GW!! (Girls&Warning )
1
あたしたちは、今、建物の最上階でハンバーガーを食べている。
運良く窓側の席を取ることができて、喜んでいたところだった。
その時、アトラクションのレールの一部が爆発した。
不幸中の幸いとしては、爆発したレールの上に誰もいなかったことだ。
だが、こんなに派手な事故に出会ってしまったことに、不幸中の幸いはないだろう。
【お客様に連絡いたします。アトラクションのひとつが爆発するという事件…ではなく、事故が発生いたしましたので、落ち着いて避難してください。経路は、その場にいる誘導員にしたがってください。繰り返します。】
「ねー、あい達は助かるの?」
「大丈夫よ。大丈夫だから」
そうやってあいちゃんを説得していたが、ももは怖さから震えていた。
そういえば、放送で事件を事故と言い直していた。
となると、あたしには心当たりがある。入口前でぶつかったあの男だ。間違いない。
このパークを爆破させようとしているのか?
その時、ドンと、また爆発が起こった。この爆発はかなり近い。窓から下を覗くと、建物の入口付近で爆発していた。
一回目よりは小さかったけど、爆発した場所が問題だった。爆発した場所は、この建物の入口と非常口の前だった。つまり、
「私たちは閉じ込められたってこと?」
「えー、そんなー」
二人は絶望するように膝から崩れ落ちた。
どうしてこうなったのか。そもそも、どうしてこの事件は起きたのか。あの男はなにを考えているのか。
しばらく様子をみるしかないようだ。
2
俺は全国チェーン店のハンバーガーストアにいる。
勿論、俺が一人で来るわけない。義光の誘いがなかったら、家でずっと本を読んでいただろう。すると、義光は話を持ち掛けて来た。
「影信、このニュース知ってる?」
「ん?知らない。有名なのか?」
「ついさっき起こった事件だよ。この国も物騒だね」
「なんでここに来たのか分からなくなる。あれ?ここって」
「おっ、ニュース見なくてもそれは知ってるんだ。そうだよ。最近出来た遊園地だ」
「いや、そうじゃなくて。今日は何曜日?」
「金曜日だけど。何かあった?」
「ここに、あの3人がいる。間違いない」
「えっ!それは大変だ。てか、どうして知ってるの?」
「話はあとだ。今はすぐに向かうぞ」
「心読んだのか。でも、その遊園地に行こうと言ってもどうやって?」
「お前忘れたのかよ。目眩ましだ」
「あっ、あの瞬間移動魔法ね。よし、行こう」
3
ここは、遊園地の近くにあるカフェの一角。
遊園地に行こうと思えばあっという間に着く距離だ。
そのカフェの中で、ひとりはコーヒーを飲んで、もうひとりはパソコンに顔を向けていた。
「よし、二発目も上手くいったな」
「そうですね。間違いなくあの建物の中はパニック状態ですよ」
「それは是非見てみたかったな。それで次はどこを爆破させるんだ?」
「次は、あの建物を倒しますよ」
「どういうことだ?」
「あの建物の内側だけを爆破して、バランスを崩すんです」