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瞬間ゲームの始まり

こんにちは、影斗です。

特に話すことはないので、続きをどうぞ。

1

 はぁ、まさか影信がこんなところにいるとは思ってもいなかった。でも、それはラッキーだ。鴨が葱を背負ってきたようなものだ。


「あいつさえ殺せれば、俺は、俺は……」


狭い路地裏に高らかな笑いが響いた。



2

 昨日は大変な1日だった。

学校で魔法が使えると言っただけで、いろんな人に声をかけられた。なんでだろう。あっちの世界では、ドアや窓の操作を面倒くさがって、魔法を使う人なんてざらにいるのに。


 ちなみに今は、影信を迎えに行っている。

 今日は朝から雨が降っている。


影信は、というか闇属性は水に触れると弱体化するらしい。なんてありきたりな設定なんだ。


 日常生活をどうしているのか聞こうとしたが、雨なのでやめておいた。


そんなことを思っているうちに影信の家に着いた。家のドアはすぐに開いた。


「おはよう、影信」

「おはよう…」


既に元気がない。大丈夫なのか?


「なぁ、義光。お前の炎で水を蒸発させてくれよ」

「僕は放火魔になる予定はないんだ」

「なら、俺が水を凍らせてやる」


僕と影信が自分の属性以外の魔法を使えるのは、杖のおかげ。

 杖にもランクがあり、僕らの杖は一番上のランクだ。

僕は(さかき)の杖、光と火を操る。

影信は睡蓮の杖、闇と水を操る。この場合の水は水を凍らせることだけらしい。


睡蓮の杖って可愛い名前だな。そう思っていたら、


「そんなことはない。睡蓮には隠れた花言葉があるんだ。何だか分かる?」

「分かんない。でも、人の心を読むのはやめたら?」

「便利だろ?睡蓮の隠れた花言葉は、〈滅亡〉だ。これでも可愛いか?」

「全くいい杖じゃないな。悪夢もみるんだろ?変えたら?」

「杖に好かれちゃったからな。あとこの杖、めっちゃ使いやすい。もうどうしようもない。あぁ、もう倒れそう」


影信は小さな段差につまづいて前に倒れてしまった。影信を起こすと、


「おい、影信。義眼は?」

「え!あれ!ない!」


影信はオッドアイを隠すためにカラコンの類である義眼を着けていたが、転んだ時に落としたらしい。

 影信は、見えないものを探す時によくみるポーズで義眼を探した。


「おっ、あった!」

「おい影信!すぐに戻って来て」


影信の前には、人が立っていた。影信はおもわず顔を合わせてしまった。まずい。またいじめられる。


「あっ、きみは影信だよねー。その目かっこいいねー。愛はその目好きだよー」

「えっ、あ、ありがとう」


意外な答えが返ってきて、僕らは驚いた。あっちの世界では、欠陥だと言われていじめられるのに。


「昨日聞いたよー。影信も魔法使いなんだねー」

「待て。それは誰から聞いたんだ」

「ももだよー。すごいねー。クラスに魔法使いが二人もいるなんて」

「これは青塚を問い詰めないと」

「わぁー、はやーい」


影信は本田さんを引っ張って走って行った。水による弱体化はどうなった。



3

 「おい、あいつはまだか」


学校が始まってからも、青塚は来る気配がなく、ついに放課後になってしまった。


「あれー?おかしいなー。昨日はメールでやり取りしてたのに」


そんな時、俺のスマホが鳴った。イライラしながらも、メールを開く。


【烏谷影信。お前を殺す。こっちには人質がいる。変な事をすればこいつを殺す。わかったら、17:00に影信一人でここに来い】


 そして、メールと一緒に写真が送られて来た。

 一枚は古くてツルが張りついている建物の写真。恐らくここに来いということだろう。

 もう一枚は、なんと青塚が椅子に縛られている写真だった。


「なるほど。そうきたか」

「どうする?影信」

「堂々とのりこむか」

「そこにあたしも連れていって」


立っていたのは泉宮だった。


「お前いつから聞いてた」

「最初からだよ。よし、それじゃあももを助けに行こう!」

「行こー!」

「遊びじゃないんだよ」


本田には来ると危ないから家で待機させた。ところで、このメールの送り主は昨日の通り魔か?何でもいい。今はこの事件を片付ける。



4

 ん?ここは?とりあえず、目隠しを取ろう。

………あれ、手が動かない。足も動かない。


 私、今どこにいるの?

 そういえば朝、家を出て歩いていたら…………、そうだよ、そうだった。私は誰かに襲われたんだ。

 というか、さっきから体が熱い。汗が体から滝のように流れていくのが手に取るように分かる。あれ、なんか頭がぼーっとしてきた。


誰か、水を……

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