表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『戦国姫の脳内戦略会議』  作者: れんれん


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

242/243

222話 桜の脳内戦略会議 ― 西国統一の道

里見領の城。

広間には西国の地図が広げられていた。

畳の上に座るのは

織田信長と

豊臣秀吉。

二人は西国の情勢について話している。

毛利。

本願寺。

島津。

西に残る大きな勢力。

その話を聞きながら、

里見桜は静かに座っていた。

表情は穏やか。

しかし頭の中では、別の思考が動いている。

桜の心の声。

(西国を力で押し潰すことは出来る)

(でも、それでは民が苦しむ)

桜の頭の中に西国の地図が浮かぶ。

まず浮かんだのは毛利。

瀬戸内海を支配する海の勢力。

(毛利の強みは海)

(つまり物流)

港。

船。

商人。

そこに桜は目を向ける。

(ならば戦ではなく、交易で崩せる)

里見領の港の光景が思い浮かぶ。

南蛮船。

市場。

人の流れ。

(交易が動けば、商人は豊かな方へ流れる)

(毛利の港より、こちらが栄えればいい)

桜は静かに口を開いた。

「信長様」

信長が桜を見る。

「毛利を弱らせる方法があります」

秀吉も興味を示す。

桜は落ち着いた声で言う。

「海戦ではなく、交易です」

信長の目が細くなる。

桜は続けた。

「港を開き、交易を広げれば、商人は必ず豊かな方へ集まります」

「毛利の海を、戦わずに奪うことが出来ます」

秀吉は思わず笑う。

「なるほど」

「海を戦で取るんじゃない」

「商で取るわけですか」

信長は静かに頷いた。

「面白い」

桜の思考は止まらない。

次に本願寺が浮かぶ。

巨大な宗教勢力。

多くの民が支えている。

(正面から攻めれば、民が苦しむ)

(それは避けたい)

桜は考える。

本願寺を支えているもの。

それは信仰だけではない。

兵糧。

物流。

商人。

(補給を押さえれば戦わなくても弱る)

桜は続けて言う。

「本願寺は兵糧です」

信長が興味深そうに見る。

「周囲の物流を押さえれば、戦をしなくても弱ります」

秀吉が頷く。

「補給戦か」

信長は地図を見ながら言った。

「それなら民も守れる」

桜の思考はさらに先へ進む。

最後に浮かんだのは島津。

九州の強者。

戦に強く、勢いがある。

(だが)

(戦う必要はあるのだろうか)

桜は少し考えた。

そして一つの答えに辿り着く。

桜は小さく微笑む。

「島津は」

信長が顔を上げる。

桜は言った。

「信長様が動けば、降ると思います」

一瞬の沈黙。

そして秀吉が吹き出した。

「確かに」

信長は静かに笑った。

「そうかもしれんな」

広間には穏やかな空気が流れる。

信長は地図を見ながら思う。

信長の心の声。

(この姫は)

(戦を減らす方法を考えている)

秀吉も思う。

(戦で勝つより)

(国を動かす戦だ)

桜は静かにお茶を飲む。

心の中ではさらに考えが広がっていた。

(西国がまとまれば)

(戦国は終わる)

そしてその先。

(戦の無い国を作れる)

桜の目は静かに地図を見つめていた。

その思考は、もう戦国の先を見ていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ