59話 医療改革と新薬の開発
9才になり少しずつ体も大きくなり始め
少しふっくらとしてきた桜
しかし脳内は前世の27才
しかも戦国で9年もう実質36才なのかもと苦笑する桜だった
診療所には医学に詳しい儒学者が配置されたが、基本桜が方針を決めている
ここからが本番新薬の開発
桜が“今なら出来る”と判断した理由 ―
桜の脳内戦略会議は、ここで一段階深くなる。
「外科も内科も、
いきなり最先端は無理。
でも――
予防と軽症治療なら、十分に勝てる」
桜がまず切り分けた医療カテゴリ
感染症対策(消毒・抗菌)
消化器系(下痢・食あたり)
外傷(切り傷・化膿)
女性・子どもの体調不良
慢性症状(栄養失調・疲労)
この中で
戦国でも再現可能かつ効果が高いものを選ぶ。
新薬①
消毒・抗菌薬(軟膏)
開発薬:
「松脂+油+薬草」の抗菌軟膏
現代医学的根拠
松脂
天然の抗菌・防腐作用
実際に中世ヨーロッパで外科用に使用
植物油(菜種油・胡麻油)
皮膚保護・薬効成分の保持
ヨモギ・ドクダミ
抗菌・抗炎症作用(現代でも漢方に使用)
抗生物質ではないが、感染予防としては十分
戦国的に成立する理由
材料はすべて国内調達
加熱・混合のみで製造可能
外傷治療として受け入れられやすい
新薬②
下痢止め・整腸薬
開発薬
炒り米粉+柿の渋
現代医学的根拠
タンニン
腸粘膜を収斂させ、水分過剰分泌を抑える
米粉
デンプンが腸を保護
現代でも
→ タンニン系止瀉薬は実在
戦国的メリット
飢饉・食中毒対策に直結
子どもや老人に使いやすい
医者がいなくても使える
新薬③
解熱・鎮痛薬(軽度)
開発薬:
柳の皮の煎じ薬
現代医学的根拠
柳の皮 → サリチル酸
これは後の
アスピリンの原型
解熱・鎮痛・抗炎症
注意点(桜の判断)
胃への刺激がある
子どもへの投与量は厳格管理
→ 野乃を責任者に据えた理由
薬は「使い方を間違えると毒」だから。
新薬④
栄養改善薬(滋養強壮)
開発薬:
味噌+乾燥野菜+魚粉
現代医学的根拠
発酵食品 → 腸内環境改善
タンパク質・ミネラル補給
ビタミンB群の供給
薬ではなく
“医療食”という位置付け
医療改革の本質
桜が本当にやったこと
「治す」より先に
「悪くならない仕組み」を作った
改革の柱
常設診療所
記録(症状・薬・経過)
責任者制度
無償 or 低額診療
衛生意識の普及
これは現代で言う
プライマリ・ケア医療。
禁断になりかけた新薬(伏線)
桜の脳内には、
さらに一段危険な知識がある。
鉛・水銀 → ❌ 危険
強アルカリ → ❌ 火傷
濃縮アルコール → 用途限定
桜は結論を出す。
「効果があるだけじゃダメ
再現性と安全性がなければ
医療じゃない」
物語的まとめ
桜は天才ではない
無理なチートはしない
出来ることだけを、確実に積み上げる
その結果、
戦国にしては異常なほど
人が死なない領地が生まれ始める




