《友達》
今日からまた新しく
学校が始まる・・
4月6日、あたしは
転校してきた。
新しい学校の校門を
くぐって、職員室に向かう。
すると、なんだか殺風景な部屋に連れて行かれた。
「へ〜、結構古いんだぁ。」
床を見ながらつぶやく。
それもそうだ。
あたしが転校してきたのは
創立60年を迎える
中学校だからだ。
「ガラガラッ」
女の子が入ってきた。
「あ、こんにちは。」
あたしは、その子に言った。
「こんにちは。」
「2年生?」
「うん!2年生?」
「うん!あたし竹内カンナっていうの。
よろしくね!」
「こちらこそよろしく!
うちは、原まみっていうよ。
まみって呼んでね。」
まみは、背が高くて
少し色黒の女の子だった。
「どこから来た?」
「うち兵庫!」
まみは、兵庫から来たんだ・・・
「あたしは、市内なんだぁ。」
「へぇ〜!」
変な間があいた。
「ガラガラッ」
男の子が入ってきた。
「あ、こんにちは。」
まみが言う。
「こんにちは。」
男の子が答える。
「2年生?」
これはあたしだ。
「うん。あんたらも2年?」
「まぁね。よろしく!」
まみは苦笑いで答えた。
「名前なんていうの?」
あたしは尋ねた。
「俺は、立花ゆうっつーから。
まぁ、立花でもゆうでもなんとでも
呼んで。」
「うん。」
ゆうは、わりと美少年だ。
パッチリ二重で顔が小さく、鼻が高い。
「どこから来たの?」
「俺?俺は東京。」
「へぇ〜。なんかそんな感じだね。」
まみが笑いながらいう。
「あんたらのことなんて呼べばいい?」
「うちはまみでいいよ!」
「んじゃ、あたしもカンナでいいよ!」
「まみとカンナね!
ま、仲良くしようや。」
それからしばらく騒いで、打ち解けたころ
メガネをかけた背の低い男の先生が入ってきた。
「こんにちは。
えっと、今からクラスを発表します。
3人とも6組です。」
「は?」
あたしたちは同時に
つぶやいた。
「本当ですか?」
「はい。では、あと20分ほどしたら
教室に上がってください。」
「なんかおかしくね?」
ゆうがいった。
「普通みんな同じクラスとかありえないよね。」
まみが言った。
「なんか怪しいぜ。」
ゆうは不安そうな顔をした。
「ま、ラッキーだったって
思えばいいじゃん☆」
あたしが言うと
2人ともそうだねと
うなずいた。
「友達できるかなぁ・・・」
あたしがつぶやくと
ゆうが
「俺らはもう友達じゃん?
友達できなかったら3人で一緒にいようぜ!」
と明るい笑顔で励ましてくれた。
「よし、入るよ!」
まみが力強く教室のドアをあけた。