《戸惑い》
「なによ・・これ?」
まみが言った。
「え?」
とあたしとゆうも教室をのぞく。
「何これ〜?」
机といすは5個くらいしかなく
そのうえ壊れていたり
折れていたりしている。
黒板は、『転校生馬鹿』と書かれていた。
教室には誰もいない。
「なんで誰もいねーんだよ?」
ゆうが言った。
「そんなの知らないよー。」
あたしは答えた。
「と、とにかく座ろう。」
まみが言った。
が、座れるいすもない。
どうしようか迷っていると
体育の先生だろうか?
ジャージ姿の筋肉質の先生が入ってきた。
「おお!お前たちか!転校生は。
はっ、また黒板に落書きしてやがる・・・」
黒板消しを手に持って、『転校生馬鹿』を消している。
「これなんなんすか?教室もめっちゃ汚れてるし・・・」
「あ〜・・・お前たちに説明しなきゃならんことがある。」
なんだろう?
「実はこのクラスの生徒はお前達だけなんだ。」
「はあ?」
わけが分からずあたしたちは、ただ
口をポカーンとあけていた。
「どういうこと?」
まみが聞いた。
「このクラスの奴等は
いわば不良や不登校の奴等が
あつまっているクラスなんだ。」
「だからなんなんすか?」
ゆうがいらだっている。
「まあ、そう焦るな。
だから、授業を受けるのも君たち3人だけということなんだ。」
「他の人たちは?」
あたしが聞いた。
「あ〜・・多分来ないだろう。
あ、木村俊って奴が来たときは
3人で固まって、とにかく目を合わせるな。
そして、できるだけ逃げろ。
怪我するぞ。」
何言ってんだろ、この人。
わけがわからない。
「立花、この2人を守れよ。」
「は?」
「ま、立花ならできる。ハハハ!」
ゆうは笑いごとじゃねーよって顔をしている。
「ま、今日は帰れ。
明日から大変だぞ!」
意味不明な言葉を残して、先生は教室をでていった。
「どうなってんだ?
この学校・・・」
「わかんない。」
ゆうもまみも不安そうだ。
「ま、とにかく帰ろ!」
あたしたちは謎の教室をあとにした。