好きなもの
好きな時代は幕末。
お気に入りは新選組。
歴史の裏にある、その時代の人達のドラマと熱意。
今日も休み時間にそんな熱い話が始まる。
あの子は普段はおとなしいのに、
その話になると止まらなくなる。
ほんとに好きだね、その話。
語る内容はかなり深い出来事も含み、
私なんかでは聞いていても全然追いつけない。
全く知らない出来事や人物もたくさん出てくる。
歴史のテストに絶望しがちな私を相手に、
基礎知識のごとく戊辰戦争の話を出さないでほしい。
それでも、まあ、聞いてるとなんか楽しい。
プレゼンが上手いし、すごい熱入ってるし。
歴史上の出来事なんてちんぷんかんぷんな私が、
最近は幕末だけ少しわかるようになってきた。部分的に。
ある時。
みんなで地元の図書館に行った時、
入り口脇の特設で新選組がピックアップされていた。
あの子は私たちに「ごめん、先行ってて」と言うと、
食い入るように展示のパネルとか関連書籍を眺め始めた。
おー、相変わらずだなぁ。
でもその時あの子の目を見てドキッとした。
まっすぐな、無邪気な目。
真剣だけど嬉しそうな、
本気で興味や憧れを持ってるような顔。
手に取って眺めているのは、
新選組のどなたかの解説みたいな本。
見ててこっちも楽しくなる。
私も少し気になって、
「その人のどんなとこが好きなの?」
って、改めて聞いてみた。
「え?んーっと、わかんない。
かっこいいところかな!マジ尊い」
…おー、相変わらずだなぁ。




