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『戦国姫の脳内戦略会議』  作者: れんれん


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124/142

124話 危機感を日々募らせる桜

——南蛮の知が、現実を突きつける——

港から吹く潮風は、どこか冷たかった。

里見の領内は、表向きは穏やかだ。

人は流れ込み、商いは活気づき、技術も芽吹き始めている。

だが――

桜の胸の奥に、ざらつく不安が消えない。

(これだけ動けば、必ず見られる)

(見られれば、欲しがられる)

技術も、人も、土地も。

戦は、始まる前から始まっている。

南蛮人との会談

桜が向き合ったのは、

南蛮船に同行してきた技術者兼商人。

装束も、言葉も違う。

だが「戦を知る者の目」をしていた。

桜は単刀直入に聞く。

「防ぐために、最も現実的な方法は何ですか」

感情を挟まない。

理想論もいらない。

南蛮人の答え①:城壁ではない

南蛮人は首を横に振った。

「高い壁は、安心を与える」

「だが、戦争では最初に壊される」

万里の長城のような話をすると、彼は苦笑する。

「壁は“境界”を示すだけ」

「商いを止め、情報を止め、敵を呼ぶ」

桜は、静かに頷いた。

(やっぱり、囲えばいいわけじゃない)

答え②:火力の“見せ方”

次に、彼は大砲の話をした。

「大砲は、撃つための武器ではない」

桜が眉を上げる。

「撃てると、示すための武器だ」

港に向けられた数門の大砲。

それだけで、船は距離を測り直す。

「港に入る前に、敵は計算する」

「この国を襲う価値があるかどうかを」

答え③:鉄砲の扱い方

鉄砲について、南蛮人は慎重だった。

「鉄砲は、誰でも使える」

「だからこそ、秩序が崩れる」

大量に持てば、内乱の火種になる。

持たなければ、外に弱くなる。

「数は少なく」

「だが、訓練された者だけに」

桜は、その言葉を強く心に刻む。

(武器は、力じゃない)

(統制そのものだ)

答え④:最も重要な防衛策

南蛮人は、最後にこう言った。

「最強の防衛は――」

少し間を置いて。

「攻める理由を与えないこと」

「商いがあり」

「情報が流れ」

「民が逃げ込む国は、壊すと損をする」

桜の内面

会談が終わったあと、桜は港を見下ろした。

船。

人。

積み下ろされる荷。

(里見は、もう“ただの一国”じゃない)

(なら、防ぎ方も変えないといけない)

剣を増やす前に、

理由を消す。

囲う前に、

価値を示す

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