表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
悪魔達の生活  作者: 鍵宮 周
日常
12/80

 さっきはふと、人間界でのことを思い出したが、実際人間界でのことなんか俺はほとんど覚えていない。転生のときに大事なときのことを忘れさせたらしい。家族構成などさっぱり覚えていない。自分の名前とかの基本は覚えているが。

「大丈夫、ロイ?もしかして、まだ腹立ってる?」

「多少はおさまったが、思い出すとまた腹が立ってくる」

「まあ、無理もないだろうね。私もさっきのクソみたいな悪魔ははじめてみたもん」

「私もあんな怖い悪魔はじめて見ました。あの子大丈夫かな」

 シャミはあの小さな女の子を思い出していた。あれは明らかに無茶しているだろう。

「あの子、クソ悪魔を怖がっていたからね」

 俺たちの家での生活から見たら、あの家はかなりきついんだろうな。想像したくもねえ。

 ちなみにここはファミレスである。さっき買い物していたところの比較的近くのファミレスだ。料理はすでに頼んだ後で、俺たちはさっきのクソ野郎について話していた。

「あの子を助ける方法があったらね」

「やっぱりそういう方法はないのか」

「うん、正直言ってないね」

 話していたら料理が来たので、俺たちはその料理をさっそく食べ始めることにした。



「普通においしかったな」

 今はすでに帰宅路である。すでにしたかった買い物もすべて終わしていたからな。

「でも、私は近くのファミレスの方が好きかも」

 あそこもあそこでおいしいからな。俺もこのシャミの意見に賛成だな。

「私はやっぱり、シャミの料理が一番だよ!」

「あ、それ同意」

 このリックの意見には全面的に賛成である。言われたシャミは「え、そうですか?私は普通だと思いますけど」とか言っていた。謙遜する姿もいいね。



「「「ただいまー」」」

 3人の声が見事にハモる。それにしても重かった。荷物は食料をはじめ、服や食器少々、ちょっとした小物など様々なものだ。

「お兄ちゃんもリックさんもお疲れ様でした」

「ははは、大丈夫だよ」

 リックは明らかに大丈夫じゃない。狩りは疲れなくてもこれは疲れたか。

「俺はもう無理だ、少し休むわ」

「じゃあ、私も休む」

「私は夕食の準備かな」

「いいよ、まだしなくて。シャミも一緒に休もうぜ」

「じゃあ、お兄ちゃんがそういうなら」

 3人それぞれが持っていたものをテーブルの中心にまとめて置き、ソファーに座り、テレビをつけた。シャミとリックは俺の隣に座ってきた。シャミはふうと息を吐き出し、リックは「あー、もう疲れたー」とか言っていた。俺はと言うと、ソファーに座った瞬間睡魔に襲われ、戦っていた。睡魔とタイマン張っているとシャミが俺の肩に頭を置いた。リックも俺の肩に頭を乗せさっそく眠っていた。言うまでもないが俺もそのあとすぐ寝てしまった。


 目が覚めたのは寝てから大体1時間後ぐらいであろうか。両肩がなんか重いなと思ったら、シャミとリックも寝ていた。2人の美女が俺の肩に頭を乗せ寝ている。まさに両手に花って感じじゃないか。でも、困るなこの状況。動きたいけど動けない。2人をのければ動けるがそれはもったいない気がする。ので、俺はこの状況でボーッとテレビを見ていた。時々リックの髪が俺の鼻を擽り、むずかゆかった。


 今はすでに7時前。シャミがせわしなく料理の準備をしていた。俺はリックにマッサージをしてもらっていた。さっきの体勢でボーッとしていたら肩がこってしまったのだ。それを言ったら今のこの状況になっている。リックのマッサージはとてつもなく気持ちいい。的確にツボを押してくれる。最高だ。今日はまさに最高の日だ。あの、クソ悪魔に会わなかったらな。思い出しただけでもまた腹が立ってきた。


 そのあとのことはもう言うまでもない。いつもどおりだったからな。飯を食い、風呂に入り、歯を磨き、テレビを見て、寝た。

 その夜、なんとなく変な夢を見てしまった。フラッシュバックと言えばわかりやすいだろうか。そんな感じの夢であった。恐らく場所は人間のときだろう。家にいて、俺がいて、誰かと部屋の隅にくっつきあっていた。誰かを待っているような、それとも誰かを恐れていたような感じであった。もちろんその誰かというのはわからない。顔もまともに見えなかったからな。しかし、雰囲気が誰かに似ていた。シャミでもあり、リックでもあるような。なんか不思議な感覚がした。俺にはそれしか言えない。いや、他に当てはまる言葉が出てこないだけだ。だけど、これだけは言える。この夢はとても大事な記憶であると。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ