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誓い

「やはり手がかり無し……か。」


柴が考え込むようにつぶやく。


「クソ、これじゃ犯人のやりたい放題ですよ!」


「三上。 焦りを見せるな、場が荒れる。」


「ですけど!」


「三上、今日は一旦帰って明日もう一回聞き込みに行ってくれ。」


「柴さんたちはどうするんですか?」


「……俺は少し気がかりなことがあってな。少し調べてみる。」


「……その気がかりは柴さんと河野さんが隠してることと関係ありますか?」


やはり、気づいてたか。


核心のついた一言に柴は心拍数が上がるのを感じる。


「……いえ、なんでもないです。余計なこと言ってすみません。」


「……聞かないのか?」


「柴さんが俺に言わないなら俺は聞く必要のない事でしょうから。

信じていいんですよね、柴さん。」


「当たり前だ。」


三上は安心したような顔つきで「ではお先に失礼します」と言って立ち去った。


「本当にいい部下を持ったな、柴。」


「俺には少々手が余るよ。」


2人は真剣な表情で車に乗り込む。


「さてと化け物を一狩りしてくるか。」


「ああ。」


車を発進させると話題はやはり事件のことになった。


「一狩りって言ってもどうするつもりだよ、今の所顔だけしかわかってない。」


「東京または周辺の県住みってことも見当はつくけどな。」


「おいおい、一体いくつの街をしらみつぶしに探すつもりだよ。」


「あくまで最終手段だけどな。 ……殺人なんて最も許しちゃいけない罪だ。」


その冷たく殺気に近いオーラを放つ柴に河野は息を呑む。


「まずは一つ目の犯行現場周辺の防犯カメラで動きを追ってこう。」


「休まなくて大丈夫か?」


「あ、悪い。奥さん心配なら一旦帰っていいぞ? 無理させるつもりはないし。」


「そういう意味じゃねえよ。俺もおまえも働きづくめだろ。ただ無茶しても効率悪くなるだけだし、こんな真夜中に開いてる店も少ない。 防犯カメラの確認は夜が明けてからでいいだろ。」


「それじゃ遅い。犯人は短期間に2人殺してる。今夜また犠牲者を生まないとも限らない。一刻も早く……!」


「冷静さを欠いてんじゃねえよ、らしくない。」


「……そうだな。おまえのいう通りだ。 送るからおまえん家までナビ頼む。」


「あいよ。」


そうさ、おまえのいう通りだ。おまえは正しい。わかってる、いつもの俺だって同じ判断をしてるだろう。


ーーーけど、悪い。今回はそんな悠長なこと言ってられねえや。


今回の事件は、あの時の事件に似過ぎてる。


「こっから道狭いからここでいいよ。じゃあ、また後で。」


「ああ。」


今回の犯人は絶対俺が捕まえる。


もう1人だって犠牲者を出してたまるか。


俺はあの時のような事件が2度と起きないようにするために、


この時のために刑事になったんだーーッ!!

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