王都出発 その26 防具の納品完了(防具イメージ画像付)
そんな効果の付いた鎧であれば、それが皮鎧であったとしてもかなり価値が高くなるだろう。人は欲には勝てないものである。いくらサラの知り合いの防具職人といっても、人には変わりない。完全に信用はできない。だからこそ、露店で衣服を選ぶときには、出来る限りガリンが貴族の道楽息子に見えるような演技までしたのだ。それなら単に行き遅れの傭兵崩れの女が、馬鹿な貴族を捕まえたぐらいにしか思われない。
また、念のため傭兵団の名前も、実質を伴わない煌びやかなものを選んだ。これは、経験はないが金にものを言わせて手練れを囲っている傭兵団と見せかけるためだ。
実際に、ベテランのサラがいて、歴戦の戦士とも見えるストレバウスがいる。
また、ジレもなかなかの手練れであり、年齢的にもベテランに見えるだろう。
ガリンは、常に射杖を持ってもらえば、金持ちが威力の高い杖を装備しているように見えるだろう。
まあ、ルルテだけはあれだ。どうしようもない。
レイレイは、実際に戦えばかなりの戦力だろうが、いかんせん身体が小さい。やはり見た目は戦力外であろう。だからこそ、全身皮鎧で包んだ。世の中には、小さい獣人もいる。斥候として傭兵に登録している獣人も多い。鼻や耳が良い獣人が多いからだ。よくよく見なければ、そう誤解をしてもらえるかもしれない。
サラは、こうやって、あらかじめ一団が盗賊から狙われるような要素はできるだけ減らす方向性で計画を練っているのだ。
ガリンには多少説明をしているが、どこまでガリンが理解しているのかは、サラには分からなかった。
この時のサラの、
『各々の鎧にも、自分が指定した文様を施した元力石を埋め込んでくれ』
という要望もすぐに了承をしてくれている。
これで、十分だった。
後は、この防具の脱着の練習と、整備の仕方の習得。それと、防具を着けた立ち振る舞いの訓練だ。
出発までにすべてを教えることは、時間的に無理だった。
サラは、防具の脱着と整備を、まずは優先することにした。
脱着ができなければ、万が一の時に困るし、また防具は、正しく整備をすることで防具としての信頼性を保持できるし、また長く使うことができる。旅の途中で、多少は修理などで防具職人に見せることはあるだろうが、完全に新調するのは難しい。だからこそ、2年は使いたいのだ。
ただ、予想ができないのが、ルルテとレイレイだ。
まだ身体が成長期で、大きくなる可能性が高い。
ルルテは、おそらく軽微な修繕で賄える可能性が高いが、レイレイは、サラに会ってからあっという間に2、3才分は身体が成長している。なんといっても、半分は竜なのだ。
ただ、これもここで考えても答えはでない。まずは、現状の鎧で事を進めるしかないのだ。
武器に関しては、予定通り、ルルテとジレが短剣、レイレイがショートソード、ストレバウスがロングソード、ガリンが射杖とした。サラは、臨機応変とした。
今回サラは、投筒という形態の武器を、まったく用意をすることを告げていなかった。これは、投筒の場合、どうしても弾丸を補充しなければならず、今回の旅には不向きであると判断したからだ。
一時的な自衛の武器としては優秀だが、弾がなくなると途端に意味がなくなる。
あくまでも補給線がしっかりと確保できている軍隊での武器なのだ。
また、軍隊で利用する場合は、その形状も小さいものではなく、大きな戦略的な兵器として使用することが多かった。
決まると、サラは、再びガリンに声を掛けて、防具の脱着や整備の仕方を、防具が納品されたら教えることを決めるのだった。
それから、5日間経つ頃には、全員の防具が身体に合う形で納品された。
いよいよ、防具全般、それから防具を装備した上での訓練の開始である。
-----おまけ
納品された防具のイメージ画像
話の区切りの都合上ちょっと短くなりました。
代わりに、全員の防具のイメージの画像をつけておきます。




