に戻し、リンを探しに向かった。すぐ見つかった。

「リン、時間だ。行くぞ」

 リンは小説みたいなのを本棚に戻した。

「買うか?」

「え、いいの?」

「欲しいならな」

 リンが珍しく欲しくしていたからな。

 リンはさっき読んでいたと思われる小説を持ってきた。俺はそれを受け取り、会計を済ませ、リンに渡した。

「ロイさん……ありがとう」

「どういたしまして。じゃあ、待ち合わせ場所に行くぞ」

 今の出費なんてリンの笑顔を見ればなんてこともないからな。


 俺たちが喫茶店に着いた時にはすでにシャミとリックがいた。

「ちょっと、ロイ。女の子を待たせるってどうなの」

「ああ、すまん。シャミ」

「私は?」

「……悪い」

「今の間なによ」

 俺は席に座り適当にコーヒーでも頼んだ。リンはオレンジジュースを頼んだ。

「この後どうするんだ?」

「どうしましょうか?」

 俺とシャミが悩んでいると、

「もう帰らない?昨日の疲れもまだあるし」

 リックは行儀悪く、テーブルにグターッと突っ伏している。

「そうだな。ここでゆっくりしたら帰るか」

「そうですね」

 ちょうどこのタイミングで頼んだ飲み物が来た。

 そしてここで30分ぐらいゆっくりしていた。


 家に帰ったのが2時15分。

「つーかーれーたー」

 リックはソファーにダイブした。

「お前はガキか」

「だってー、つかれたんだもーん」

「だもーんって」

 俺は荷物をテーブルの上に乗っけ、リックの隣に座る。リンとシャミはすでに買ってきたものを冷蔵庫に入れている。

「お前この頃ダラダラしすぎじゃないか?太るぞ」

「気を付けてるから太らないよー。ほらっ!」

 俺はボーッとしていたら急に起きたリックに押し倒された。そして、手を掴まれ、その手をリックの横腹に持って行かれた。

「太ってないでしょ?」

「そうだな」

「こっちは……どうかな?」

 つかまれた手はそのままリックの体を上へとなぞり、俺の手はリックの胸へと到達した。

「ちょ、リック!?」

「静かに、バレちゃうでしょ?」

 シャミとリンは冷蔵庫への仕事で精いっぱいみたいだ。

「このまま秘密の関係になる?」

「離せ」

「照れなくていいのに」

「いや、照れてねえよ」

 俺はなぜか冷静に突っ込みを入れていた。自分の手がどこに触れているのかも忘れて。

「疲れてるんだろ。おとなしく寝てろ」

「私ね、こうしたら疲れもとれちゃうよ」

 そう言うと、急に唇と唇が触れ合った。いわゆるキスだ。リックとは前にも一度キスした時があるのだが、このキスは前とはちがう感じであった気がした。

「よし、スッキリ!」

 とか言い、リックは俺から離れていった。

「…………」

 何がしたかったんだあいつは。俺はリックの胸を触った手をジーッと見ていた。

後半暴走してしまいました

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