出会い
唐突だが、みなさんは『転生』という言葉をご存知であろうか。わかりやすく言うと生まれ変わるということだ。
なぜこのような話をするかって?
なぜなら俺は今をもって転生をしてしまったからだ。
転生までの流れを軽く話そう。
俺は高校2年で青春を堪能していた時だ。
下校の途中、同級生の女の子を事故から助けて自分が事故ってしまった。しかも大型トラックだ。言うまでもなく救急車で運ばれ死んだ。
真っ暗な世界が広がりしばらくすると白い光が見えてきた。
「ああ、天国ってあったんだな」
などと考えていたら、急に意識がなくなった。
しばらくして目を覚ましたら、生き返っていた、つまり転送されたということだ。
これが大体のあらすじだ。わかりにくい?大丈夫だ俺も何が起きているかこれぽっちもわからない。
てか、ここベッドの上だよな?なぜこんなところに横になっているんだ。ひとまず体を起こした。
「あ、目覚めましたか?」
……今、声がしたよな?しかも、女の子。声はおだやかな感じだ。これで膝枕してもらいながら子守唄でも歌ってもらったゆっくり眠れるんだろうな。何考えてんだ俺。
ベットから起きて女の子の方を見た。
髪は赤っぽい感じ、そしてショートヘア。身長はパッと見150くらいだろうか?顔にはまだ幼さが残っていて可愛い系だ。胸は……まあ、身長に合った大きさだ。
「なに、胸ばかり見てるんですか」
胸を腕で隠しながら言った。どうやら俺の視線に気づいてたらしい。しかし、動作1つ1つがかわいい。
「すまん。ってか、そういうことはどうでもいいから今の状況をわかりやすく教えてくれ」
その女の子は小さな声で「どうでもよくありませんよ」と付け加えた後説明してくれた。
……面倒くさいので簡単にまとめよう。
ここは魔界らしい。余談だがこれを聞いたとき「魔界!?」と言って声が裏返ってしまった。どうやら俺は死んだあと魔王が作った『転生機』なるもので転生されたらしい。
そして、この国の繁栄だの警備だのを任されるらしい。
おまけにこの国は天国と戦争しているらしい。戦争と書いてケンカと言うらしい。この戦争は俺達にも関係あるもののようだ。
「わかりましたか?」
「正直に言ってわからん」
「でしょうね」
苦笑しながら女の子は言った。
なら聞かないでくれ。
この女の子はシャミとか言う名前らしい。種族は半魔族。初めて聞く種族だな。元々悪魔の種族なんてわからないんだけどな。サキュバスとかは種族の1つなのかね。
種族について本人曰く
「転生された悪魔に憑く見習い悪魔なので、聞いたときがなくて当たり前です」
と言うことだ。
俺の名前はロイと言うらしい。らしいというのも
「魔王様がつけてくれた名前ですから」
ということでいまいち理由がわからんがロイという名前にいつのまにかなっていたらしい。種族は獣人族とかいう種族らしい。頭に耳、尻には尻尾など獣っぽい要素がいくつかある。二次元の女の子がこの格好をすると最高なんだが、男の俺がこんな恰好するとはな。正直自分でもドン引きだ。
まあ、俺達の説明はこんなもので十分だろう。
魔界にも朝昼夜といった時間があり、今はもう夜らしい。俺が目覚めるのが遅く、目覚めた時はすでに夜だった。ってことで、そのまま寝ることに。
「お休み~」
「あ、お休みなさ~い」
お決まりの挨拶を交わす。魔界でもこの挨拶は一緒なんだな。いざ夢の世界に行こうとすると、なんとシャミがベットに入ってきたではないか。
「な、なんでお前が俺のベットに入ってくるんだ!」
焦る俺。しょうがないだろう、彼女もまともにいたことがなかったんだ。……彼女がいても一緒に寝ないか、普通。
「ご主人様と一緒に寝るのも仕事、というか決まりですから」
……どういう決まりだ。
もうどうにでもなれ俺は寝る。
「お休みなさ~い」
シャミはそういうと俺の背中にぴったりとくっついてきた。
……寝れるわけないだろ。
シャミはときどき「あったか~い」とか喜ぶし、後ろからはすごいいいにおいするし。こんな状況で寝れるやつなんかいるか。
こんな感じでいつまでも心の中で悶えていたらシャミはいつのまにか寝ていた。なんでこんなにすぐ寝られるんだ。
次の日寝不足になったのは言うまでもないだろう。
誤字脱字などあったら教えてくださると助かります