表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/89

GW!! (Girls&Warning )

1

 あたしたちは、今、建物の最上階でハンバーガーを食べている。

 運良く窓側の席を取ることができて、喜んでいたところだった。

 その時、アトラクションのレールの一部が爆発した。

 不幸中の幸いとしては、爆発したレールの上に誰もいなかったことだ。


 だが、こんなに派手な事故に出会ってしまったことに、不幸中の幸いはないだろう。


【お客様に連絡いたします。アトラクションのひとつが爆発するという事件…ではなく、事故が発生いたしましたので、落ち着いて避難してください。経路は、その場にいる誘導員にしたがってください。繰り返します。】


「ねー、あい達は助かるの?」

「大丈夫よ。大丈夫だから」


そうやってあいちゃんを説得していたが、ももは怖さから震えていた。

 そういえば、放送で事件を事故と言い直していた。

 となると、あたしには心当たりがある。入口前でぶつかったあの男だ。間違いない。


 このパークを爆破させようとしているのか?


 その時、ドンと、また爆発が起こった。この爆発はかなり近い。窓から下を覗くと、建物の入口付近で爆発していた。

 一回目よりは小さかったけど、爆発した場所が問題だった。爆発した場所は、この建物の入口と非常口の前だった。つまり、


「私たちは閉じ込められたってこと?」

「えー、そんなー」


 二人は絶望するように膝から崩れ落ちた。


 どうしてこうなったのか。そもそも、どうしてこの事件は起きたのか。あの男はなにを考えているのか。

 しばらく様子をみるしかないようだ。



2

俺は全国チェーン店のハンバーガーストアにいる。

 勿論、俺が一人で来るわけない。義光の誘いがなかったら、家でずっと本を読んでいただろう。すると、義光は話を持ち掛けて来た。


「影信、このニュース知ってる?」

「ん?知らない。有名なのか?」

「ついさっき起こった事件だよ。この国も物騒だね」

「なんでここに来たのか分からなくなる。あれ?ここって」

「おっ、ニュース見なくてもそれは知ってるんだ。そうだよ。最近出来た遊園地だ」

「いや、そうじゃなくて。今日は何曜日?」

「金曜日だけど。何かあった?」

「ここに、あの3人がいる。間違いない」

「えっ!それは大変だ。てか、どうして知ってるの?」

「話はあとだ。今はすぐに向かうぞ」

「心読んだのか。でも、その遊園地に行こうと言ってもどうやって?」

「お前忘れたのかよ。目眩ましだ」

「あっ、あの瞬間移動魔法ね。よし、行こう」



3

 ここは、遊園地の近くにあるカフェの一角。

 遊園地に行こうと思えばあっという間に着く距離だ。

 そのカフェの中で、ひとりはコーヒーを飲んで、もうひとりはパソコンに顔を向けていた。


「よし、二発目も上手くいったな」

「そうですね。間違いなくあの建物の中はパニック状態ですよ」

「それは是非見てみたかったな。それで次はどこを爆破させるんだ?」

「次は、あの建物を倒しますよ」

「どういうことだ?」

「あの建物の内側だけを爆破して、バランスを崩すんです」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ