PROLOGUE:良くも悪くも話題づくりの上手いお笑い賞レース
2026年2月23日。天皇誕生日に世間はお笑いニュースで湧いた。
リニューアルした漫才王GPこと「漫才王になろうGP」で、喫煙所が優勝。昨年の覇者もふもふ王国がトップバッターで最高得点をたたき出して最終決戦に進出した模様さながらに首位を維持し続けた右往左往をくだして優勝を果たす。
誰もが右往左往の優勝を予測した。でも、そうはならなかった。
クリスタルエデンが主催する漫才王になってさらに話題性が増した気がする。それは良くも悪くもという意味になるのだろうが……。
画期的なのは「漫才王審査資格」という資格を会社で立ち上げた事だ。
これはもふもふ王国が優勝して間もない時に世間をざわつかせるニュースにもなった。あまりにも前代未聞な話だからだ。この資格を取得することで予選また場合によっては決勝の審査員になれる! という名目を得られると謳った。資格と言っても、試験内容はお笑いや漫才の基本的なことを尋ねるマークシート式のものであり、その気になれば誰でも取れる品物だ。
お笑いファンであり何ならプレイヤーでもあった私は当然興味を持った。
でも、受けなかった。よく考えれば、よく考えるほど馬鹿馬鹿しい話だからだ。
この資格をとり「漫才王になろうGP審査員会」のエントリーフォームに応募する事で準決勝までの審査員を務めることができるというのだ。要するに準決勝までの審査をお笑い好きの一般人に任せるという発想。あ、いや、有名人などもこぞってこのアクションに参加していたから一般人とは限らないのか。
何にしてもきな臭いと思って仕方なかった。
やはりというか、この資格興行でクリスタルエデンは億単位の収益を得たとのこと。資格取得者はGPに挑戦できなくなる仕様なのはまぁ~評価できるかなぁと思いつつも、あからさまな興行の思惑が透けてみえたので。
ただ、もふもふ王国がその大使を務めて1つのトレンドを作っていたのは至極興味深いものだったと言える。それが伏線となり、もふもふ王国の2人が決勝の審査員となったのだから。
私もこの流れに乗るべきだったか?
いや、乗らなくても良かったのか?
毎年春に開催するようなので、そのたびに私は悩んでしまう事になりそうだ。
さて。そういう新たなシステム導入から「漫才王になろうGP」は「漫才王になろうGP」という賞レース文化を広げていったように思う。どういう風の吹きまわしなのか、伊達賢治と犬猿の仲にあると言われ続けている田口エンタメ野郎もこのムーブに乗っていた。そして当然のように決勝の審査員席に座ることに。ただし、この資格試験を受けてないと思われる西瓜亭羊や映画監督の河合一美も座っているのだから何とも言えない気になるが。それでも決勝が開催される12月を迎えるずっと前から「漫才王」というトレンドを世に広めようとクリスタルエデンは動きまわっていた。
やがて迎える12月、その最初の日曜日に第2回目になる漫才王になろうGP決勝が開催されて放送された。
決勝には昨年度の大会で人気を得た喫煙所や右往左往、前回大会に出場する事はなかったものの通算4度目の出場になるシロート♡クロートや安岐と浪速など錚々たる面子が集う。これが一般のお笑いファンの選ぶ面子かと感心したもので。
レースの進展もドキドキするような展開で進んでゆく。
なんと「話題作り」のうまい番組なのだろうか。
なんと「話題作り」のうまい文化なのだろうか。
その模様をテレビに映る喫煙所と一緒に煙草を吸う近藤勇美を眺めながら綴る――




