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ああ、それでも

作者: 見崎志念

 少年はうそをかみ殺す。

 それでも前を向けという。

 誰かしらの虚言に惑わされて、

 だれでもない自分のためにと。


 少年はあいをおし殺す。

 全てにおいて優先すべきはおのれの感情。

 全てにおいて繰り返すべきはたがための習わし。

 残ったものは大切だったはずのもの。


 少年はゆめをしめ殺す。

 なんでもない音の塊のそれを大切に抱えて。

 なんにもなれない命をしぼりだして、

 そこにいると証明し続けた。

 

 分かりきっているはずの結末に

 終わったはずのプロローグを思い

 ああ、それでも





 彼は嘘を信じる。

 それでも前を向けという。

 自分の真実を見失って、

 自分ではない誰かのためにと。


 彼は愛を信じる。

 全てにおいて優先すべきは誰かの感情

 全てにおいて繰り返されたのは自分のための掟。

 何もかもを手放した。


 彼は夢を信じる。

 何かだった言葉の羅列は記憶の隅に。

 何かになってしまった命をまた削って、

 そこにいると証明し続けた。


 わかりきっていたはずの結末に

 始まるはずだったエピローグを恨み

 ああ、それでも

きっと何かを抱えてる。それが変わることも変わらないこともある。

些細な何かが、自分の中にあるような気がして。それがどんな形であれ、今そこに生まれた感情は捨てたはいけないものだと思うのです。

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