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扉の外へ  作者: いざぱんす
第2章
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Doll get a heart 4

私は花畑に立っていた。

蘭や百合、菜の花に蓮の花。色とりどりの鮮やかな花達で埋めつくされたそれは、とてもとても美しかった。

黄昏時の空は茜色の輝きを放ち、まばゆい光を受けた花達はその光を全身に浴びようと背伸びをはじめる。

ここはどこだろう。初めて来る場所だし見たこともない。

しかし、ここにいると不思議にも心地よさが溢れてくる。ずっとここにいたいという気持ちにさせられる。まるで母親の腕の中にいる赤ん坊のような気持ちだ。

『あなたは運命に抗い始めている』

ふと、頭の中に声が響いた。透き通った鈴の音のような声だ。

『決して逃れることのできなかった。生まれながらにもつ死の運命から』

とても綺麗な声。聞いているだけで心が安らいでいくのが実感できる。

そう感じていると前方から二人の少女が歩いてくるのが見えた。


そこで目が覚めた。

「今の夢は...」

ベッドから降りようとして、床に人が転がっているのに気づいた。

「わっ!」

必死に状況を把握しようとする。

「この人は、確か恭弥よね」

恭弥はどうやら眠っているらしい。

「魔力をいきなり与えてしまったから疲れてるのね」

おそらく危険なほどではないが、彼の体には負担がかかっているはずだ。

外を見ると日が沈みかけている。

「恭弥」

意味もなく名前を呼んで見る。なにか暖かい感情が由奈を包んだ。

「あなたは私に心を分けてくれたの?」

返答はない。どうにか恭弥の体をベッドの上に持ち上げた。その間も恭弥が起こきる気配はない。

私はこれからするべきことを考える。

最終目的はあの化け物を仕留めることだ。このまま放置していたら追い詰めた意味がなくなってしまう。できるだけ早く仕留めなければいけない。

しかし、今の私にはその力がない。この少年に魔力を分けてしまったのだから。

私はベッドに横たわる恭弥の顔を覗き込む。

「あなたに手伝って貰えば...」

この少年と力を合わせるのが私にとっては最善だ。

彼にも彼の生活があるはずだ。それは分かっている。でも初めから私はこの少年を巻き添えにしたのだ。今更、後には引けない。

自分勝手だと思う。これも初めての感情だ。今までは任務の遂行が全てで、周りを巻き込もうがなにも思わなかったはずなのに。

今はこの少年を危険な任務に巻き込みたくないと思っている。この少年のことを思って。

それと同時に。

「私は、あなたともっと時間を過ごしてみたい...」

馬鹿げている。でも真実だ。この少年、恭弥は私に何か大切なものを与えてくれた。私はそれを確かめたいのだ。

私は恭弥の頬にそっと触れる。


「ごめんなさい。私はあなたを巻き込むわ」

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