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悪魔達の生活  作者: 鍵宮 周
魔界へようこそ
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新しい同居人

 今日の俺の目覚めは今までとは違うものだった。

「なんかだるいな」

 風邪でも引いてしまったか?いや、シャミも獣人族は病気とは無縁とか言ってたしな。

 でも体全体がだるい。というか、背中が重い。 

 そこで俺は寝る体勢を変えるため自分の体勢を確認。横向き、そこから視線をのばすと台所がある。シャミがおいしいご飯を作ってくれる場所だ。

 そのシャミはと言うと俺の胸に顔をピッタリとくっつけ寝ている。

 ……あれ、なんか背中も人の温もりが。いや、悪魔の温もりか?

 頭だけ動かして確認。

 見えたのは当たり前だが髪だけ。青だった。どっちかというと藍色って感じだ。

 もう1回見ようとしたときにシャミがおきた。

「あ、お兄ちゃんおはよう」

「ん、お、おはよう」

「今、ご飯作るからね」

 そういってベットから降りて台所に向かっていった。俺もそれに合わせてベットから降り、後ろの藍色の髪の悪魔を確認。

 顔はシャミと比べると大人っぽい。美人系って感じだね。人間で言う大学1、2年辺りだろうか。髪の長さはロングだ。ポニーテールが似合いそうだな。なお、俺はどっちかと言うとポニー派だ。

「ん」

 起きた。ここはやはり爽やかに挨拶をしたらいいのだろうか。

「あ、おはよっ、ご主人」

 声が活発な女の子のような感じだ。伝わるだろうか。

 その女の子はむくりとベッドから起きあがった。

 洋服を着ていなかった。つまりは裸。ついでに言うと胸がでかい。

「お兄ちゃん、早く顔洗ってき…て…?」

「……シャ、シャミこの女の人誰?」

「キャアアアアアアアア!!」

 緊急事態発生、緊急事態発生。

「しょうがない」

 藍色の髪の悪魔はそういって、腕を十字にして胸のところで絞めるという方法で俺の首をホールド。俺は再び夢の世界に堕ちいったのだ。ホールドされたときに触れた胸が柔らかくて気持ちよかったことも添えておこう。




 どれくらいたっただろうか。俺は目を覚ました。

「あ、さすがリックさん。30分丁度で起きました」

「あまり力入れてなかったからね」

「……なぜ仲良くしてるのかを含めてすべて話してもらおうか」

 説明しよう。

 藍色の髪の悪魔の名前はリックといい、種族は盗人族。シャミが家事など家のことを世話してくれる悪魔とは対象的にリックは主に魔界の警備や魔物退治などを手伝ってくれる悪魔だそうだ。まあ、これからは俺も警備や魔物退治をしないといけないらしいが。

「裸になってて悪かったね。ここに着いたとき服がどろどろになってたから脱いじゃったんだ」

 明るく言われても困る。というか、裸でベッドに入ってくるな。

「魔王様に今日来るって言われてたの忘れてしまっていました。ごめんね、知らせてなくて」

 いやいや、言われててもあの状況は誰でも驚くだろう。しかし、困っている顔もなんてかわいいのだろう。嫁にしたいぐらいだ。俺の嫁発言する人の気持ちがわかった気がする。

「はやく、ご飯食べましょう」

 そうして3人仲良く朝食を食べることにした。


 さて、これからの予定はなんなのだろうか。聞いたところ特にないらしい。ゆっくりできるな、とかのんびり考えてたら

「じゃあ、警備や魔物退治のコツとか勉強するよー」

 とか軽いノリでリックに言われた。そしてどっからかホワイトボードを持ってきた。そんなもん家にあったか?

「……え、勉強?」

 なんということだ魔界にも勉強があるとは。

「まずは属性や相性から」

 面倒くさそうだな。リックも先生になりきっているのか眼鏡をかけている。

 そこから長い長い授業が始まった。教え方が上手いからか嫌でも頭に入ってきた。シャミも時々教えてくれた。でも、勉強は勉強だ。苦痛の時間には変わりはなかった。


 夕食は再び人間界のものだ。その料理は肉じゃがだ。シャミが俺のためにわざわざ勉強してくれたらしい。嬉しいものだ。

 シャミは「ちょっと失敗しちゃったかも」と言っていたが、シャミの料理で不味いものなどないと思っている。もし不味くなったとしても意地でも食ってやる。

「「いただきまーす」」

 俺とリックは一緒に言い

「どうぞ」

 とシャミ。

 肉じゃがはうまかった。うまかったのだが、リックがほとんど食っていたみたいなもんだな。他のおかずでカバーしたが。

 その後の風呂ではリックが風呂場に乱入。背中を洗ってもらった。半ば強制的に。風呂場であったが服を着てくれていたのでなんとか理性を保てた。もしもリックが裸だったら恐らく卒倒していたことだろう。

 風呂場のできごとを知ったシャミは顔を赤くしながら「私も一緒に洗ってあげたかった」と言ってくれた。嬉しいを通り越して恥ずかしいぞ。

 もしもシャミが風呂場に入ってきたら俺は理性を失うかもしれないな。

 しばらく時間が過ぎ俺を含め全員ウトウトし始めたので寝ることした。

 ベットに3人で。

 俺が真ん中でシャミとリックでサンドイッチという並び順だ。

 いつもどおり俺はドキドキして眠れなかった。

 シャミの寝息がすーすー肌に当たってくすぐったいし、リックの胸が当たり気になるわで大変だった。

「あ、シャミを手伝うって完璧に忘れてたな」

 前の決心を今頃思い出した。そして俺は明日こそはと思い、決心を再び胸に刻むのであった。

 そして美女2人と一緒に俺は眠りについた。

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