生きている幸せ
「パパ~! これ買って~!」
「空生。この前も人形買っただろ? 我慢」
「まあまあ、歩くん。そのくらいいいんだよ~!」
「未来! お前は甘すぎなんだよ」
「うえ~ん……! パパなんて嫌いっ!」
「ッ……!」
空生に拗ねられた俺に、未来はニヤッと笑みを浮かべる。……おい、いい加減キレるぞ。
――高校を卒業してから10年。俺達はあの時の約束通り、家族になった。今年5歳になる娘にも恵まれ、毎日……幸せだ。
「ねえねえ!今日、こーえん行きたい!」
すぐに機嫌を直す空生に、出逢った頃の未来が重なる。
「じゃあ、お昼ご飯食べてから皆で行こっか! 歩くん、いい?」
「ああ」
空生のお気に入りの公園に着くと、空生は勢い良く走り出す。
「あ! ちょっと空生ちゃん、危ないから待って~!」
追いかける未来は、「いてっ」とずっこける。昔から変わらないそのどんくささについクスっと笑うと、未来は恥ずかしそうに頬を膨らませた。
「空生ちゃん、待ってってば~!」
未来はめげずに空生の元に駆け寄る。2人してブランコで遊ぶ姿を見つめて、俺は思う。
これからも、俺達家族みんなで――未来を歩んでいきたいと。
「パパぁ、おはよ~!」
「! 空生、おはよう」
いつも通りの朝。心地良い日差しに照らされた空生は、相変わらず可愛い。……って、親バカか?
「パパ、寝てる時すっごい幸せそうなお顔してたよ!」
「え? そうか?」
「うんうん! 何の夢見てたの?」
「……」
「? パパ?」
「空生にはまだ早いな」
「え? 何それぇ。教えてよ~!」
「はは。また今度な」
――瞳を閉じれば、今でも鮮明に聞こえてくる、あいつの声。
“私と結婚してください!”
ひょ~! 勘違いプロポーズから始まった2人の恋愛物語、どうでしたか?
かなりの不定期投稿にも関わらず、この作品に目を通して下さった方、感想など下さった方、最後までお付き合い下さった方、応援して下さった全ての方に感謝です。本当に、本当にありがとうございます!!
と、前回の活動報告でも漏らしたのですが、後書きも心を込めて書きますので、かなりの長文になると思います。それでも読んで下さる方に、この気持ちが届きますように。
この物語は、元々“生きる”ことをテーマにして書き始めた作品です。ジャンルとしては恋愛なのですが、命について、私なりに丁寧に扱ってきたつもりです。
私は過去に一度、自ら命を捨てようとした時がありました。きっかけも理由はちっぽけなのかもしれない。それでも、あの頃の私は本当に死にたかった。それでも、やっぱり怖くて。そして今、こうして小説を書いている私ですが、「あの時死ななくて良かった」。今は胸を張ってこう言えます。
別に、問題が解決したワケでも、これと言った希望が訪れたワケでもありませんでした。ですが、淡々と生きたくなくても生きていく中で、たくさんの出逢いと別れをした。そして、こうして小説と出会い、小説好きの皆さんとも繋がることができ、夢も見つかってきました。
これから何度挫折があるか分からない。また病んでしまうかもしれないという不安もある。
それでも、私は生きていきたい。生きていきます。
死にたい時って、誰の言葉も響かない。ただ、楽になりたい。それでも、もしも今、消えたいと思っている方がいたら、伝えさせて下さい。
死にたいと思っている方へ
もう、疲れちゃったよね。こんな汚い世界で生きていくの。…いつも頑張ってくれてありがとう。いつも踏ん張ってくれてありがとう。ここまで生きてくれてありがとう。綺麗言に聞こえるかもしれないし、わたしの言葉なんてなんの役にも立たないかもしれないし、残酷かもしれない。でもおねがい、どうか死なないで。
ここまで読んでくれて本当にありがとう。みんなが幸せになれますように。
元・自殺志願者より
これは、私が好きな歌い手さんのコメント欄に書かせて頂いたものです(ユーザー名は異なります)。どうか、この想いが届くと信じて。
わーわー! しんみりしちゃってすみません!(´;ω;`)
最後に、ここまで読んで下さって本当にありがとうございました!!!
皆さんとの時間、本当に本当に幸せです。
これからもちまちま執筆していきますので、どうぞよろしくお願いします~!!!