ネクストヒューマン
……久しぶりに更新すると自分でもどーゆー展開にしたいんだったか忘れちゃって読み返すんですけど、自分の描いた作品ってくそつまらないですね笑笑
小さいころにママから鬼のお話を聞いた。悪い子のところには怖い怖い鬼が来るんだって。 凶暴な顔つきで一度にはまれれば人は恐怖から逃げ出すことすらもできなくなる。
鬼は容赦なく人に襲いかかるとたちまち悪い子を地獄に連れて行くんだと。
「ふひっ! いい顔するね嬢ちゃん。 やっべえー興奮してきた。 たまにはガキを殺すのもいいかもしれねえなあ?」
きっと私が優しい純平に突き放すようなひどいことを言っちゃう悪い子だったからーーー鬼が出たんだ。
「どうした? 怖くて声も出ないってか?」
「あなたは……鬼ですか?」
震える声を振り絞る。顎を触りながら神妙そうな顔をする男。
「鬼ねぇ……そう。ボクは鬼さ。人殺しがだーいすきな悪い悪い鬼だ。」
楽しそうに、愉快そうに笑う鬼をただ見つめた。 自分がどんな顔をしているのかも、どんな顔をするのが正解なのかもわからずただひたすらに。
「……ふふっ。安心していいよ、今すぐ殺すつもりはないから。 とゆーか今回は欲望の殺しじゃなくて仕事の殺しだから君に死なれちゃ困るしね。」
鬼はそう言って銃をおろすと地獄行きの車を発進させた。
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
「犯人の狙いがわかるだと!?」
純平が提示してきた情報は思いもよらぬものだった。
「ああ。予測に過ぎないって言われりゃそこまでだけどな。」
表情からしてかなり自信がある様子。 警察が何日もかけてわからなかったことをこの少年は簡単にわかってしまったというのか?
「犯人の狙いはずばりーーー僕だ。」
笑った。 少年は自身を指差しながら悲しそうな目で確かに笑った。
「それってどういうーーー」
「だろうな。」
三上の問いを掻き消すように柴が肯定の意をしめした。
「へえ? 気づいてたの?」
「気づいてた、というか可能性のひとつとして考えていた。 なにせ被害者の唯一の共通点だからなあ?」
「そう。僕はつい最近まで叔母さんに監禁されていたから顔見知りなんて片手の指でも余るほどにしかいなかった。 なのに殺されたのがどちらも僕を知ってる人なんて偶然な訳がない。」
「つくづく頭の回るガキだな。 学校行ってないのにどこで知性を磨いた?」
「家の書斎だよ。さすがに何年も同じように縄に縛られてたら解けるようになってね。 叔母さんは研究者だったからいろんな本があったんだ。 僕はとにかくそれを読み漁った。」
監禁、縄で縛られて、などなかなかヘビーな言葉がポンポン出て来る会話に三上はおどおどする。しかし柴は冷静そのもののようだ。
さすが若手エリートは伊達じゃない。
「なるほどな。 で、狙われる理由に心当たりは?」
「その答えはそっちが持ってる情報が僕の予想通りかどうかで変わってくるかな。」
三上にはその言葉の意味がわからなかったが、柴は「くくっ。」と乾いた笑い声をあげた。
「恐ろしいガキだな。なんでも知ってるってか?」
「いいや。むしろ知らないことばかり。 つい最近人の温もりを知ったよ。 ついでにショッピングモールとゲームセンターも。」
「じゃあ、防犯カメラに映っていた化け物の正体は知ってるかーーー?」
「え?」
三上は1人驚きの声をあげた。1人だけ置いていかれている状況で理解不能な情報が頭上を舞う。
「化け物と称するそれが何なのかは思い当たる節があるけど僕もあまり多くのことを知っているわけじゃない。」
「ある情報だけでいい。些細なことすら重要な情報となる状況だ。」
「……そうだね。その化け物の名称は〝ネクストヒューマン″。ある研究者たちが名前通り人間のさらなる進化について研究した実験体だ。そしておそらくその実験には僕の叔母さんが1枚噛んでいる。」
「〝ネクストヒューマン″ねえ。なかなかクレイジーな研究者がいたもんだ。」
「2人ともなんでそんなに冷静なんですか……? 急がないと間に合わない……!」
三上の中の疑問が解消されると同時に恐怖に襲われる。
「間に合わない? 何を言いだすんだ三上?」
「次のターゲットの話ですよ! もし2人の見解が正しいなら次に狙われるのは間違いなく鈴ちゃんだ!」
「……!!」
純平の目つきが変わる。
「その子ならさっき……」
「柴さんは何を根拠に高木さんを信じてるんですか?」
「はあ? おまえあの人の実績知ってるだろ?心配いらねえって。」
「あの人から微かにですが血の匂いがしました。それに一瞬ですが嫌な雰囲気を感じた。〝ネクストヒューマン″は高木さんかもしれません……!!」
「くっ!!」
突然純平は走りだす。鈴を乗せた車を追うつもりなのだ。
「待て!……くそガキが。 三上あいつを追え。俺は別ルートから高木さんたちを探す。
……おまえの観察眼を高く評価しているからな。」
そういうと俺と柴さんは別れた。その言葉が最後の会話になるとも知らずにーーー。




