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漫才王になろうGP過剰考察  作者: いでっち51号
~漫才王になろうGP 2025~
24/24

最終節:1番を獲るまで勝ったと言わないのも偉いが、それで勝てなくても――

挿絵(By みてみん)




 天皇誕生日の2月23日、漫才王になろうGPの最終決戦が開催された。



 漫才で盛り上げるニッポン! というキャッチフレーズにして番組名を冠したテレビ番組がヨウチューブやラジオとも連携した生放送で放送。漫才王になろうGP最終決戦はその締めをくくる大トリになる。



 番組では歴代漫才王GPのチャンピオンによる漫才。また歴代王者や好成績を残してGPを後にしたOBたちと現役漫王戦士によるコラボコーナー等を番組が終わる22時まで18時からぶっ通しで放送。



 少しだけ伊達賢治が登場する場面もあった。



 おかきもちとシン・スクールカーストの4人が彼に30分だけインタビューをするというコーナー。伊達賢治が来ることを彼らは知らされてなかった。そんななかで彼が登場。この1年、ほとんどヨウチューブ含むメディアへの露出がなくSNSですら滅多に更新しない男の登場に一人だけ除いて全員があたふたする。そう、一人だけ除いて。



挿絵(By みてみん)



――最近、めっきり姿をみせなくなったのはどうして?



「大人の事情。表には見えない仕事を色々しているのよ」



――闇バイトの取締とか?



「それはしていない。吉原の方に訊いてもらえる? アッチの方が怪しいだろ?」



――倉木理亜奈さんとお付き合いしているのかしら?



「想像に任せる。一緒のベッドで寝たのは事実だ」



 堂々とインタビューを敢行できているのはシンスクの花子だけだった。しかも結構どうでもいい内容だらけ。



 最後のほうでおかきもちのおかっぱ頭君が価値のある事を聞いてくれた。



――漫才王になろうGPをこれからどうしたいと思っておられますか? GPで大儲けしたい人って世間からみられていますけど? あと、審査員の事とか優勝したユニットには漫才王とちがって「なろうGP」にはこういうことがあるぜ! みたいな事とかあれば!



「君、イイこと聞くね。どうしたいかだね? はこれからGPで色々やりながら考えていくつもり。優勝して夢がみられる賞レースって漫才王が1番だと思うし。問題はどういう夢がみられるか? その為に主催者の俺だけでなくて関わる(みんな)、とりわけ優勝した奴らが優勝してからも漫才やお笑いでうんと稼げるような夢をみさせてあげないといけない話で。だから『大儲けしたい奴』ってみてくれるのって間違いではないね。むしろ正解だよ。みんなで大笑いしてみんなで稼げる。そういう業界をつくっていくつもり。だから連覇の挑戦はさせないし審査員もあまり固定させないように考えてはいる。もふもふ王国には審査員か司会か裏方プロデューサーのどれかで案件をやってみない? と振ったけど『審査員資格』のプロジェクトを話すと、じゃあ審査員やってみたい! と即答だった。こういう事を考えて……あ、もう30分が過ぎた。おかっぱ君、がんばれ。勝つことが全てじゃないけどさ、勝ちたいなら1番を獲るまで勝ったって言うなよ~」



 ウィスキー片手に熱く語る彼はヘリコプターのなかへと消えた。



 なんとまぁ可笑しくも格好をつける男。



 彼の一挙手一投足が良くも悪くも世界を動かしているかのように感じられた。



 彼はこうして自分なりのやり方で松薔薇太志を超えようと考えているのだろう。



 1番を獲るまでは「勝った」とは言わないと言ったのだから。



 ん?



 そこで私は思いだすものがあった。



 そういえば今年の漫才王になろうGPのインタビューでそんなことを言った奴が優勝をしたな……と。



「今まで負けてばかりやったからね。今回ばかりは勝ちたいっす」



――今まで漫才の大会で好成績を残してきたと伺っていますが?



「1番になるまでは勝ったって言わんようにしています」



 ああ、こういうマインドがなくては「勝つ」なんて安易にできないよな。




 もふもふ王国・二宮:右往左往

 もふもふ王国・神埼:喫煙所

 西瓜亭羊:右往左往

 河井一美:喫煙所

 田口エンタメ野郎:喫煙所



 あまりにも痺れる最終決戦の結果発表だった。



 その瞬間にニタッと笑うタグエンの顏が忘れられない。



 あれは令和ロマンスの優勝が決まった時の松薔薇太志の顏の再現だった。



 優勝は喫煙所。優勝した2人は2人して爽やかにピースをしてみせた。



 右往左往はスマホの広告をネタにした「ポイ活」の漫才。対する喫煙所は武闘チックなツカミから「選択の生乾き臭」というシュールなネタをドンドンと展開する漫才。



 ジグザグに交互のコンビ名がパネル表示されていくドキドキ。



 そしてタグエンのパネルがひっくり返った時に生じたすごい大爆発。



 漫才王になろうGPは1番面白い奴を決める大会に相応しい大会だ。



 その時に何の疑いもなくそう感じられた――




 そして本題に戻ろう。この「漫才王になろうGP」が松薔薇や島村のいたときの「漫才王GP」とは違うものかそうでないのかについて。



 厳密には「続いているもの」の認識でいいと思う。



 ただこの主である伊達賢治はそのマネジメントを買って出ている。それも自身含めて結果を残したものが大儲けできるものとして広げようと企みながら。



 でも、その根底にあるのは凝り固まった醜い自尊心ではなく先人への感謝また尊敬ではないだろうか?



 彼は勝ちたいなら1番にならないと意味がないと言っていたが、そのすぐ直前でこうも言っていた。「勝つことが全てじゃないけどさ」と。



 松薔薇がかつてXで呟いて数多のお笑いファンを震わした言葉がある。



『確かにお笑い賞レースの審査員って大役。でも、おれはクールに考えてもいる。だって優勝しなくてもオモロイ奴には必ず陽があたる。それがお笑い』



 私は漫才師としての活動をこないだ終えたばかりだが、お笑いファンではあり続けようと想っている。陽があたらなくても元気をもらう事があるから。



 それもお笑い。



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