昼飯
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「長谷部くん! お昼ご飯一緒に食べましょう!」
!
「俺、教室戻るわ」
「え!? 何でそんなこと言うんですか~!」
俺が屋上を後にしようとすると、天宮は今にも泣きそうな顔をした。
「~」
あー。めんどくせえ。
「仕方ねえな……。一緒に食ってやるよ」
ため息交じりの俺の言葉に、
「ほんとですか!? ありがとう」
へへっと笑う天宮は、心から幸せそうだった。ピョンピョンと跳ねる動作に合わせて、胸元まで伸びた綺麗な髪の毛がふわりと揺れる。
「お前、またメロンパンだけなの?」
「はい! メロンパン美味しいですよ」
「……。それじゃ栄養偏るだろ……。ほら、これ食え」
俺は自分で作ってきた弁当を分けてやる。
「えっ……ほんとにいいんですか!?」
「別に」
「わ~! ありがとうございます!」
大袈裟だな。別に大したことしてねえのに。こいつは何でこんなに素直なんだ。天宮は卵焼きを頬張ると、大きな瞳を輝かせながら言った。
「何これ! すっごい美味しいです!! 長谷部君、お店開けますよ!!」
「はあ、馬鹿じゃねえの」
「ふふ、将来一緒に卵焼き屋さん開きます?」
「あのなあ……何でいっつも将来も一緒の設定なんだよ!?」
天宮の世界で、俺とこいつはいつも隣にいる。
「だって、結婚したいって言ってるじゃないですか」
「またそれか……」
あの日から約3ヶ月、天宮は今でも諦めていないらしい。そう。屋上にいた俺を自殺と間違えたらしい天宮に、「結婚してください!」と叫ばれたあの日から――。