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1・いわゆる普通の高校生
僕は普通の高校生 日暮慧斗
千葉県A市に住んでる本当にただの高校生である。
友達はそこそこ居るし楽しい学生生活を送っている
ちなみに彼女はいない
…とかいうことを頭の中で考えておけば少しは物語の中に入れるだろうか
そんなことを考えながら学校に向かっていた
今更どうしょうもなくこのまま平凡で退屈な生活を送っていくのだろう
頭では分かっているのだ
頭では分かっているのだがあんなことやこんなことが起きて欲しいという気持ちは変えられないらしい
そんなことを考えていると学校に着いた
いつもの下駄箱に靴を入れいつもの階段を上りいつもの廊下を歩きいつもの教室に入る
そしていつもの席に着いた
すると前の席の女子が振り向いた
「おはよ~慧ちゃん…あら?どったの?」
彼女はひぐらし小多奈。小柄な体格に腰まで伸びた髪、運動能力抜群だか勉強はできない
趣味は漫画、アニメ、ラノベ、ゲームそこそこなヲタ。ちなみに僕もです
そこそこ可愛い
「どったのって何が?」
「目にすごいクマが…」
「クマ?」
ああそうか朝まで本を読んでたんだ…2日連続で
「だいじょぶだよこんなん」
「そーかい」
と言うと前を向き本を読み始めた
教科書を机に押し込みホームルームまで時間があるので少し寝ようかなと思い腕に顔を埋め寝る準備に入ると俺を呼ぶ声が聞こえてきた
「けーちゃんおはよぉー」
声の主は谷野千紘、僕の幼馴染だ
特に書くことも見当らないふつーの人だ
胸はある、ただし僕はまな板の方が好きです
「何?」
「けーちゃんうちのシェアハウス来るんでしょ」
そう僕は明日から千紘が住んでるシェアハウスに住むのだ
「そうだけど?」
「楽しみだn」
キーンコーンカーンコーン
「ああ、チャイムなっちやった。またね!」
「おう」
それから数時間がたち下校時刻になった
あれから千紘は話しかけてこなかった
千紘は吹奏楽部なので一緒に帰ることは無い
ちなみに僕は帰宅部なので来る時も帰る時も
1人です…寂しい
そんなこんなで一人寂しく帰宅してるとねこの鳴き声が聞えて来た
ふと道の端を見るとダンボールを発見した
そのダンボールの中には小さな猫が1匹入っていた
捨て猫だろうか…いや確実に捨て猫だろう
「スマンが俺にお前を拾ってやることは出来ない…」
にゃー
だがその猫は潤んだ目で僕を見つめてくる
「辞めろ…そんな目で僕を見ないでくれ…」
にゃー
「うぐぐ…」
「何してんの慧ちゃん…不審者だよ?」
僕に声をかけたのは子多奈だった
「だってこいつが…」
「こいつ?」
目線の先には猫
「可愛い」
「分かる」
「連れて帰っていいかな?」
「いいんじゃない?」
そう言って子多奈は猫を持ち上げ小脇に抱えた
なんで小脇なんだよ抱っこにしろよ
「あ、みんなに聞いとこ…じゃあね」
「お、おう」
俺もあの猫欲しかったな
そのまま家に帰りシェアハウスの鍵を取り早速向かっていた
家から40分程のところにシェアハウスはある
8人用のシェアハウスに4人住んでいるという
女子3人に男子2人
ぼーっと歩いているとこれから住む家のドアの前に着いていた
チャイムを押す
「空いてるよー」
と聞こえたのでドアを開ける
すると猫が出迎えてくれた
「にゃー」
目線を上に上げてみる
「いらっしゃいけーちゃん」
「ようこそすめらぎ荘へ!」
「え?」
そこには2人の女子が
1人は千紘なのだがもう1人が…
「どうしたの慧ちゃん」
「どうしたのってお前…」
そこに居たのはひぐらし子多奈だった
「なんでお前がいんだよ」
「いちゃダメ?」
小動物のようなひとみが僕を見つめてくる
「別にいいけどよ」
とは言ったものの内心かなり焦っている
何故かって?だってほら…なんで焦ってんだ俺
「さあさあ入って入って」
手を引っ張られ部屋の前まで案内される
「着いたよー」
とりあえず中に入り一息ついた
あの後飯を食べて寝ることにした
これからの学校生活が波乱万丈にならないことを祈りながら買いたてのベットに横になり目を閉じた
2はじめての朝
「起… て」
「起きて」
「起きてよけーちゃん」
起こされた気がしたので思いっきり上半身を上げてみる
ごちん
そんな音がした
その後に額に猛烈な痛みが襲ってくる
「痛ってぇ!」
「いたい!」
その痛みからか意識が覚醒する
目を開けて周りを見てみるとそこには千紘がいたのである
「ちょっとけーちゃん?ちゃんと周りを見てから起きようね?」
「はい…」
ふと時計を見るとまだ7時だった
今日は土曜日だったはず
「起きるにしては早すぎねぇか?まだ7時だぞ?」
「何言ってんのけーちゃん 休日だからこそ早起きするんだよ」
と言って二度寝しようとしていた僕から布団を剥ぎ取る
「やめろやめろ。分かったから。起きるから。」
「ホントにぃ?」
こちらをジト目で見てくる
「ほんとほんと。着替えるから少し部屋か、出てて」
「分かった。えへへー一緒に着替えるー?」
「冗談でもやめとけ」
そんなことを言いながら千紘は部屋を出た
さっさと着替えてリビングに出た。そこには千紘と子多奈と見しなる男子がいた
僕よりも先に来ていた人だろう
「やっほー」
「お、おう」
そんな気の抜けた挨拶をしてきた
「おはよう慧ちゃん」
「おはよ」
軽く子多奈と挨拶してからそいつに目を落とす
「えっと、僕は日暮慧斗です」
「うん、俺は仲崎天馬よろしくね…あと俺らタメだから敬語じゃなくておっけー!」
「おう、よろしく!天馬」
「よし 挨拶も済んだし朝ごはんにしよっか」
天馬の見た目は中肉中背で丸メガネ笑顔が爽やかなイケメンである
他愛もない会話をして僕の指定席に座り朝食を待つ
今机を囲んでいるのは天馬と僕だけである
「なぁ慧斗…」
「なんだよ」
「ひぐらしと谷野どっちか狙ってるとかあんの?」
「ファ?何言ってるんだい?二人ともいい友達だよ」
「ならいいんだけど…」
「おはよござます」
そんな気だるけに起きてきたのは渋川 彪介
動物のヒョウに介でひすけって読むらしい
そんな彼は身長がでかいが運動が嫌い、顔はそこそこな青年って感じだ
「あ、初めましてよろしくお願いします」
「よろしくお願いします」
そんな他愛もない会話をしていると朝飯が出てきた
「お ま た せ 」
そんなことを掛け声と共に出てきたのは鮭、ご飯、味噌汁、お新香だった
すごく日本の朝食だった
朝食を済ませたので、彪介や天馬と話していると唐突に彪介が
「久しぶりにTRPGやりてぇ クトゥルフクトゥルフ」
と意味わからないことを言い始めた
「いいねぇ久しぶりに」
と天馬も言い始めた
すると千紘や小多奈もやりたいと言い始めた所で
「あ、けーさん知らないか」
と彪介がきずいてくれた
「大丈夫だよけーちゃん私たちが教えてあげるから」
ありがたい
「じゃあ俺準備するからちーさん方けーさんに教えといてあげて」
どうやら彪介は名前の頭文字にさん付けらしい
「りょーかいしました」
簡単に言うと昔の怪奇小説家のH・Pラヴクラフト氏が書いた小説群でそれが一種の神話形態となり更にそれがTRPGになったというものだった。詳しくは調べてもらいたい。
「じゃあキャラクター作るか」
ここも飛ばさせていただく
ちなみに僕のキャラは冴えない私立探偵になった
それとキャラクターの名前は本名でやる
詳しい情報はその時その時で話していく
KPは彪介
ではスタート
あなた達はある日いつものようにネットサーフィンを楽しんでいた、しかしうっかり関係ないページをクリックしてしまった
次の瞬間あなた達の意識がぶつんと切れた
目を覚ますとそこには鬱蒼とした黒い森が広がっており、古い洋館の前に立っていた…
「まず0or1でSANチェックです」
えっとサイコロ転がすんだよね…98
「「「「あ、」」」」
「はいファンブルSANを3減少させといて」
どうやら僕は大失敗らしい
ほかは千紘以外失敗だった
「はい続けるよー」
KP「じゃあ目星降ってください」
僕と小多奈成功
…千紘ファンブル
KP「じゃあ目星をつけていたら足を滑らせ怪我をしたってとで体力1減少…でけーさんは看板、こーさんは扉にEnterって書いてあるのをを見つけたね」
小「じゃあとりあえず扉開けます」
開くと1面真っ白な壁で某検索サイトのトップページが映し出されている
先には進めない
KP「次看板ね」
看板は古びていて所々見えなくなっています
”コチラの薔薇の館は管理人†瑠璃崎--ス†による個人的--ーーーです。
管理人のお知り合いやは--しの方は廻れ右して御帰りくださいませ。
お-、な方はこの注意書きを隅々まで読んだ上でお入りください。”
「と書かれています」
天「KP隅々まで読んだ?」
KP「読んでないですね…読むならまた目星」
成功は僕だけでしかもクリティカル
KP「うーんクリティカル保留でえっと
隅々までよくみると看板の裏に
「お入りの方は正面の「Enter?」ではなく、右の「楽園への門」からお入りください」
と書かれているのがわかる、屋敷の右手の方をよく見ると木々で見えにくいが地味な木製の扉があるのが発見できますね…皆さん木製の扉の前に行きますか?」
小「はい」
木製の扉には楽園の門と書かれている
中に入ってください
KP「はいみんな幸運振ってー…ありがとうー」
千「えーなんのダイスだよー」
扉を開けると、そこは広間になっている。
真ん中には巨大な鎖の巻かれた十字架が立っているが、謎のカウンターのようなものが埋め込まれており、探索者が足を踏み入れる度にカウンターが回る。
そこで小多奈が入ったところで”キリ番ゲット!おめでとうございます!"と謎の声が聞こえた
そして扉は勝手に閉まり踏み逃げ禁止と扉に浮かび出てきます
KP「えーっとてーさんアイデア振って」
天「りょーかい…成功」
KP「じゃあこれ昔の黒歴史サイトだ…と気ずきます」
天「で?」
KP「終わり」
天「えー」
広間は全体的に豪奢な雰囲気で、薔薇や蝶のモチーフの飾り付けであしらわれている。
広間から通じる部屋はよっつで、全て扉に文字が刻まれています。
†館の主の部屋†
†画廊†
†他愛も無い日々†
†神々へ通じる場所(工事中)†
全ての扉に小さなのぞき窓のようなものが付いている。
慧「目星振ります」
成功
広間の壁紙にひとつ赤い手形の跡がついているのを見つけられる。
壁をよく調べたり手をついてみるとその部分に壁紙と同じ模様でわかりづらいが押戸があることがわかる。
慧「押戸あるんだけどどうする?」
千「後でにしよう。今はそこにある部屋から」
天「じゃあ館の主の部屋に入るか」
入ると部屋の壁中に紙が貼られている。
紙に書かれていることを纏めるとこうなる。
「管理人:✙瑠璃崎マリス✙ 生物学上はメス」
「好物:美しいもの 嫌いなもの:ぴぃまん」
「荒らしは帰れ☆」
その他謎のキャラクターとの会話が繰り広げられた100の質問などが書かれている。
天「うわぁ」
慧「予想はしてたけど…」
KP「とりま目星かアイデアしてー」
天馬 日暮成功
無数の紙が貼られている中で一枚だけ何も書かれていない真っ白な紙を見つけられますね
それだけです
千「どうする?ほかには無いみたいだけど」
小「じゃあ剥がして私持ってる」
天「じゃあ出るか」
小「次どこ行く?」
慧「画廊行こ」
入ると長い廊下が続いている。廊下には額縁に入れられた絵が飾られている
慧「メッボッッシィィィ」
失敗
天「1枚ずつ見ていくか」
絵を見るならザンクロスとカミヤというオリジナルキャラクターがかっこよさげなポーズをとったり眼帯をしていたり鎖に巻かれている絵があることがわかる
進んでいくほど新しい絵のようだが最後の一枚だけ様子が変わり、
「キリ番を踏んでくださったひぐらし 小多奈様のリク♪下手ですいません(汗)」とタイトルが書かれており、その探索者の胸元に深々と巨大なハサミが突き刺さった鮮明な絵が描かれている
KP「全員1or1d3こーさんは+3してねー」
全員成功
KP「全員聞き耳してー」
小多奈成功
直後、絵を見ていた探索者を掠めて巨大な斧が飛んできて床に突き刺さる。
聞き耳に成功していたものは見えないが斧が飛んできた方向(画廊の奥の扉の方向)から何か足音が聞こえたことがわかるだろう、そしてそれがどんどん近づいてこようとする。
KP「逃げる?」
天慧千小「当たり前だよなぁ!?」
KP「どの部屋に逃げる?」
小「とりあえず主の部屋に」
天「えっと覗き窓から外見ます」
外を見ると画廊の扉がひとりでに開きまだ見ていない
他愛もない日々の扉を開き入って行ったのを見た
天「他愛もない日々に入っていった」
小「じゃあさっきの廊下の奥に部屋があったから行ってみよう」
KP「では画廊の奥の部屋に入ると斧や棍棒が散らかっておりその中央にファンタジー系の本やまじないの本があります内容としては」
夢の世界で契約できる守護する怪物について書かれている。
・守護する怪物は何かを守るものであり、完全な不可視化によって侵入者や脅威を排除する。
・特定の光によって、不可視化した化け物を見ることができる。
・怪物は特定の呪具や物と魂が結びついており、それを壊されれば死んでしまう、よって使用者はそのアイテムを厳重に隠すべきである。
KP「って感じ?他に情報はないよ」
慧「じゃあ次は他愛もない日々に行くか」
他愛もない日々に入ると日誌が1つ置いてあります
日誌の表紙には手書きの文字で(薔薇の園庭~lose gargen~)と書かれています
KP「英語かアイデアでダイス振ってー」
天馬ファンブルそれ以外成功
KP「てーさんは混乱して1ターン技能使えないよ」
天「了解」
KP「てーさん以外loseってスペル違くね?っと思った。情報はそれだけ」
神々へ通じる場所
扉の周りに板が打ち付けられていて、扉には「素敵サイト様へのLinkページ、工事中です!」と書かれたプレートがかかっている。
KP「壊す?」
小「壊す」
キック+マーシャルアーツ+ダメージボーナス=6
KP「壊れたよ」
慧「…入るか」
部屋に入ると、そこは真っ黒な部屋で、壊された家具や扉が散乱している。
そしてその部屋の中心で何より目を引くのは、積み上げられた屍体の山だった。
既に肉が剝がれ落ちかけているものもあるだろうか、形すら曖昧なそれらは黒く変色しそこに積み重なっていた
SANチェックです
全員成功
慧小天千「目星します」
KP「どうそ」
天馬、慧斗成功
KP「屍体がペンライトを持っているのがわかるよ」
天「取って最初にとった紙に光を当ててみます」
KP「どうやらブラックライトらしい…紫色の光に包まれた紙に「広間の†ひみつのへや†のpass
当サイト名”〇〇の館”
〇〇に入る単語を英語で、四文字」と浮かんできたよ…情報はこれだけ」
千「秘密の部屋に行こう」
KP「了解」
ひみつのへや
広間の隠し扉から通じる部屋、狭い空間でもうひとつ奥に通じる扉があり、
「ようこそ秘密の花園へ招かれし迷い子……鍵は持ちましたか?」
と壁に描かれている。
もう一つの奥へ通じる扉には簡単なキーボードのようなものが埋め込まれておりますね
慧「ここにパスワードを?」
小「roseっと」
慧「違くねぇか?確かloseってスペル間違えてたような」
KP「扉は開いたね…進む?」
天「ああ」
部屋に入ると、そこは一面真っ赤な薔薇の敷き詰められた部屋で、真ん中にはテーブルがひとつ置かれている。テーブルの盤面には幾何学的な魔法陣のようなものが描かれており、その上には、今ではもうあまり見かけなくなった「ガラケー」と呼ばれるピンク色の古びた携帯が置かれている。
ガラケーには最初、真っ黒な背景に白い文字の携帯サイトが映し出されていたが、貴方達が近づいた瞬間
「見ないで」
という文字が浮かぶ、「見ないで、見ないで、見ないで見ないで見ないで見ないで!」
と、文字の羅列が次々と浮かび上がり、けたたましいアラームの音が携帯から鳴り響いた次の瞬間、貴方達の背後、扉を破って、巨大な化け物が姿を現した。
巨大で、ゴムのように真っ黒な皮膚、ひどく膨らんだ腹にハサミのように鋭く分かれた手を持ったその化け物は咆哮を上げながら、今にも君たちに襲い掛からんとした。
SANチェックです
1/1d6+2
全員成功
KP「小多奈▶天馬▶千紘▶スペクトラル・ハンター▶慧斗の順だね」
「じゃあまず蹴りますダメージ13」
「次ブラックライト当ててみます」
KP「するとスペクトラル・ハンターの動きが鈍くなったね」
「ハンターはハサミを慧斗に向けるよ ハサミ…失敗」
「僕は催涙スプレーを使うって攻撃する 催涙スプレー…20ターンスタン」
KP「えっ」
「えっとキックで8」
KP「死にました…(泣)」
小「えっとガラケーを潰します」
KP「ダイスは降らないでいいよ…自動成功」
スペクトラル・ハンターを撃退するかガラケーを破壊すればまばゆい光につつまれ意識が遠のいた。
目がさめると、貴方はパソコンの前でキーボードに突っ伏して眠っていたようだった。
パソコンの画面には「閉鎖しました」と書かれた真黒な背景に薔薇が描かれたサイトがうつっている。
きっとこれで、あのサイトに迷い込むものも居なくなるだろう、そう確信した貴方はそっと画面を閉じたのであった。
「これにてシナリオ終了です」
「お、終わったぁ」
「いやー楽しかったねー」
まあこんな感じだ
初めてだったもんで不慣れなところはあったがそこそこできたと思う
3・ショタコン疑惑
ТRPGをしてから3日たち俺は天馬と彪介とでショッピングモールを徘徊していた
一通り店を見終わった後で帰宅路を歩いているとすめらぎ荘の前に1人の少年がいた。
「おーい少年どうしたんだい」
彪介さんや今日日少年は言わなくないか?
「あっなななんでもない」
「ちょっ」
ガチャ
「おまたせ…あら?そこにいた坊やは?」
坊やも今日日言わねぇなぁ
出てきたのは小多奈だった
「さっきの子は?」
「走って逃げた」
「なんか言ったんでしょ渋ちゃん」
「いってねーよ」
そんなこんなで僕の部屋で会議が始まった
なんで会議だよ… 嘘です僕も気になっています
「慧斗はどう思ってんの?」
天馬が口を開いた
「いや普通に優しさで相手してるだけだと思うんですけど」
「いやこーさんがそういう趣味っていう…」
「直接聞いてみたら? 」
それで全部解決じゃないか
「けーさん行ける?」
「えージャン負けは?」
「「「ジャーンケーンぽん」」」
僕、1人だけ負ける…しょうがない行くか
そんなこんなで出かける準備をして外に出ると
遠くに小多奈を見つけた
だか隣には例の少年がいた
どうするべきか…
1.なんなりと声を掛ける
2.電話で天馬達から指示を仰ぐ
3.尾行
とりあえず2を選んでみるか
プルルルル プルルルル
「もしもし」
「見つけたけどどうすりゃいい?」
「は?テキトーに話しかければいいじゃん」
えええ
「そうだ!少年にカンチョーしてこいカンチョー」
「あの?天馬さん?」
キャラが壊れてる…
プッ…ツーツーツー
切れてしまった
あの調子じゃダメだな
ちょっと尾行しよ尾行
なんだ?路地裏に入っていったぞ…
そっと中を覗いて見たが行き止まりだった
なぜだ…?
僕も路地裏に入り周りを見渡すすると注意しないと見つけられないような細い道を見つけた
身体を細め道を進む
見つけた!…………………ッ
小多奈の後ろからなので良くは見えないが、少年の腕が小多奈の胸元に伸びている。
これはどうすりゃいいんだ?
「何やってんの?」
ビクゥと少年は肩を震わす
思わず声が出てしまった
「慧ちゃんどったのこんな所で」
「いやいやお前らこそなにやってんの?」
「え?ほらこの子」
小多奈の胸元には茶色の兎が抱かれていた
ぇぇぇぇ
「あっこた姉ちゃんぼくそろそろ帰んないと…」
「うんバイバイ」
「で?慧斗さんはなんでこんな所にいるの?」
「え?いやあの…」
「んー?あ」
小多奈は急にニヤッとして顔を覗き込んでくる
「私があの子と変なことしてないか心配だったの?」
「そ、そんなんじゃないよ」
「私はそういう心配するけどなぁ」
「なんで?」
「普段は猫かぶってるけど本性はライオンだったりして」
「なんでだよっ!」
ちょとドキドキしてたのになんなんだよ
「ふふ冗談冗談」
そんな会話をしながら僕らは家に戻る
公園坂通りに出たところで小多奈の姿がすっと見えなくなり、ドサッと音が聞こえる
「痛い」
「だいじょぶか?」
「立てない」
「どれ見せてみ?」
どうやら捻挫らしかった
家までは少し歩くし病院の方が近い
「病院行くか」
「いや大丈夫家に包帯とか色々あるから大丈夫」
「はいよ」
「おぶって」
「なんで?」
「歩けない」
「そっか。…よしほら」
小多奈に背を向ける。すると小多奈が寄りかかってくる
oh…。
「お願いしまーす」
「はいよっと」
軽っこいついつも何食ってんだろ…
「ねぇ慧ちゃん」
「何?」
「耳すっごい赤いよ」
ドキリ…ま、マジで?
「あの少年とはどんな関係なの?」
「家の前で暇そうにしてたから一緒に遊んでただけよ」
「そうなのか」
これなら天馬も納得するかなぁ?あいつさっきやばかったもんなぁ
そんなこんなで家に着き医療キットを持って小多奈の部屋にいる所である
途中彪介に見られたが大丈夫だろう
「よいしょっと……よしおっけい」
小多奈の応急処置が終わったので部屋に帰るとするか
「ちょっと待って」
「どうした」
「私の事好き?」
どっえ?あ?う?え?
「なななんで」
「いいからどーなの?」
「えっとまあ嫌いじゃないって感じ?」
「ふーんそう…私は好きよ」
「えっどっあっうえ?」
「何ドキドキしてんの?冗談よ冗談」
「びっくりした…じゃ部屋戻るね」
「うん。じゃ」
扉を開け外に出て部屋に戻る
あっそうだこいつら僕の部屋にいるんだった
「慧斗!どうだった!?」
「別に普通に知り合った少年だとよ」
「なんだ…よかったぁ」
「……さっ僕の部屋にいても邪魔だし解散!」
天馬と彪介を外に追い出す
「彪介5分後前の空き部屋」
彪介は親指を立ててGoodをして廊下を曲がっていった
5分たち前の空き部屋に入るともう彪介はいた
「何?どったのけーさん」
「いやなんか天馬が調子おかしかったなって」
「ん?ああ。おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおい天馬あああああああああああああああぁぁぁ」
「えっちょっおま…」
「何?どったの?」
「恋バナしようぜ恋バナ」
「なんでそんなことで呼ぶんだよ…」
「お茶とってくる」
そんなこんなで男だらけの恋バナ大会が始まった
「まずけーさんから」
なんで俺からなんだよ」
そんなこと聞いてないぞ
「まあまあ、いいからいいから」
ええええええ
しょうがない情報を手に入れるためだ…致し方ない
「分かったよ…えーとそーだな」
これは小学5年生の1月
僕はいつもどうり鳥小屋の掃除をしていた
いつも1人だったけどその時はもう1人女子がいた
名前は覚えてないが、1個上の先輩だった
その後も週に一回ぐらいのペースで来てくれていた
同級生には冷たくしているところは見たのだが、僕には優しくしてくれていたことをおぼえている
僕はその人のことを好きになっていた
でも6年生の彼女はもうすぐ卒業してしまう
もう会えないのではないかと考えて僕は卒業式の時告白した
俯く僕に微笑む彼女
でもダメだった
その日の夜は泣いた
人はこんなに泣けるのかと言うぐらい
そこまで僕の中で彼女は大きな存在だった
「で?そこ人とは再会したの?」
「いやーなんか私立に入ったらしくてさ…結局会えずじまいさ」
「ほーんじゃあ次てーさん」
「…わーったよ」
「単刀直入に言う…おれは小多奈が好きだ」
「お、おう」
マジかよ…
「どの辺が」
「そこまではいいだろって」
何だこの天馬…
「ご飯だよー」
下の階から千紘の声が聞こえる
ったくまだ彪介の恋バナ聞いてねぇじゃねぇかよ。
その後彪介に聞いてみたがのらりくらりと話題を変え真相には至らなかった
人に喋らせといて自分は言わないなんて悪いヤツめ…
どうも!ひょうと申します!初投稿です!
今作はシェアハウスを題材としたお話になっています
小説を書くのは2、3度目ですがアドバイスなどいただけたら嬉しいです!
TwitterID sibuya_hyou
ここまで読んで下さった読者様。誠にありがとうございました。
次は遅くなりそうです。でも必ず続けます。