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『戦国姫の脳内戦略会議』  作者: れんれん


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93話 最初に売れた一色 ――京が選んだ硝子

最初に反応したのは、

商人でも武家でもなかった。

公家の女房衆だった。

京からの文

近衛邸を通じて届いた一通の控えめな文。

「淡き色の硝子の器、

光を含み、影を落とさぬもの。

それを一つ、試しに所望したい」

色の指定はない。

だが、香織は迷わなかった。

香織の選択

彼女が差し出したのは――

ごく淡い薄桃色の小瓶。

無色ではない。

挿絵(By みてみん)

しかし主張もしない。

光を通すと、

ほんのりと温かみだけが残る色。

「……これです」

南蛮技術者が首を傾げる。

「なぜ無色ではない?」

香織は小さく答えた。

「無色は“道具”に見えます。

でもこれは“自分の物”に見えるから」

京での反応

数日後。

女房衆の間で、その硝子は

人目につかぬ速さで広まった。

化粧油を入れても色が変わらない

朝の光が柔らかい

手に取った時、冷たすぎない印象

そして何より――

「これ、

どこで手に入れたの?」

という問いが、

必ず添えられた。

値段が決まる瞬間

商人が里見に戻り、

恐る恐る言った。

「……値を、

向こうから聞かれました」

桜は一瞬だけ目を閉じる。

(来た)

「相手はいくらを?」

「器一つで――

銀三枚でも構わぬと」

場が静まり返る。

ただの小瓶。

食器でも武具でもない。

だが桜は首を振った。

「銀二枚で」

商人が驚く。

「下げるのですか?」

「違う。

“続ける値段”にする」

香織の理解

香織はその意味を、

誰より早く理解した。

(これは、

“一度きり”じゃない)

(京に

“当たり前”として

置かせるための色)


桜の独白

(武器を売れば敵ができる)

(だが、

生活を売れば

“必要とされる”)

(香織は、

それを色でやった)

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