表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『戦国姫の脳内戦略会議』  作者: れんれん


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

113/142

閑話 桜が百地・慈光尼に戦略を相談す

桜の提示(整理された戦略)

桜はまず、感情を抑え、事実と前提から語る。

技術・物資・人材は揃い始めている

流民は増えているが、今のところ不穏な兆しはない

常備兵はいるが、戦になれば被害は避けられない

防衛を固めすぎれば商が止まり、富が循環しなくなる

そして核心を口にする。

「里見は“強いから人が来る”のではなく、

“生きられるから人が来る”場所になりつつあります」

そのうえで問いを投げる。

「この状態を、どう“守る”べきでしょうか」

百地の評価(忍びの現実主義)

百地は一拍置き、肯定から入らない。

「悪くはない。

だが“守る”という言葉が、まだ甘い」

百地の指摘①:敵は外にいない

「戦は、外から始まるとは限らぬ。

人が集まれば、裏切りも集まる」

流民の中に他国の目が混じる可能性

商人を通じた情報流出

「里見は居心地がいい」という噂自体が、脅威になる

「囲わずとも、見えぬ網は張れる」

百地の提案:

領内に「顔の見える単位」を作る(村・町・職能集団)

まとめ役を立て、異変は自然に上へ上がる仕組み

忍びは前に出ない。制度の影に忍ぶ

「武器より先に、耳を増やせ」

百地は桜を見て、こう締める。

「戦わずして勝つには、

“戦が起きそうだ”と相手に思わせぬことだ」

慈光尼の評価(宗教者・思想家として)

慈光尼は百地とは逆に、桜の思想そのものを見る。

「そなたは“土地”を、守るものとしてではなく

“預かりもの”として考えておるな」

桜が黙って頷く。

慈光尼の指摘②:土地観の転換は刃にもなる

「鎌倉以来の“一所懸命”は、

土地=命、血脈=権利という考え」

「そなたの考えは

土地=生かす場、治める者は管理者

……これは新しすぎる」

武家にとっては「脅威」

領民にとっては「希望」

中小領主にとっては「救い」でもある

「だからこそ、

頭を下げに来る者が現れる」

慈光尼の助言:

「その時、

“情”で受け入れてはならぬ」

領民を守れなかった事実

頭を下げる覚悟の重さ

その領主が“変わる意思”を持つか

「慈悲は、秩序の上にのみ成り立つ」

桜の再構築(戦略の深化)

二人の言葉を受け、桜は結論を出す。

「囲わない。

だが、流れを作る」

人が集まる“理由”を制度化する

情報は開きすぎず、閉じすぎず

頭を下げてくる領主は

個人ではなく“領民ごと”を見て判断

「里見は“奪わない”。

だが、“守れない者”をそのままにも、しない」

百地が小さく笑う。

「……面倒な国になるな」

慈光尼は静かに合掌する。

「だが、長く続く国だ」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ