表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
マレーン・サーガ 祝1.8万PV達成  作者: いのそらん
第15章 王都出発
188/252

王都出発 その17 傭兵団登録と登記所


 後からレンが教えてくれたのだが、どうやらガリンが提出した映像を記録した記録石の中で、ガリンがサラがラミアの姿になった時に、その形容を、


「美しい」


 と褒めたたえたことが、サラを口説いていたことになっていることが分かった。

 レンによると、サラはそのガリンの言葉を非常に嬉しく感じており、ガリンに好意を持っているということであったのだ。

 ガリンは、それに対して、


「実際に、蛇の機能的な身体機能が人間としてのサラと融合し、能力として文様術を介さない特殊能力を発動し得るその姿は、実際に美しかったのです。」


 と、それをレンに説明するのだった。


「女性としての美しさを感じなかったのか?」


 というレンの質問にも、


「女性としての半身は均整の取れたプロポーションで、筋力バランスも良く、また健康的であり、美しかったですよ。」


 と素直に認めていた。

 どちらにしても、愛欲や性欲からはかけ離れた感性である。それを聞いたレンは、これからのルルテの苦労を思い浮かべながら、ため息をつくのだった。


 この話は王にも共有され、少なからず王の嫌疑は晴れることになった。しかし今度は、ルルテが女性とみられているのかについてが議論となってしまったのだ。

 これ以降、王はガリンと会うたびに、ガリンとルルテの恋愛関係の進展を気にするようになってしまい、ガリンの悩み事の1つとなったのだ。


 ガリンは、ルルテを嫌いではなかった。

 純粋に恋愛対象として見ているわけではなかったが、ちゃんと女性としても意識をしていた。

 少なくとも、セルやジレに抱いている感情とはまったく違う感情を持ってルルテに接しているのだ。


 そして、将来の伴侶という言葉もしっかりと意識をしていた。

 だから、ガリンがどう変わったかと言われると、少なくとも外から見た様子では分かりにくい。ただ、当のルルテ自身は手ごたえを感じているようであったのだから、ある意味で問題はないのだろう。

 王妃がガリンとルルテの恋愛事情に一切関わる姿勢を見せていないのは、ルルテの報告にある手ごたえを、同じ女性として信じていたからであった。

 ただ、男であり父である王には、残念ながら伝わらなかったのだ。


------*------*------*------


 王たちから旅程の許可をもらった2日後、ガリンはサラと登記所を訪れていた。


 登記所とは、戸籍などを管理する行政機関の1つである。

 この世界では、肩に埋め込まれた生力石で戸籍などの個人情報を管理している。

 それは身分や役職だけではなく、今までの学歴や犯罪歴なども管理されていた。それに加えて、傭兵団など個人が所属する団体や組織も管理されているのだ。生力石は、もちろん生物としての生体調整を施すための情報も管理しているが、その一方、身分証のような役目も持っているのだ。


 特に傭兵団は荒事専門の団体である。

 要人警護の護衛から、辺境の探索、人の生活を脅かすモンスターの討伐などを生業としている。戦時中には戦力の一部として参戦することも可能だ。そのため、王国を初め、マレーン文明全体でしっかりと管理されていた。傭兵団の情報は、各文化圏でもその実績や戦力などが共有されていた。特にランク付けがされているわけではなかったが、信用ある傭兵団はその分多くの仕事が回って来たし、報酬も高かった。


 そして、傭兵団の新規登録、解体などは、この登記所で行うことができた。

 ガリンとサラは、2人で学院の傍にある登記所を訪れていたのだ。


 第1城郭市街の中にも、もちろん登記所はある。

 しかし、傭兵団の登録をした登記所の場所も生力石に情報として残ってしまうのだ。

 ルルテたちは、自分たちの身分を隠して旅をすることになる。そのため、登記所も第1城郭市街ではなく、第2城郭市街のものを利用した方が良いだろうとサラに勧められたのだ。

 例の旅程のことがあって以来、ガリンはこのような一般常識に関するサラの知見を疑ってはおらず、旅に関する様々な件については何かとサラに相談をしていたのだった。

 サラに渡したガリン特製の意伝石は、長距離になるとかなりの意思力を消費する。ただし、ガリンがその意思力を受け持つのであれば、普段外郭市街にいるサラとであっても、比較的長時間話をすることができたのだ。


 最初のうちは、ルルテも混ぜて旅の予定や持って行く物品についての話に参加していた。ただ、ルルテがいるとどうしても話が脇道にそれてしまい、なかなか進まなかった。それもあり、最近になってからはガリンとサラの2人で打合せをすることが増えていた。


 登記所の中は静かで、事務的な空気が漂っていた。その中で、ガリンとサラの会話だけが、わずかに柔らかさを帯びていた。


 ルルテは、サラと2人で話をするガリンに対してかなり怒っていたが、


『ルルテとは、こうやって直接話したいのです。サラは、意伝石で要件を済ましてるだけです。』


 というガリンの言葉を聞いて、怒りを収めたのだった。

 もちろん、女官達からの入れ知恵である。


 実際に、ガリンには思うところなどなく、もうすぐ目の前まで来ている『巡察の旅に出る』という準備に対処しているに過ぎなかった。


 一方、サラはそうではなかった。



誤字脱字、語尾の修正。2026.4.6

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ