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放課後の部室

前話から間が開いてしまいましたが投稿です。

本日の授業も終わり放課後になった


わたしはいつも通り部室に行くことにした


「…どうも」


「あら、いらっしゃい」


いつも通りパソコンをいじっている


わたしは椅子に座り本を取り出そうとした時に


「…そういえば先輩」


「んー、どうしたの」


「あの隅にある棚ってなんなんですか?鍵ついてるみたいですけど」


「ああ、それはね…文芸部代々の部誌よ」


「部誌?」


「文芸部創設以来の文化祭で発表した小説とかね、まあこの部自体が20年くらい経つから20冊くらいね」


「へぇー…なんで鍵がついてるんですか?」


「一応この部の歴史みたいなものだからね、勝手に持ち出し厳禁なのよ」


「…見てみたいんですけど、鍵貸してもらえませんか」


「別にいいけど…はい、鍵」


そう言って鍵を投げてよこした


わたしはそれを捕ると


「…危ないんで投げないでください」


「今度からは善処するわ」


悪びれもせずにそんなことを言った


そんなことは置いといてわたしは早速鍵を開けてみた


開いてみると


「…ッ!ケホッケホッ」


酷い埃だ


「先輩…この棚どのくらい掃除してないんですか」


「んー、そうね最後に開けたのが去年の文化祭だったかしらね」


「…たまには埃くらい掃ってくださいよ」


「善処するわ」


まったくこの先輩は


埃はともかくとりあえず去年の部誌を見ることにした


「去年の部誌に先輩の書いたもの載ってますよね?」


「ええ、その時はまだ私にも先輩がいたからね…後輩はいなかったけど」


「そうですか…」


もしもわたしが入部しなかったらこの部はどうなっていたのだろうか


そして来年は…



「それはともかく、私の小説はなるべく読まないこと、恥ずかしいから」


「別にいいじゃないですか小説は読むためにあるんですから」


「とにかく、読まないこと、いいわね」


先輩はよっぽど読まれたくないらしい


「はいはい、善処しますよ」


こう言ってやった


へんな目で睨んでくる先輩は置いといて部誌を読むことにした


まったく、きれいな顔が台無しだ


とりあえず去年のものから順々に読んでいこう


わたしが読み始めると先輩も諦めたのか静かになった


部室はたまに先輩がキーボードをたたく音だけが聞こえてくる


1時間くらい経っただろうか


「さて、そろそろ時間ね」


そう言いながら先輩が席を立った


「じゃあ、今日はもう閉めちゃうから早いとこ片付けちゃって」


「あ、わたしもう少し見て行きたいんで、錠だけ置いてってください、帰るときに閉めていきますよ」


「そう?じゃあよろしくね」


それだけ言って先輩は帰って行った


それから30分くらい経っただろうか


外も暗くなってきたので帰り支度を始めていると完全下校を告げる放送が流れてきた


部誌を棚に戻していると


「おっと」


部誌を一冊落としてしまった


それを拾おうとして開かれているページに目が行った


―――木一学園の七不思議について―――


「これは…」


昼休みの教室でクラスメイトが話していた内容を思い出す


わたしはその部誌を持って椅子に座った


発行年を見てみると16年前だ


内容を要約するとこんなことが書いてあった


・この学園で噂になっている七不思議の出所はよくわかっていない


・自殺した生徒の恨みがもとになって引き起こされている


そして最後には


・七不思議をすべて体験すると願いが叶う


「…」


馬鹿馬鹿しい、何の根拠があってこんなことを書いたのだろうか


その時にふと気づいた


「あれ…これは?」


本の表紙と目次の間の何も書いてないページが表紙側にはあって裏表紙側にはないのだ


「もしかして…」


ためしに裏表紙に張りつけてあるページを剥がしてみた


「これは…」


剥がしてみるとそこからA4の紙を二枚に折ったものが出てきた


その紙を開いてみると


 ―――木一学園七不思議について―――


この七不思議を独自に調べてみたところこの噂が発生してから学園内で色々とおかしなことが起こっているらしい

実際に残業をしていた教師や部活などで遅くなってしまった生徒に話を聞いてみたところ『職員室の電気が勝手に消えた』や『部室の中から笑い声が聞こえた』などだ

あの自殺をした生徒と関係があるのかは不明だ

私にはそういった物は【視え】ないが関係した知識はあるのでもう少し調べてみたいと思う


先ほど書いた七不思議についてだが、わかった不思議だけ書くことにする


・【引きずりこむ鏡】


・【未来を書くノート】


・【終わらない階段】


・【死を招く放送】


・【図書館の人影】


・【過去を見せる筆】


様々な人に聞いてみたがこの6つが伝わっており7つめが不明だった

そのことについて尋ねてみると6つすべてを体験するとわかるなど確認がしようのないものだった


先ほど書いたように私には【視え】ないので諦めるしかない

しかしこの噂の出所が不明なのは気になるところだ

誰に聞いても首をかしげるばかりだ

皆いつの間にか知っていたなど不可解な点が目立つ

まるで何者かが広めようとしているみたいだ

私が調べたのはこれくらいだ

この紙を見つけた人は興味があれば調べればいい

もしも【視え】るのなら最初に書いたように願いが叶うかもしれない



「…」


この手紙をそのまま信じるわけにはいかないが興味深い点もあった


昼に聞いたクラスメートの話とこの文書には共通点が2つある【七不思議】と【自殺した生徒】だ


こんな偶然があり得るのだろうか?


あの女生徒にも確認をしておこう


何故この紙を隠したのかは不明だがそれなりの理由があったのだろう


「まったく…」


わたしは理由はわからないが【視る】ことができる


もしも願いが叶うのなら…


「調べてみるのも…おもしろそうかな」


気が付くともう日が落ちつつあった


感想、意見、その他諸々お待ちしております。

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