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悪魔達の生活  作者: 鍵宮 周
日常
17/80

外出

 俺がソファーで寝、おきたときはまだ誰も起きてはいなかった。ベットには赤、黄色、青の3色の頭が並んでいる。信号みたいだ。黄色というのはリンの髪色だ。リンの容貌を伝えてなかったので言っておこう。髪は黄色。セミロングだ。ヘアピンで髪をとめているのが印象に残る。顔はまだまだ幼い。守ってあげないと消えてしまうみたいたオーラを出している。まあ、こんなもんだろう。

 なんとなく、すごいなんとなくだが、ここにいてはいけない感じがしたので少し外に出ることにした。しっかりとメモを書いて。



 外に出ても特にやることなどない。朝早いためか店も開いてないしな。ということで、ちょっと遠くまで探検がてら散歩することにした。


「だいぶ遠くまで来たな」

 今は公園のベンチみたいなところに座っている。目の前には噴水があり、見ているだけで涼しくなる。なんか、ドラマとかで使われそうな場所だな。

「お久しぶり。元気にしてた?」

 後ろから声をかけられた。振り向いて誰か見てみると、ショッピングで、声をかけてもらった女の悪魔だった。ここで容姿を言おう。髪色は茶で、ロングである。おまけにウェーブがかかっている。身長は160後半ぐらいだ。スタイルもいい。全体的にスレンダーだが出ているところは出ている。……こんなもんだろう。

「あ、お久しぶりです」

 明らかに年上に見えるので、しっかりと敬語で話す。その女性は後ろを向き

「私、この人と話があるから、先に行って待っていてちょうだい」

 と、男の悪魔に言っていた。その男の悪魔は「かしこまりました」という感じで頭を下げ、どっかに消えていった。

「今のは、…あなたに憑いている悪魔さんですか?」

「ええ、そうよ。なんか執事みたいでしょ?」

「そんな感じでしたね」

 しゃべり方がお嬢様っぽい。なんか緊張してしまう。

「自己紹介でもしましょうか。私はユミ。よろしくね」

「ユミさんですね。あ、俺はロイと言います。よろしくお願いします」

「ユミって呼び捨てでいいわよ」

「いえいえ、そんなわけには」

 見た目もお嬢様なので、ため口はさすがに無理である。

「この頃悪魔も大変よねー」

「と、言いますと?」

「だって、天使がちょくちょく襲って来るし、物価も少しずつ高くなっていくし。前はこんなの無かったじゃない?」

「は、はあ」

 俺はついこの前ここに来たのだ。昔のことなど知らん。

「その反応。もしかしてロイ、転生悪魔?」

「……転生悪魔とかってなんですか?」

「あ、転生悪魔っていうのが転生で生まれた悪魔。悪魔から生まれた悪魔が純正悪魔っていうのよ。ついでに私は純正」

 そんな呼び方があるとはね。

「ということは俺は転生悪魔になりますね」

「それじゃあまだまだ知らないことだらけね」

「本当にその通りですよ」

 適当にやってても結構うまくいっているけどな。

「そういえばあの時のロイ、かっこよかったわね。もう、惚れちゃったかも」

 恐らくショッピングのときであろう。

「そんな冗談言わないでください」

「あら、半分くらい本気よ」

 半分って。

「あの悪魔に憑いていた子、大丈夫なのかしら」

「その子なら、俺に憑いてもらってますけど」

「え、奪還したわけ?すごいわね」

「いえ、奪還というかなんというか」

 なんか、話のペースを完全にあっちに取られている。

「ユミさん、執事さんのところに行かなくていいんですか?」

「もしかして、私と話したくない?」

「そんなわけじゃ」

 ユミさんは「冗談よ」と言ったあとに

「私、あの人苦手なのよね。役に立つけど、なんか、がんばって私と契約するようにがんばっているみたいなの。ロイはもうしているでしょ?どっちの子としているの?私の予想だとたぶんあの赤い髪の子ね」

「……すいません、契約って?」

「え、聞いてないの?」

「は、はい」

「えっと、契約って言うのは、そのお手伝い悪魔と生涯ずっといるってことかしらね。解除は絶対にできないの。私はもうしていると思っていたのにな。あ、ちなみに契約と結婚は別物よ」

 契約とはそういうものなのか。てか、なんでシャミたちは教えてくれなかったのだろうか。結構大切な事っぽいぞ。

「……私そろそろいかなきゃな。嫌だけど。じゃあ、またね、ロイ。バイバイ」

「あ、はい、それでは」

 ユミさんはそのまま行くと思いきや、急に俺にキスをしてきた。もちろんマウストゥマウスで。

「え!?」

 俺の間抜けな声だ。

「行ったでしょ。あなたに惚れてるって」

 そう言うと、ユミさんはあの執事が向かった方向に行った。

 俺はしばらく思考停止していたのであった。

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