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面倒臭い

「ねえ、長谷部くんに声掛けた……?」



「掛けてねえよ。だって怖いじゃん」



「え~! でも、クラス会って全員参加でしょ? 流石に声かけないのはちょっと……」



「じゃあお前が声掛けろよ」



休み時間、ヒソヒソと止まらない噂話。うるせえな……。こっちには全部聞こえてるんだよ。生まれつきのこの金髪と切れ長の目のせいで、俺は勝手に怖がられている。4月半ば、高校に入学してからというもの、誰も俺に話し掛けてこない。見た目で判断すんじゃねえよ。くだらない……。



俺は勢い良く椅子を引いて立ち上がる。早歩きで廊下に出た後ですら、「やばっ、聞こえてたかな?」「怖っ」とか、本当にうざったい。



行く当てもなく校内をぶらつく。何で、学校なんて来なきゃならねえんだ。



「……?」



その時、廊下の角にある、目立たない階段を見つけた。暗くて、何だか不気味だな……。上がってみるか。別に、授業に遅れたってどうでもいいし。



「屋上……?」



どうやら屋上に繋がっている階段らしい。息が切れるほど足を動かした先には、大きな扉があった。……鍵がかかっていない?ドアノブを回すと――



外……!


温かな風と、雲一つない青空がそこにはあった。あんな狭苦しい教室にいるよりも、ここにいた方がずっと良さそうだな。俺は何もない屋上に足を踏み入れると、フェンスの方まで歩いて行った。俺の腰の高さほどしかない。これじゃ、いつでも飛び降りれそうだな……。



そんなことを考えながら外を眺めていた、その時だった。



「私と結婚してください!」



いきなり、背後から抱き締められる。俺の身体は、フェンスから遠のいた。



――な、何だ……!?



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