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「ずっとここにいればいい。俺のそばにいろ、ローサ」
トクトクと動く心臓は次第に速さを増していき、バックンバックンと暴れ出しそうになる。
「お、お、お、お、お師匠様っ」
「なんだよ、嫌なのか?」
「いいの?」
「いいから言っている。何度も言わせるな」
ふんとそっぽを向くお師匠様の耳はほのかに赤いような……。
嬉しくなった私は勢いのまま抱きつく。
「お師匠様、好きっ」
「ローサ」
なんだか困った声を出すお師匠様だけど、今回は手を剥がされることもなく私はますます胸が高鳴る。
「今夜も夜這いに行くね」
「……バカか。熱が下がってからにしろ。うつるだろうが」
「えへへ」
この幸せが夢じゃありませんように。
私は何度も何度もお師匠様の温もりを確かめるように、その胸に頬ずりをした。
【END】